コンプライアンス事件判決公判・大津地裁前集会

建設現場で働く労働者の安全確保と建設現場周辺の自然環境に悪影響を与えないための「コンプライアンス活動」などの労働組合活動を刑事事件とした判決公判が3月2日、大津地裁で開かれました。判決公判の前段に大津地裁前抗議集会が開催され、150人超の労働者・市民が結集しました。

「裁判所に公正な判断を求める集会に集中して挑もう!」

「労働組合活動を犯罪にするな!裁判所は労働組合潰しに手を貸すな!コンプライアンス活動は犯罪じゃない!労働組合潰し、憲法28条破壊を許さない!」を掲げた抗議集会は、関生支部・平田執行委員の開会宣言でスタート。平田執行委員は「裁判の傍聴抽選券が310枚発行され、半分の傍聴券を私たちが獲得できたのは、ここに結集した支援の仲間のおかげだ。裁判所に公正な判断を求める集会に集中して挑もう!」と支援者へのお礼と行動を提起しました。

「勝利するまであきらめない!」

当事者の関生支部・湯川委員長は、足かけ6年にわたる弾圧、裁判闘争の経過を話したあと「コンプライアンス活動が犯罪なのか?裁判所は公正な判断を出すべきだ」と訴え、「まだまだ闘いは続く。勝利するまであきらめない」と決意を表明しました。

 

「有罪判決が出されたならば、さらに運動を拡大・展開する」

灰孝バード分会の組合員がリードするシュプレヒコールに続いて、全日建連帯労組中央本部・小谷野書記長が登壇。小谷野書記長は、結集した支援の仲間に感謝を述べたあと「コンプライアンス活動が犯罪とされているが、コンプライアンス活動は海員組合など、世界では当たり前に取り組まれている。労働者の安全、住民の安全いのちを守るのがコンプライアンス活動だ。建設現場の労働者の安全を確保する活動に、検察が異常な求刑を出していることを裁判所がどう判断するのか?仮に有罪判決が出されたならば、怒りを持って、さらに運動を拡大・展開する」と提起しました。

「違反の是正を求めたことが何故、犯罪になるのか!」

労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会の共同代表服部さんは「この事件が有罪になるはずはないが、裁判所がどういう判断を出すのか?違反の是正を求めたことが何故、犯罪になるのか。裁判所には公正な判断を求める。判決文はできあがっていると思うが、仮にA案(無罪)B案(有罪)があるのであれば、A案を出すことを期待する」と訴えました。

 

「各地の反弾圧実行委員会からの発言」

反弾圧大阪実行委員会代表、全港湾大阪支部の小林委員長は「傍聴抽選券を並んでいる大阪広域生コン協組の経営者らが、『抽選にハズレたい』などと言っていることが許しがたい。労働組合潰しの弾圧に対して、よくテレビに出ている最大の労組は、何をしているのか。関生とともに闘うことを表明する」と関生と共に闘う決意を表明しました。
関生弾圧を許さない東海の会の代表者は「憲法28条に明記されているものが、犯罪とされることを許してはいけない」と訴えたあと3月21日に開催される名古屋での集会を呼びかけました。
関西生コン労組の弾圧を許さない東京の会の山口代表は「反弾圧東京の会は、関生弾圧を許さない!すべての労働組合弾圧を許さない活動を展開している。2.18全国アクションでは、東京・阿佐ヶ谷で集会デモを闘った。自分の職場でもストライキで闘っており、労働組合活動が犯罪となるのか?戦争情勢のなかの関生弾圧、この弾圧を跳ね返すまで共に闘う」と関生弾圧を跳ね返し、戦争を止めようと呼びかけました。

「関生は絶対に潰れない!」報告

この集会に全国から結集した支援の仲間からの連帯アピール。動労千葉の関委員長は「湯川委員長への求刑8年は異常であり、労働組合活動にはあり得ないものだ。国家権力は公正な判断をしないことは、三里塚の強制執行を見れば明らかだ。国家権力との闘いを労働組合と市民で闘おう!関生支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかける11月集会は、闘う労働組合のネットワークをつくり、階級的労働運動を甦らせるための闘いだ。関生弾圧をはじめすべての労働組合潰しの弾圧粉砕に共に闘う!」。
大阪全労協の竹林さんは「全国からの仲間の結集が心強い。先日、滋賀県の事件の再審が決定した。論告求刑が8年、何なんだこれは!こんなことがあっていいのか!本日は無罪判決だ。反動判決が出たとしても、それを上回る運動を展開しよう!」。
全金港合同の中村委員長は「本日は、事件でないものを事件にして労働組合を弱体化する大事な判決だ。トルコの地震では、多くの建築物の人災被害が報道されており、関生の建設現場におけるコンプライアンス活動が必要なのは明らかだ。関生は絶対に潰れない」と発言がありました。

