原告4名が意見陳述
国連「ビジネスと人権部会」報告7月11日、国家賠償請求訴訟の口頭弁論が東京地裁103号法廷で開かれ、関生支部の湯川委員長、武谷副委員長、西山執行委員、全日建中央本部の小谷野書記長の4名が原告意見陳述を行った。
「労働組合は不可欠な役割を担っている」
トップバッターは関生支部の湯川委員長。国連人権理事会「ビジネスと人権」部会が昨年夏の日本調査で関生支部を訪問してヒアリリング調査を実施したこと、また、今年6月公表の部会報告は、「労働者の権利」の項において、労働組合員が企業に対し法令遵守を求める活動に参加したことで威力業務妨害および恐喝未遂の容疑をかけられたケースに触れ、「企業の人権尊重を確実にするための公正で合法的な職場慣行を促進するために労働組合は不可欠な役割を担っている」と強調していることを紹介。国連部会が関西生コン事件に関心を寄せていることに裁判所の注意を喚起した。
「検察の組合脱退勧奨、取り調べ録画で検証を」
湯川委員長はさらに、無罪判決が3件確定したことで、大阪広域生コン協組と警察・検察が仕組んだ組合潰し事件の構図は破たんしていると指摘。検察官たちが組合員たちに組合脱退を迫った実態を取り調べ録画を取り寄せて審理してほしいと述べた。
武谷新吾副委員長は組合事務所立ち入りを禁止し、組合員との面談や電話も全面的に禁止した保釈条件は憲法違反だと述べ、西山執行委員が建設現場の法令違反を記載したビラをわずか30分配布したことが恐喝未遂とされたが、今年2月に無罪判決を受け、検察が控訴を断念したことで無罪判決が確定したことについて述べた。(原告4名の意見陳述は関西生コンを支援する会ホームページに掲載。ココをクリック)
「木村理事長に頼まれ、月70万円の報酬でやった」
海渡雄一弁護士は、無罪判決があいつぐなか、MBSのドキュメンタリー番組や東京新聞の報道記事など大手メディアが「関西生コン事件」を取り上げる変化が生じていること、また、フェイク動画を拡散した差別煽動団体の中心人物が「(大阪広域生コン協組)の木村理事長に頼まれ、月70万円の報酬でやった」とMBSの番組で証言していることに裁判所が注目するよう訴えた。
そして、「関西生コン事件」は警察・検察の誤った法解釈と差別煽動団体が拡散した偏見にもとづく誤った見立ての下につくりあげられたえん罪事件であること、捜査の過程で長期勾留や組合脱退勧奨をはじめとする多くの違法行為がなされた事件であるという深層を見極め、この違法行為の全体像を捉えて断罪する司法判断を求めたいと強調した。
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国連ビジネスと人権作業部会による訪日調査報告書が示した課題(その3)-労働の権利
国連「ビジネスと人権」に関する作業部会(以下、作業部会)が5月28日に国連のウェブサイトに公表した訪日調査報告書の内容を紹介するシリーズ「その3」では、「テーマ別懸念事項」でとりあげられた「労働の権利」として3つの課題に関して焦点をあてます。詳しくはココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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