藤原生コン運送・ナニワ生コン闘争、茨木市役所前宣伝活動
連帯ユニオン関西地区生コン支部・ナニワ生コン分会(連帯・関生支部)は7月30日、茨木市役所前で、「藤原生コン運送社、ナニワ生コン社の不当労働行為弾劾!」「茨木市は、労働委員会の命令を履行するよう指導を行え!」を掲げた、宣伝活動を展開しました。
「月の行動に続く市役所前宣伝行動」
当日は、茨木市役所の正面玄関前で、ナニワ生コン分会長と武谷書記次長が広報宣伝とビラ配布を行いました。
茨木市役所玄関前の歩行者道路で、ナニワ生コン分会長がマイクを握り、藤原生コン運送社・ナニワ生コン社が法律に違反している不当労働行為の事実や、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度に終始していること、茨木市として藤原生コン運送社・ナニワ生コン社に対して厳格な指導の要請などを整然と訴えました。
市役所玄関前の歩行者道路では、武谷書記次長が市役所の職員や市役所を訪れた市民にビラを配布しました。
「男性職員と女性市民から激励の声が」
関西地区生コン支部・機関紙部が作成してくれた「藤原生コン運送・ナニワ生コン闘争ニュース」ビラは、暑いさなか、市役所の職員や市役所を訪れていた市民は快く受け取ってくれました。若い男性職員からの「がんばってください!」や、女性の市民からの「大変やなあ。がんばりや!」との激励の声が印象的でした。
午後2時過ぎから約1時間の行動でしたが、ナニワ生コン分会長の訴えに、茨木市役所を訪れる市民や市役所を出入りする職員らが耳を傾けてくれました。ビラは51枚の配布でした。引き続き、茨木市役所前行動を展開します。
「藤原生コン運送社、ナニワ生コン社は不当労働行為企業と認定された」
茨木市に所在する、藤原生コン運送社とナニワ生コン社が、連帯・関生支部の組合員を不当に解雇・雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は昨年、「解雇や雇い止めなどがなかった状態に戻せ」などと命令し、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定しました。
「大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にある」
ところが、藤原生コン運送社とナニワ生コン社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
大阪府に所在する生コン企業の100%近くが加盟する「大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)」が、2018年から始めた「労働組合つぶし」が背景にあります。
藤原生コン運送社、ナニワ生コン社と連帯・関生支部は、長年、円満な労使関係を築いており、労使が協力して展開する「生コン産業政策運動」を推進し、生コン価格や輸送運賃の適正化が実現したときには、労働組合が要求している「非正規の正規化など労働条件の改善」を約束していた企業でした。
ところが、大阪広域生コン協組の執行部から「労働組合つぶし」の協力を強くもとめられ、圧力をかけられた藤原生コン運送社とナニワ生コン社の経営陣は、連帯・関生支部の組合員を解雇・雇い止めしたのです。
しかし、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にあるとしても、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、命令が出されたことについて、真摯に受けとめ、速やかに命令を履行することが、藤原生コン運送社とナニワ生コン社の経営陣が「法律を遵守」し、「社会的な責任を果たす」ということなのです。
「府労委の命令は有効であり、藤原生コン運送社とナニワ生コン社は『命令履行』義務がある」
大阪広域生コン協組の圧力もあり、藤原生コン運送社とナニワ生コン社は、中央労働委員会に再審査申立をおこなっていますが、大阪府労働委員会の命令は有効であり、「命令履行」義務があるのです。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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