「滋賀・ビラ捲き事件」公判・大津地裁前抗議行動
連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が11月14日、大津地裁で開かれました。公判前に、38人の仲間が結集し、JR大津駅で情宣活動と大津地裁前で抗議行動を展開しました。
「ビラ捲きを犯罪にするな!」
JR大津駅前の歩行者広場では、関生支部・平田執行委員がマイクを握り、近畿2府2県の警察・検察の関生支部に対する権力弾圧の経過と裁判闘争を報告。そして「憲法28条で保障さている、組合活動を犯罪にすることを許してはいけない!」などと、JR大津駅前を行き交う会社員や市民らに訴えました。
組合旗や幟がはためく歩行者広場では、支援者と関生支部組合員がビラを配布。多くの会社員や市民らが快くビラを受け取ってくれました。
「白いものを黒にするな!」
続いて、大津地裁前に移動し、裁判所に対して抗議行動を展開しました。当事者の関生支部・大原執行委員は、結集した仲間に日頃の関生支部弾圧への支援にお礼を述べたあと、「ビラ捲きで逮捕・起訴されるとは思わなかった。こんなことを許せば、表現の自由がなきものにされる。表現の自由を守る闘いでもある。裁判所には、公正・公平な判断を強く求める。裁判所は、白いものを黒にするな!」と訴えました。
「曇りなき眼でしっかり見つめて」
続いて、支援者からのアピール。反弾圧実行委員会・服部さんは「4年の長い闘いに、ずっと参加してくれている仲間がいることに、まだまだ捨てたものではない。裁判所の職員に問いたい。ビラ捲きで逮捕・起訴があり得るのか?ビラは、コンプライアンス違反の是正を求める内容で、そもそも事件になるものではない。同じ証人を採用するなど裁判の長期化はいやがらせそのものだ。警察・検察の悪意に司法の判断が注目される」保釈条件で労組活動を制限されても、つぶされず、支援の仲間を増やし闘っている関生。『曇りなき眼でしっかり見つめて』と裁判所に求める」と訴え、最後に「来年1月15日、新春講演会を熊沢誠氏を招いて開催する。意見を出し合う講演会にしよう!」と呼びかけました。
「『憲法28条に違反した。申し訳ない』と言わせよう!」
しが勝手連の稲村さんは、公正な審理を裁判所に求めたあと「滋賀県警の関生つぶしは前代未聞の弾圧だ。反原発の運動においても、デモ行進の申請などに数日かかるなど滋賀県警が妨害してきた。滋賀県警を訴える準備をしているとき、新聞が滋賀県警・大津署の実態を、『許せない!けしからん!』報道してくれたことによって、2~3時間かかっていた申請が20分になった。同じ警察が関生組合員を逮捕するという国家権力がグルになって市民運動を弾圧してきたことが、この3~4年で浮き彫りとなった。しかし、この弾圧との闘いで成果をあげている。この裁判で、『憲法28条に違反した。申し訳ない』と言わせよう!」と弾圧と闘いで得た成果と警察・検察の謝罪を強く訴えました。
「弾圧下でも高槻生コン闘争を果敢に闘っている関生と東海の会も連帯して闘う」
東海の会の代表者は、「2018年、関生支援・東海の会を立ち上げた。それから、北海道など全国に支援の輪が広がっている。関生組合員を名古屋に招いて交流を深めたり、長期勾留者の早期保釈の運動を展開してきた。関生は、弾圧下でも高槻生コン闘争を果敢に闘っている。東海の会も連帯して闘う」と共に闘う決意を表明しました。
「抗議行動やビラ捲きで、企業が人権侵害をしなくなる例が多々ある」
なかまユニオンの代表者は「当たり前のビラ捲きが犯罪となる。そんな国にしてはいけない。これが犯罪だとは、市民も裁判所の職員も思わないことから、この事件は完全無罪となるのは明らかだ。抗議行動やビラ捲きで、企業が人権侵害をしなくなる例が多々ある。ビラ捲きは、労働組合の権利だ。共に頑張ろう!」と訴えました。
「裁判所は組合つぶしに加担するな!」
行動の終盤に、平田執行委員から、関生弾圧のドキュメンタリー映画「ここから」の紹介と上映会開催の提起がありました。そして、平田執行委員のリードで「団結がんばろう!」を参加者全員で唱和して行動を締めくくりました。
約30分の行動でしたが、旗や幟がはためく抗議行動は、裁判所前を行き交う会社員や市民らに注目を浴びました。
早朝からの行動に、労働組合つぶしの大弾圧を許さない!京滋実行委員会の仲間をはじめ、多くの仲間の結集に感謝します。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
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