全国水平同盟 第10回大会

全国水平同盟第10回大会が7月18日、高槻現代劇場で開催され、多くの闘う仲間が結集しました。

「本大会は元気よく開催する」

大会は、村岡さんを議長に選出。村岡さんは「第10回という記念すべき大会だ。全国水平同盟の闘いが前進する大会としたい」とあいさつしました。
全国水平同盟高槻支部・支部長の曽我さんが開会のあいさつ。曽我さんは「本日の大会は元気よく開催する。みなさんの討論を経て総括と方針を決定したい」とあいさつしました。

「全国水平同盟の仲間と共に狭山闘争の前進を勝ち取っていく」

続いて連帯のあいさつです。改憲・戦争阻止!大行進関西・代表代行の木下さんは「表現の不自由展では、右翼の街宣車が連なっていたが、関生支部や全港湾が防衛していた。エル大阪の会場使用不許可を吉村知事は支持していたが、開催に成功した。差別や分断を煽り、戦争への道を突き進むことを許さない。労働組合を軸に改憲・戦争反対の陣形を敷き、全国水平同盟の仲間と共に狭山闘争の前進を勝ち取っていく。オリンピック反対7.233渋谷デモに全国結集に起ち上がろう」とあいさつしました。

「仲間の支援行動で武委員長の実刑攻撃を粉砕したことに感謝する」

関生支部の武谷さんは、日頃の関生支部弾圧の支援にお礼を述べたあと「7月13日、武委員長判決公判集会には、仲間の皆さんの支援行動により、大阪広域生コン協組の動員を上回る、400人以上の闘う仲間が結集し、武委員長の実刑攻撃を粉砕したことに感謝する。他方では、ストライキや建築現場の安全を確保するコンプライアンス活動など、労働組合活動については有罪判決が出されている。高裁で無罪を勝ち取るために全力を尽くすので、引き続きのご支援をお願いする。現場闘争では、3月のナニワ生コン包囲集会や6月の藤原生コン・ナニワ生コン闘争茨木市役所行動を、全国水平同盟、関西労組交流センターの仲間と共同行動を展開した。ナニワ生コン・藤原生コン闘争では、解雇撤回・現職復帰を勝ち取り、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしを粉砕するまで闘う。委託清掃事業者で働く労働者は「自分たちは、出自で差別され、ゴミ屋・ババ屋と職業で差別され、役所直轄の労働者と賃金・労働条件でも差別されている」と言っていた。ゴミ収集やし尿収集は、えた・ひにんの仕事だと、権力者による差別を大衆に根づかせた行為が現在も続いている。階級的労働運動を軸に、狭山再審棄却阻止・第三次再審勝利、更地化・解放運動つぶし、改憲・戦争阻止を掲げる、全国水平同盟の闘いに、関生支部は共に闘う」とあいさつしました。

「狭山再審棄却を阻止し、第3次再審勝利を勝ち取る」

大阪星野文昭さんを取り戻す会・代表の吾鄕さんは、本大会に寄せられた星野暁子さんのメッセージを紹介した後、「階級的労働運動を軸にして、新たな狭山闘争を切りひらく。狭山再審棄却を阻止し、第3次再審勝利を勝ち取るために皆さんと共に闘う」とあいさつしました。

「改憲・戦争阻止!菅打倒闘争の先頭に立つ」

全国から寄せられた、闘う労働組合や地域で闘う仲間の大会メッセージが紹介されたあと、全国水平同盟・委員長の久原さんから基調報告の提案がありました。久原さんは「闘いの総括、時代認識と闘いの総括・方針」を提案しました。最後に久原さんは「改憲・戦争阻止!菅打倒闘争の先頭に立ち、今秋狭山決戦から11月7日労働者集会の成功へ決起しよう」と行動を提起して締めくくりました。

「各支部からの闘いの報告と闘争方針」

各支部の報告では、高槻支部、京都崇仁・東三条支部、杉並支部、西郡支部の代表者から、それぞれの闘いの報告と今後の闘争方針が示されました。

「広範に運動を広げて闘う労働組合を甦らそう」

討論では、関生支部・北Bブロックの代表者が「関生弾圧支援に感謝する。7月3日に開かれた中央委員会で武委員長は、『実刑をくらう』と覚悟していたが、7月13日の判決公判では1件の無罪を勝ち取り、実刑攻撃は粉砕した。しかし、私は懲役3年執行猶予5年の判決に納得できない。産別運動のストライキは当たり前だ。高裁で無罪を勝ち取るために全力を尽くす。北摂地域では、闘う労組や市民団体が定期的に学習会、街宣行動を展開して、狭山事件、沖縄問題などの理解を求める活動をしている。広範に運動を広げて闘う労働組合を甦らそう」と発言しました。
続いて、関西労組交流センター共同代表の深町さん、八尾北医療センター労組の灰垣さん、奈良の増本さん、北九州の東さん、広島の動労西日本、東部労組交流センターの谷井さん、関西合同労の山口さん、栃木県の仲間、全学連の代表者、婦人民主クラブの山本さん、高槻医療福祉労組の村山さんが、現場の闘いの報告や闘争方針を示し、全国水平同盟と共に闘う決意を表明しました。

「組織拡大、労組との連帯で、差別分断の社会を変えよう」

討論のまとめと行動提起を全国水平同盟書記長の田中れい子さんが提案しました。本大会の議案を全員一致で採択。全国水平同盟の新たな体制が確立したことを受けて、久原委員長が「私たちは8年間の闘いによって、弾圧や妨害をはね返したきた。この間の成果に確信を持ち、組織を拡大し、労組との連帯で、差別分断の社会を変えよう」と呼びかけました。
全国水平同盟執行委員の佃さんの「団結がんばろう」を参加者全員が唱和してお開きとなりました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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