東大阪市議会「不当労働行為企業についての質問と答弁」五一闘争

東大阪市議会(本会議)で3月10日、松平要市議会議員から「不当労働行為と入札参加資格に関して」との質問に対して、当局から答弁がありました。
『※令和4(2022)年3月10日、東大阪市議会の傍聴した内容を要約』

「松平要東大阪市3議会議員が、不当労働行為と入札参加資格について質問」

松平要市議の質問は、「不当労働行為と入札参加資格について、労働組合との交渉を拒否するなど不当労働行為を繰り返した企業に対して、大阪府は入札参加資格を1ヶ月間停止しました。昨年4月26日に中央労働委員会の不当労働行為認定を受けた行政処分です。大阪市や守口市、京都市でも入札停止となりました。直近では、市内の建築資材の企業が大阪府労働委員会から団体交渉拒否などの不当労働行為があるとの認定を受け、関連労働組合から本市に対し、労働委員会の命令を守るように行政指導するなどの対応を求める要望が出されています。前述の行政処分をした自治体の動向に鑑み本市の担当部局の見解をお示し下さい」。

「来年度早々4月中には入札停止の方向で要綱を改定したい」

担当部局の行政管理部部長は、「入札参加企業において不当労働行為があった際には要綱により注意喚起をしてきたが、近隣市が入札停止という対応をしていることを受け、来年度早々4月中には入札停止の方向で要綱を改定したい」と答弁しました。

「下請けであっても、不当労働行為企業とは取り引きしない条件付けを要望」

担当部局の答弁に対して松平要市議は「元請け企業に不当労働行為がなくても、その下請け企業や材料発注企業に不当労働行為があったときには、入札時に市内企業で不当労働行為企業とは取り引きしないことを条件付けることも要綱改定にあたって検討して欲しい」と強く要望しました。

「『要綱改定』に盛り込むための運動を」

松平要市議の提起に感謝します。私たち労働組合には、「下請け企業や材料発注企業に不当労働行為があったときには、入札時に市内企業で不当労働行為企業とは取り引きしないことを条件とする」ことを「要綱改定」に盛り込むための運動が求められています。
下請けや出入り業者が元請けの隠れ蓑となって、違法行為を続けたまま公共事業に関わっている実態を暴露・発信する行動を展開しましょう。

「労働委員会の権威と威厳を回復する行動を」

労働委員会から出された、不当労働行為認定や命令が形骸化されている現状のなか、労働委員会の権威と威厳を回復するために行動しましょう。

※五一闘争とは
大阪府労働委員会は2020年10月28日、大阪府東大阪市岸田堂西2丁目2番14号に所在する生コン製造企業「(株)五一」に、労働組合法違反の「不当労働行為企業」と認定し、関西地区生コン支部の組合員を雇い止めしたことを断罪しました。
さらに、大阪府労働委員会は「(株)五一社」に対して、「労働組合法違反の不当労働行為に該当し、今後このような行為を二度と繰り返さないようにいたします」と記した文書を速やかに労働組合に提出しなければならい、との命令を出したのです。
しかし、現在も「(株)五一社」は大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。

「大阪広域生コン協組の『労働組合つぶし』が発端」

「(株)五一社」の不当労働行為は、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)の関西地区生コン支部つぶし、いわゆる「労働組合つぶし」が発端なのです。
「(株)五一社」と関西地区生コン支部は、生コン業界の再建・発展に向けて協力し、労使関係も安定していました。生コンの適正価格が実現したときには、非正規の正規化など労働条件の改善・向上も約束していた企業だったのです。
ところが、2018年から始まった大阪広域生コン協組の関西地区生コン支部つぶしに、大阪広域生コン協組の執行部から圧力と恫喝をかけられ、無理やり「労働組合つぶし」に協力させられたという背景があります。

「大阪広域生コン協組の関西地区生コン支部つぶしを粉砕し、大阪広域生コン協組の民主化実現を目指して行動する」

しかし、労働委員会の命令を無視する不当労働行為企業(違法企業)を放置することはできません。今後の闘争方針として、関西地区生コン支部の先輩たちが築き上げてきた闘いを継承し、背景資本への追及を含めたあらゆる行動を展開して、「(株)五一闘争」に勝利するまで闘います。
あわせて産業別労働運動つぶし、大阪広域生コン協組の関西地区生コン支部つぶしをはね返し、「大阪広域生コン協組の民主化」実現に向けて、勝利するまで闘います。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.71 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.72 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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