浪速建資産業・労働委員会闘争「不当労労働行為救済申立・証人尋問」
浪速建資産業社が、関生支部が求めた団体交渉を拒否したことなどについて、労働委員会に不当労働行為救済申立した事件の審問(証人尋問)が12月26日、大阪府労働委員会の審問室で開かれました。
「浪速建資産業事件」
関生支部は浪速建資産業社に対して2021年10月12日、労働組合結成通知と団体交渉申し入れを行いましたが、浪速建資産業社は開催場所の注文をつけるなど様々な理由を述べて、団体交渉の開催を引き延ばしたのです。また、浪速建資産業社の経営側は、1回目の団体交渉が開催されないまま、組合結成を通知した2人の組合員を労働組合加入を理由とした「自宅待機」を命じました。さらに、浪速建資産業・藤中昌則社長は、関生支部・七牟禮副委員長らに「連帯(関生支部)を労働組合と思っていない。反社・反グレとは交渉しない」などと発言しました。このようなことから、関生支部は「浪速建資産業社が関西地区生コン支部との団体交渉を拒否したことは、労働組合法7条2号(団交拒否)及び3号(支配介入)の不当労働行為に該当する。関生支部の正当な組合活動を『暴力的・脅迫的労働組合活動』などと誹謗中傷したことと、組合結成通知した2人の組合員に組合の脱退を勧奨したことは労働組合法7条3号(支配介入)に該当する」として労働委員会に不当労働行為救済を申し立てました。
「多くの関生組合員が傍聴支援に駆けつた」
審問には、関生支部から七牟禮副委員長とナニワ生コン分会長、武谷書記次長、友弘弁護士、七堂弁護士が出席。会社側は、藤中社長、F常務、T工場長、弁護士2人が出席。関生組合員の多くが傍聴支援に駆けつけました。
「組合側の主尋問」
証人尋問の始めは、組合側ナニワ生コン分会長の主尋問。ナニワ生コン分会長は、「①10月の組合結成通知後に、藤中社長が『何で組合に相談に行ったんや。何で組合に入ったんや』と2人の組合員に発言したこと。②その後すぐに、会社が2人の組合員に自宅待機を命じたこと。③会社が組合との団体交渉を拒否した経緯。④会社主催の40周年パーティーに2人の組合員を参加させなかったこと。⑤組合に内緒で、2人組合員をコーヒー店に呼び出し面談した内容。⑥そのコーヒー店に、組合役員らが同席した際の藤中社長の言動(組合を指して、半グレ・反社会的勢力など)。⑦2人の組合員には支給されなかった『決算賞与(冬期一時金とは別のもの)』。⑧12月に2人の組合員が脱退したこと』」など、浪速建資社が行った不当労働行為の実態を証拠に基づく証言をしました。
「質問に答えない藤中社長に、公益委員が注意した!」
次に、会社側藤中社長の主尋問。藤中社長は、本事件には関係のないことや、手前勝手な思いを証言していました。本事件の事実関係における証言では、代理人の質問に答えず、持論を述べだしたことから、労働委員会の公益委員から「質問に答えるように!」と注意されていました。
会社の不当労働行為の実態や、藤中社長の事実に基づかない証言に、傍聴席からは驚きの声やため息が漏れていました。
「1月30日、第2回証人尋問。傍聴支援のご検討を!」
次回は、第2回証人尋問で、組合側証人と会社側証人の反対審問です。会社側から傍聴者が多く参加されることが予想されます。1月30日(月)15時から始まりますので、関生組合員をはじめ支援共闘の仲間の傍聴支援を呼びかけます。ぜひご検討をお願いします。
「浪速建資産業社は不当労働行為企業と認定された」
浪速建資産業が、連帯・関生支部の組合員を不当に解雇した事件について、大阪府労働委員会は2020年9月28日、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定し、「解雇がなかった状態に戻せ」などと命令を出しました。
ところが、浪速建資産業社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
大阪広域生コン協組の圧力もあり、浪速建資産業社は、中央労働委員会に再審査申立をおこなっていますが、大阪府労働委員会の命令は有効であり、「命令履行」義務があるのです。
「懲りない浪速建資産業社」
今回、新たな不当労働行為救済申立では、浪速建資産業社の労働組合嫌悪と、労働組合つぶしの意思が明確になりました。
大阪府労働委員会から2020年9月に、労働組合法違反の不当労働行為企業と認定され、救済命令が出されているにもかかわらず、新たな不当労働行為を行うという悪質な企業であることが露呈したのではないでしょうか。
「勝利するまで闘う」
労働委員会の命令を無視する不当労働行為企業(違法企業)を放置することはできません。浪速建資産業社が、労働委員会の命令(2020年9月28日付)を履行し、労働組合に謝罪するまで闘います。また、新たな労働委員会闘争の勝利をめざして闘います。
あわせて産業別労働運動つぶしの権力弾圧を粉砕し、大阪広域生コン協組の関西地区生コン支部つぶしをはね返し、「大阪広域生コン協組の民主化」実現に向けて、勝利するまで闘います。
3月は3月2日に大津1次事件、3月6日には和歌山事件でそれぞれ判決が言い渡されます。判決を見据え、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない2・18全国アクション」を2月18日、13時30分より豊崎西公園で開催します。お時間のある方はぜひご参集ください。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
amazonで購入できます。 ココをクリック