「多くの労組・団体からの連帯アピール」

なかまユニオン、ケアワーカーズユニオン、滋賀ユニオン、関西合同労働組合、若狭の原発を考える会、G7サミット行動、アジェンダプロジェクト、自立労連、憲法を活かす京都の会、Xバンドレーダーに反対する会、教育合同労働組合、全国労組交流センター、改憲・戦争阻止!大行進・関西、動労西日本、ラテンアメリカ政治経済研究会、ユニオンぼちぼち、京都ユニオンの代表者から、それぞれの闘争報告と今後の闘いの方針が示され、関生と共に闘う決意などの発言がありました。

「憲法28条を守る闘いが必要だ!」

関生支部の武谷書記次長は「3月6日に開かれる和歌山広域協組事件の控訴審で、無罪を勝ち取る」と大阪高裁への結集を呼びかけました。
近畿地区トラック支部の広瀬委員長は「労働組合が結集して、憲法28条を守る闘いが必要だ。労働者の権利を奪われないために行動しよう!」と行動を提起しました。

 

「畑山靖裁判長の不当判決を糾弾する!」

法廷から出てきた関生支部・坂田副委員長が「不当判決!」の紙を掲げて登壇。坂田副委員長は「大津地裁の畑山靖裁判長は、被告人とされている関生支部の役員・組合員6人に有罪判決を言い渡した。湯川委員長には、実刑判決を言い渡した」と報告し、「あり得ない判決だ。労働者と中小企業の利益を守る産別運動には触れずに、労働運動を犯罪とした判決だ。検察の主張を丸呑みした偏見の判決を厳しく糾弾する」と大津地裁・畑山靖裁判長の不当な判決を厳しく糾弾しました。
そして、平田執行委員のリードでシュプレヒコール。150人超の労働者・市民が「不当判決糾弾!」などの怒りのシュプレヒコールが、裁判所周辺に響き渡りました。

「報告集会『絶対に負けない!勝利するまで闘う!』」

判決公判後の報告集会では、森弁護士から判決の内容が解説されました。森弁護士は「湯川委員長の判決がすべてを物語っている。偏見と予断に満ちた判決だ。法律違反を指摘したことが何故、違法になるのか。控訴審で完全無罪を勝ち取る」と大阪高裁で無罪を勝ち取る決意を表明しました。
当事者の3人の関生組合員から、支援のお礼と控訴審で無罪を勝ち取る決意が表明されたあと、坂田副委員長が「絶対に負けない!勝利するまで闘う!」と決意表明。最後に、全港湾大阪支部の小林委員長が集会のまとめ。小林委員長は「関生潰しのシナリオは、産別ストライキを一緒にやった全港湾に弾圧が来なかったことで明らかとなっている。関生弾圧を自らにこととして闘うことが重要だ。この借りは大阪で返す!」と行動を提起しました。

「控訴審で無罪を勝ち取る!」

判決公判に全国から結集してくれた多くの仲間に感謝します。風がきつく、ときおり雨が降る寒いなか、3時間を超える地裁前集会に結集してくれた仲間に感謝します。
関生支部は、直ちに湯川委員長を取り戻し、控訴審・大阪高裁で無罪判決を勝ち取るために全力をつくします!
関生支部は、ストライキやコンプライアンス活動などの労働組合活動を犯罪とする警察・検察・裁判所の権力弾圧に勝利するまで闘うことを宣言します!引き続きのご支援をお願いします。

※大津地裁・畑山靖裁判長による不当判決は、湯川委員長が懲役4年の実刑を、元執行委員に懲役3年・執行猶予5年、現執行委員に懲役2年6月・執行猶予4年、組合員2名に懲役2年・執行猶予3年、元組合員に懲役1年・執行猶予3年。
3月15日 関西生コン事件ニュース87号 更新しています

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。

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2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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