戦争したがる権力者を打倒しよう
イージス・アショアは、2017年にトランプ大統領が、安倍首相にアメリカ製兵器の購入を迫ったことから、「爆買い」の一つとして導入を決めました。当初から、日本防衛を真剣に考えて導入を決めたものではなく、当時の安倍首相が政治判断で決めたもので、防衛省がもともと考えていた構想ではないのです。
「首相と防衛省の共通利益」
政府は昨年6月、イージス・アショアの配備を断念しました。しかし、アメリカと1700億円以上の契約済みだったので、購入をやめた違約金として仮に全額請求されると、イージス艦1隻分にあたるお金が消えてしまうことから、就任したばかりの岸信夫防衛相の責任問題に発展します。
また、首相にしてみれば、アメリカにイージス・アショアを買うことを約束していたことから、「断念したのは陸上配備のイージス・アショアであって、洋上のイージスなら問題ない」という屁理屈を持ち出しました。首相のアメリカ追従と防衛省の責任回避が共通の利益となったのです。
「ミサイル防衛に2兆円」
他国では、ポーランドとルーマニアにもイージス・アショアはありますが、米軍が配備しているものです。イージス艦は韓国やスペインも持っていますが、ミサイル防衛用ではありません。アメリカの同盟国で米ミサイル防衛システムをフル装備で導入しているのは日本だけです。
相手のミサイルを打ち落とすのは困難な上に、経費が高すぎて割に合わないことが理由です。それなのに、日本はミサイル防衛に累計で2兆円も税金を投じています。
イージス・アショアは洋上配備の形で継続した上で、さらに敵基地攻撃能力の保有も検討するという「焼け太り」となっています。
「東アジア全体の不安定化」
日本政府は護衛艦「いずも」を空母化し、搭載するF35B戦闘機の42機導入を決めており、「スタンドオフ・ミサイル」と呼ばれる長距離巡航ミサイルの取得や開発も始めるなど、「敵基地攻撃用装備」はそろいつつあります。
日本政府は、安保法制で集団的自衛権の行使容認に踏み切りました。それに続いて「敵基地攻撃能力」を公然と持てば、周辺の国々が軍事力を強化しようとするのは明らかです。「日本を守る」という政策が、東アジア地域全体の不安定化を呼び込むことになります。
「武器ビジネスの闇」
ドキュメンタリー映画「シャドー・ディール 武器ビジネスの闇」は、国際武器取引の実態を暴いています。
この映画は、ヨハン・グリモンプレ監督(ベルギー)と原作者のアンドルー・ファインスタインさん(南アフリカの元国会議員)が、「軍需企業に訴えられたり武器商人に脅迫」されながら制作したものです。
歴代のアメリカ大統領やイギリス首相も関わる武器ビジネスが、政治を腐敗させ、市民が武器の犠牲になっている実態を告発しています。
「防衛産業は安全保障強化どころか、世界をより危険なものにしている」
グリモンプレ監督は、「各国政府の武器取引は、政治家や軍上層部、軍事企業といった限られた人たちの利益のために行われる。防衛産業は安全保障を強化するどころか、世界をより危険なものにしている」。
「第1次大戦中、クリスマスの日に何万人もの兵士たちがたたかいをやめて抱きしめ合い平和に過ごした。そこに人間性を強く感じる。いま世界はコロナで悲惨な状況が続いるが、人々の愛と思いやりの物語を私たちは取り戻せるはずだ」と話します。
「権力を持つ一握りのエリートが、外交よりも戦争を優先させている」
原作『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』(邦訳、原書房)を7年半かけて書きあげた、ファインスタインさんは、「この映画は、仲介役や武器商人の果たす危険な役割、武器を売買する国の双方で法の支配や民主主義が内側から崩壊していくことを示している。そして武器取引をコントロールする権力を持つ一握りのエリートが、外交よりも戦争を優先させていることを白日の下にさらしている」と世界中の政治汚職の4割が武器取引に関わるものだと指摘し、「国際的な武器取引の規制が必要だ。私たち一人ひとりが市民として政府を見張り、声を上げ続けなければならない。政治家は私たち市民が税金で雇っているのだから」と訴えます。
「戦争したがる権力者を打倒しよう」
2014年に「武器輸出の解禁」された以降、日本政府は海外に武器を輸出しようとしています。コロナ禍が人びとの命と暮らしを脅かし、財政が逼迫するなか、安倍前政権下で拡大してきた防衛費が膨らみ続けています。
菅政権が閣議決定した21年度の当初予算案では、防衛費は5兆3422億円となり、7年連続で過去最高を更新しました。今年度の第3次補正予算案にも3867億円が計上されています。
イージス・アショアの代替や敵基地攻撃能力の保有に予算をつけるのではなく、コロナ禍で困窮している労働者や中小零細事業者など、国民のために税金を使うことが最優先です。そのためには、戦争したがる権力者「菅政権」を退陣させることです。私たち労働組合が先頭に立ち、あらゆる行動を展開して、菅政権を打倒しましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
amazonでも購入できます。ココをクリック