浪速建資産業・労働委員会闘争「不当労働行為救済申立第5回調査」
浪速建資産業社が、関西地区生コン支部が求めた団体交渉を拒否したことなどについて、労働委員会に不当労働行為救済申立した事件の第5回調査が7月21日、大阪府労働委員会の審問室で開催されました。
「浪速建資産業事件」
関西地区生コン支部は浪速建資産業社に対して2021年10月12日、労働組合結成通知と団体交渉申し入れを行いましたが、浪速建資産業社は開催場所の注文をつけるなど様々な理由を述べて、団体交渉の開催を引き延ばしたのです。
また、浪速建資産業社の経営側は、1回目の団体交渉が開催されないまま、組合結成を通知した2人の組合員を労働組合加入を理由とした「自宅待機」を命じました。
さらに、浪速建資産業・藤中昌則社長は、関西地区生コン支部・七牟禮副委員長らに「連帯(関生支部)を労働組合と思っていない。反社・反グレとは交渉しない」などと発言しました。
このようなことから、関西地区生コン支部は「浪速建資産業社が関西地区生コン支部との団体交渉を拒否したことは、労働組合法7条2号(団交拒否)及び3号(支配介入)の不当労働行為に該当する。関西地区生コン支部の正当な組合活動を『暴力的・脅迫的労働組合活動』などと誹謗中傷したことと、組合結成通知した2人の組合員に組合の脱退を勧奨したことは労働組合法7条3号(支配介入)に該当する」として労働委員会に不当労働行為救済を申し立てました。
「前回に続いて出席した藤中昌則社長」
第5回調査には、関西地区生コン支部から七牟禮副委員長とナニワ生コン分会長、武谷書記次長、友弘弁護士、七堂弁護士が出席。会社側は、藤中昌則社長、F常務、T工場長、弁護士2人が出席しました。
会社側の藤中社長は前回に続いて出席しました。労働委員会調査の重要性を理解したのでしょうか?
調査は、労働組合側、会社側の出席者の確認のあと、双方から提出された書面の確認。そして、労働委員会事務局から「求釈明」が提示されました。前回に続いて求釈明は労働組合側よりも、会社側の方の項目が多く出されていました。労働組合側、会社側の求釈明(書面)を次回期日の10日前に提出することを確認して、次回、第6回調査期日を8月30日13時と決定して第5回調査は終了しました。
「浪速建資産業社は不当労働行為企業と認定された」
浪速建資産業が、連帯・関生支部の組合員を不当に解雇した事件について、大阪府労働委員会は2020年9月28日、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定し、「解雇がなかった状態に戻せ」などと命令を出しました。
ところが、浪速建資産業社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
大阪広域生コン協組の圧力もあり、浪速建資産業社は、中央労働委員会に再審査申立をおこなっていますが、大阪府労働委員会の命令は有効であり、「命令履行」義務があるのです。
「懲りない浪速建資産業社」
今回、新たな不当労働行為救済申立では、浪速建資産業社の労働組合嫌悪と、労働組合つぶしの意思が明確になりました。
大阪府労働委員会から2020年9月に、労働組合法違反の不当労働行為企業と認定され、救済命令が出されているにもかかわらず、新たな不当労働行為を行うという悪質な企業であることが露呈したのではないでしょうか。
「勝利するまで闘う」
労働委員会の命令を無視する不当労働行為企業(違法企業)を放置することはできません。浪速建資産業社が、労働委員会の命令(2020年9月28日付)を履行し、労働組合に謝罪するまで闘います。また、新たな労働委員会闘争の勝利をめざして闘います。
あわせて産業別労働運動つぶしの権力弾圧を粉砕し、大阪広域生コン協組の関西地区生コン支部つぶしをはね返し、「大阪広域生コン協組の民主化」実現に向けて、勝利するまで闘います。
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目 労働運動を〈犯罪〉にする国
「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
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