伊丹市からの「申入書」の回答と担当部局との協議

関生支部、全国金属機会労働組合・港合同をはじめとする複数の労働組合が連ねた「不当労働行為企業の公共事業参入について」と題した伊丹市への申し入れに対して、伊丹市から「回答書(令和5年2月9日付)」が手交されました。また、同日、担当部局の課長らと回答書に基づく協議が開催されました。

「伊丹市から申入書の回答書が手交された」

伊丹市役所庁舎内で、総務部・契約・検査課と都市活力部・産業振興室・商工労働課から、申入書(2023年1月13日付)の回答書が手交されたあと、担当部局の担当者から、回答書の項目ごとに丁寧な内容の説明がされました。
そして、今回の回答書に基づく協議に入りました。協議は、担当部局の3人と関生支部2人、おおつる伊丹市議が同席し、ナニワ生コン分会長と武谷書記次長が回答の1項目ごとの質問をおこないました。関生支部からの質問に対して、担当部局の3人は丁寧に答えてくれました。

「他市の資料を参考にし、課内で共有する」

続いて、担当部局の3人に関生支部から、尼崎市、東大阪市、茨木市、堺市の不当労働行為(労働組合法違反)が認定された企業への対応や啓発の資料を示して、「今回の回答書の質問ではないが、これらの各市から出されている不当労働行為が認定された企業への対応や啓発などを参考にして、伊丹市でも研究、検討していただきたい」と要請しました。
担当部局の3人は、関生支部の要請を真摯な姿勢で対応し、「この資料を参考にし、市と課内で共有する」と応じてくれました。

「当事者の訴えを真剣な眼差しで聞き入る担当部局の3人」

当事者のナニワ生コン分会長からの訴えにも、担当部局の3人は真摯な姿勢で聞き入っていました。特に、担当者のひとりは真剣な眼差しでナニワ生コン分会長の訴えを聞き入り、目に涙を浮かべている様子が窺えました。

「不当労働行為企業のない街づくりをめざして」

約1時間の協議は有意義なものとなりました。最後に、伊丹市担当部局の3人と関生支部の2人が「不当労働行為企業のない街づくりをめざしましょう!」と確認して協議を終えました。
企業の経営者による「不当労働行為(労働組合法違反)」を抑止するために、行政への申し入れと併せて、各市の担当部局との協議を開催する取り組みを継続します。
この間、伊丹市への申入書提出と市の担当部局との協議の場を設定してくれた、おおつる伊丹市議に感謝します。

※ 参考資料「東大阪市が発出した『不当労働行為啓発文書』全文」
令和4年9月29日 各事業所様 都市魅力産業スポーツ部・労働雇用政策室
「不当労働行為等の労働関係法令違反をなくすために」(お願い)
平素より、本市労働雇用行政にご協力いただき誠にありがとうございます。
さて、本市では、令和4年4月より不当労働行為により大阪府労働委員会から救済命令が出されるなど、監督官庁から処分を受けた入札参加有資格業者に対し、一定の期間の入札参加停止の措置がなされることとなりました。
この制度改正は、不当労働行為等の法令違反をし処分を受けた事業者に対し、より厳格な措置を行うことで、本市の契約の適正化及び有資格業者の法令遵守の意識向上を促すために行うものです。労働雇用行政所管である労働雇用政策室においても、これらの観点から不当労働行為を防止するためのチラシを作成しましたので、ご確認ください。
また、下請け契約や資材などを調達する際には、労働関係法令を遵守している事業者との契約に努めていただきますようにお願いいたします。

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。

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2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

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