光榮・昌榮産業闘争「神戸市役所」前での宣伝活動

不当労働行為企業と労働委員会から認定された「光榮・昌榮産業社」を周知するため、連帯ユニオン関生支部・兵庫ブロックは2月21日、神戸市役所前で「光榮・昌榮産業社の不当労働行為を労働委員会が認定」を周知する情宣活動を展開しました。

「神戸市は不当労働行為企業を放置するな!」

神戸市役所前の歩行者道路では、武谷書記次長が右手にマイクを握り、左手に組合旗を掲げ、光榮・昌榮産業社が労働組合法に違反している不当労働行為の事実や、大阪府労働委員会から労働組合法に違反している「不当労働行為企業」に認定され、救済命令が出されたのに、その命令を履行しない態度に終始していること、大阪広域生コン協組の組合潰しが背景にあること、神戸市は不当労働企業に適切な指導を行うべきなどを整然と訴えました。横断幕を掲げた歩行者道路では、関生組合員が、通行中の会社員や職員、市民らにビラを配布しました。

「神戸市役所前、『委託事業者で働いてるんやけど相談できる?』と男性市民」

神戸市役所の玄関前では、武谷書記次長の訴えを聴き入る女性や男性の姿が見られました。
関生支部・機関紙部が作成した「光榮・昌榮産業闘争ニュース」ビラと「東大阪市が『不当労働行為啓発文書』を発出」ビラは、神戸市役所前を行き交う職員や会社員らは快く受け取ってくれました。
ビラを配布している関生組合員に、説明を求める男性の姿が見られました。ビラを受け取った男性が「委託事業者で働いてるんやけど相談できる?」と関生組合員に尋ねたところ、「大丈夫ですよ。労働組合に加入しておいた方がいいのではないですか」と答えていたのが印象的でした。
午前9時30分ころから約1時間の行動でしたが、武谷書記次長の訴えに、神戸市役所前を行き交う職員や会社員、市民らに多いにアピールすることができました。ビラは、53枚の配布(東大阪市・不当労働行為啓発ビラとセット)でした。引き続き神戸市役所前の宣伝活動を展開します。

※光榮・昌榮産業闘争とは
光榮・昌榮産業社は不当労働行為企業と認定された
神戸市北区にある、光榮・昌榮産業社が、連帯・関生支部の組合員を不当に雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は2020(令和2)年6月16日、「光榮・昌榮産業社」に対して、労働組合法違反の「不当労働行為企業」と認定しました。さらに、大阪府労働委員会は「光榮・昌榮産業社」に対して、「労働組合法違反の不当労働行為に該当し、今後このような行為を二度と繰り返さないようにいたします」と記した文書を速やかに労働組合に提出しなければならない、との命令を出したのです。

「大阪広域生コン協組の労働組合潰しが背景にある」

ところが、光榮・昌榮産業社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
兵庫県に所在する生コン企業の100%近くが加盟する大阪広域生コン協組が、2018年から始めた労働組合潰しが背景にあります。
光榮・昌榮産業社と関生支部は、長年、円満な労使関係を築いており、労使が協力して展開する「生コン産業政策運動」を推進し、生コン価格や輸送運賃の適正化が実現したときには、労働組合が要求している「非正規の正規化など労働条件の改善」を約束していた企業でした。
ところが、大阪広域生コン協組の執行部から「労働組合潰し」の協力を強くもとめられ、圧力をかけられた光榮・昌榮産業社の経営陣は、関生支部の組合員を雇い止めにしたのです。
しかし、大阪広域生コン協組の労働組合潰しが背景にあるとしても、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、命令が出されたことについて、真摯に受けとめ、速やかに命令を履行することが、光榮・昌榮産業社の経営陣が「法律を遵守」し、「社会的な責任を果たす」ということなのです。

「府労委の命令は有効であり、光榮・昌榮産業社は『命令履行』義務がある」

大阪広域生コン協組の圧力もあり、光榮・昌榮産業社は、中央労働委員会に再審査申立をおこなっていますが、大阪府労働委員会の命令は有効であり、「命令履行」義務があるのです。

速報
3月6日、和歌山広域協組に対して威力業務妨害・強要未遂を問われた裁判が大阪高等裁判所で行われた。大阪高裁は一審の判決を破棄し3名に無罪判決を言い渡した。裁判所は、それまでかたくなに認めようとしなかった産業別労働運動にまで言及。憲法28条で認められた団結権、労働組合法第1条、刑法35条をあげて違法性が阻却されるものであるとしている。

関西生コン事件ニュース85号 更新しています

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。

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2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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