人権問題を考えるシンポジウム

人権問題を考えるシンポジウム

人権問題を考えるシンポジウム（主催、関生支部）が4月27日、エルおおさかで開催されました。

「国連人権機関が留意する関生支部の闘い」

関生支部が主催する第1回「人権問題を考えるシンポジウム」は、「国連の人権機関からみた日本の人権課題」をテーマに、ヒューライツ大阪・藤本伸樹さん講師の学習会。
関生・人権部の西島部長の司会進行で学習会はスタート。
講義の冒頭、藤本さんは「関生の闘いは正義の闘いだ。憲法で保障された労働組合活動に刑法を適用してはいけない」と述べました。
そして、労働組合との関わりとして横浜の日雇い労働組合の闘いを紹介したあと、ＭＢＳ映像24「労組と弾圧～関生支部事件を考える」に触れ、国際人権機関が留意する関生支部の闘いについて、2０22年1０月の自由権規約委員会の委員が、関生支部への弾圧について言及したことや2０23年7月から8月の国連ビジネスと人権作業部会の訪日調査で関生事務所を訪問し聴き取り調査で、「労働組合員の逮捕や訴追の事例について懸念」と同年8月4日の声明に盛り込まれたことなど話しました。

「国連の人権機関からみた日本の人権課題」

藤本さんは、人権とは、「世界人権宣言」が定める権利、人権保障のための条約の採択など基礎的な内容をパワーポイントと資料を示して講義しました。続いて、国連「ビジネスと人権」の原則を説明したあと、ヨーロッパでは法制化されていることを紹介しました。
日本政府が国連から何度も勧告されている「個人通報制度」と「独立した人権機関の設置」を実現することが重要だと問題提起しました。
講義では、2０22年第7回政府報告審査の日本報告審査の委員と日本政府代表団のやり取りが映像で紹介されたり、日本政府が国連から常に勧告されていることを問われた日本政府代表団が、意味不明な回答を繰り返していることに対して「日本は改善の兆しが見られない」と言及されたことが紹介されました。

「国連勧告は法的拘束力がある」

条約実施の基盤となる課題の勧告として、テロ対策に関する懸念、刑事手続きおよび刑事拘禁に関する懸念が、思想・良心・宗教の自由と表現の自由では平和的集会をもつ権利に関する懸念として、国会に対する抗議、沖縄における抗議などと平和的デモ参加者、人権擁護活動家、取材するジャーナリストを脅迫、威嚇、嫌がらせ、攻撃から保護することなどが示されていることが語られました。
藤本さんは、「国連勧告は法的拘束力がない」とする日本政府に対して、日本国憲法第98条2「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを確実に遵守することを必要とする」としていることから、「法的拘束力がない」とのことは間違った解釈であることを厳しく指摘しました。
最後に、「市民の社会運動で変えていくことが必要だ」と行動を提起して講演を締めくくりました。

「関生はジュネーブを訪問する」

質疑では、平田執行委員や松村副委員長の質問に対して、藤本さんがしっかりと答えるという意義が深いものと」なりました。
湯川委員長が本日のシンポジウムのまとめを提起。湯川委員長は「すべてが人権に繋がることから人権を一から学ばなければならないと人権部を立ち上げた。憲法を踏みにじっている日本政府に対して関生はジュネーブを訪問する」と行動提起してシンポジウムは幕を閉じました。
次回、第2回人権問題を考えるシンポジウムは、「入管法、外国人技能実習制度問題」をテーマに中井雅人弁護士の講師で6月に開催します。