9.20関西保育集会
改憲・戦争許すな!子育てを労働者の手に取り戻そう!民営化反対!公的保育を守れ!を掲げた「9.20関西保育集会」が9月20日、神戸市総合福祉センターで開催され、現役の保育士さんをはじめ、多くの労働者が結集しました。連帯ユニオンからは、関西地区生コン支部が参加しました。
「保育労働は、子どもと、女性の未来をかけて労働組合で闘うこと」
集会は、宝塚市職・野田さんの司会で開会。豊中市職の深町さんから提起がありました。深町さんは「時代認識として、今はどんな時代か?中国とアメリカの戦争が切迫している情勢のなか、いよいよ戦争に向かう時代。戦争に向かった労働組合破壊。自治労を始めとした既存の労働組合の屈服」などを詳細に述べました。
また、深町さんは「いま求められる保育とは何かとして、仲間と共に生きる。労働組合や地域の運動と一体で作り上げてきた保育の内容」を話し、「おかしいことに気づき、立ち向かい社会のを変えていく力をつけていく」ことを具体的に提起。
最後に、深町さんは「保育労働は、子どもと、女性の未来をかけて労働組合で闘うことだ。それは職場でひとりの闘いから始まる。圧倒的な怒り充満した職場、社会の中で声を上げることが重要」と行動を提起して締めくくりました。
「民営化を阻止する闘いを強めていく」
続いて、神戸市職労・林さんから「評価制度撤廃・措置要求の報告」がありました。林さんは、2021年2月1日に提出した「措置要求書」を示して、「①理由を明らかにしない、恣意的な低評価を撤回し、賃金削減分を支払うこと。②不当労働行為、団結破壊につながる人格権の侵害を認め、謝罪し、今後、このようなことが一切起こらないようにすること。③未払い残業代を支払うこと。④2年、3年で懲罰的に転勤させるのは、不当労働行為で認められない」との項目を詳しく解説したあと「神戸市による民営化を阻止する闘いを強めていく」と決意を表明しました。
「会場からの多くの発言で活発な議論に発展」
2人の問題提起を受けて、フリートークに入りました。会場からは、13人の発言がありました。公立小学校の介助職の方や徳島の保育士の方、大阪市教員、若者の女性などからの現状と課題の報告が印象的でした。フリートークでは、発言者からの報告や意見が交わされるなど、活発な議論が展開されました。
「労働組合に結集して闘おう」
改憲・戦争阻止!大行進・兵庫の山本さんから「9.20関西保育集会宣言文」が提起され、参加者全員一致で「集会宣言」を採択しました。
司会の野田さんが、本日の集会のまとめをおこなったあと、参加者全員が「改憲・戦争許すな!子育てを労働者の手に取り戻そう!民営化反対!公的保育を守れ!」など、「労働組合に結集して闘う」ことを確認して、お開きとなりました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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