アスベスト訴訟弁護団の画期的な勝利判決

阪神・淡路大震災で倒壊した瓦礫(がれき)の収集などの業務にあたり、アスベスト(石綿)が原因とされる腹膜中皮腫で亡くなった、当時49歳だった兵庫県明石市職員の遺族が、公務災害(労災)と認定しなかった地方公務員災害補償基金(東京)の処分の取り消しを求めた訴訟の判決が3月26日、神戸地裁で開かれ、遺族側勝利の判決が出されました。

「基金は、公務との因果関係がないと認めず」

訴えたのは市職員だった島谷和則さんの妻・弘美さんです。島谷和則さんは1995年の阪神・淡路大震災後、倒壊したアスベスト(石綿)を含む震災の瓦礫などの収集や運搬に従事していました。2012年に腹膜中皮腫と診断され、2013年に亡くなりました。公務災害の認定を求めたましたが、地方公務員災害補償基金は2014年、「公務との因果関係が明らかでない」として認めませんでした。

「業務の特性や被災当時の環境などを踏まえて判断すべき」

泉薫裁判長は判決で、「震災後の1年3ヶ月間、島谷和則さんが日常的に石綿を吸い込む業務状況だった」と指摘し、「他に有力な発症原因がないことなどから、発症と業務に因果関係がある」と瓦礫の収集・運搬業務が原因であることを認定しました。
また裁判長は、「石綿飛散に関する客観的データがないことも、当時の状況からやむを得ず『被災職員の不利益に扱うべきではない』」としました。
さらに、「島谷和則さんが公務災害の認定基準を満たしてはいない」とも指摘しましたが、その上で「公務災害か否かは基準を機械的に適用することなく、『業務の特性や被災当時の環境などを踏まえて判断すべき』であり、『震災の影響を正しく評価しておらず、裁量権の逸脱や乱用がある』」と地方公務員災害補償基金側の主張を退け、業務と死亡の因果関係を認め、地方公務員災害補償基金の処分を取り消しました。

「アスベスト訴訟弁護団の画期的な勝利判決」

裁判所が、震災復旧を担った公務員のアスベスト(石綿)被害を公務災害として認めたのは初めてのことです。
アスベスト訴訟弁護団の奮闘により、画期的な勝利判決を獲得したことに敬意を表します。弁護団と共に闘ってきた関西労働者安全センターをはじめとする労働組合や市民団体などのみなさんの行動が画期的な判決を勝ち取ったことに感動しました。
今回の成果をつなげる運動を進め、さらなる成果を勝ち取ることをめざして、共に闘いましょう。

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「関生事件」が揺るがす労働基本権
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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
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お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
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第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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