「検察庁を敵視するのは、反社や」検察官が黙秘権行使の被疑者に
金融機関から融資金をだまし取ったとして、詐欺罪などで東京地検特捜部に逮捕・起訴された太陽光発電関連会社の社長が、「黙秘権の行使を告げたのに侮辱的な取り調べを続けたのは違法だ」として、国に損害賠償(1100万円)を求める請求を東京地裁に提訴しました(7月24日付)。訴訟では国に、取り調べの録音・録画のデータを提出するよう求めるとのことです。
「検察庁を敵視するのは、反社や」
提訴したのは、太陽光発電関連会社「T社」のI社長です。2021年、太陽光発電事業への融資名目で複数の金融機関に虚偽の見積書を提出して、約22億1500万円をだまし取ったなどとして逮捕・起訴されました。
I社長は2回逮捕され、41日間で約205時間の取り調べを受けたとのこと。I社長は黙秘権を行使しましたが、検察官は「黙秘したらええやん、損やけどな、黙秘」「検察庁を敵視するってことは、反社(反社会勢力)や」などと発言したとのことです。
I社長の弁護人は東京地検検事正に苦情を伝え、最高検にも改善させるよう申し入れをしましたが、検察官の言動は変わらず、「まだ黙秘すんの」「自白をせいよ」などと繰り返しました。
「検察全体の問題として捉えるべきだ」
I社長側は訴状で、「こうした取り調べが黙秘権や人格権の侵害にあたる」と訴えています。代理人を務めるK弁護士は、提訴後に記者会見し「単に不適切な取り調べ、ということではなく人格権が著しく侵害された。苦情を申し立てたのに改善の措置を取っておらず、検察組織全体の問題として捉えるべきだ」と話しました。
「黙秘権の保障の趣旨に反する」
検察官の取り調べをめぐっては、東京地裁が7月18日、横浜地検特別刑事部の検察官が、取り調べで黙秘を非難するような発言をしたことを「黙秘権の保障の趣旨に反する」などとして、国に110万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
「たちの悪いヤクザの組長ぐらいやで」
2024年7月25日付け朝日新聞朝刊では、「訴状で問題視した取り調べ時の検事の主な発言」が次のように記されています。
・普通の刑事事件でも99%有罪や。この事件なんて、100%やわ
・黙秘するっていうのは、反省してるかどうか分からんっていう態度やから。分からん以上は、うちはそれなりに対応するから
・検察庁を敵視するってことは、反社(反社会的勢力)や、完全に
・みんな不幸になるんやで、あなたの家族。あなたがうそをつけば
・ええかげんにせいよ。子供でも、そんなことせんぞ。たちの悪いヤクザの組長ぐらいやで、そんなことすんのは
・逃げられんよ、黙秘したところで。自分がどうしていくか考えなさい。黙秘しても逃げられへんのやったら、どうするべきか
・自分がここにいる理由がないのに、と思うのか。理由があるやろが、おらあ
・家族、どうでもええんかな。破滅的な人生で終わる、それでいいんかな
・ほんまに真剣に考えてるならな、ちゃんとしゃべるんが一番って最終結論出るで。生田さんは、東京地検特捜部に逮捕されたんやで
・Iさん、ちゃんと自白をせいよ
・幼稚園児じゃないんやから、坊やじゃないんやから
「関西生コン事件でも人権侵害」
下線を引いているところの検察官の発言に注目してください。取り調べを録音・録画しているのに、こんな発言があるということは検察官個人の問題だけではなく、検察組織全体の問題と言えるでしょう。
関西生コン事件でも、検察官が取り調べ時に、黙秘権の行使を告げた組合員に対して、労働組合の脱退を勧めたり、事件に関係のない家族のことを発言するなど、人権を侵害する行為を行っています。関生支部は、「国家賠償請求訴訟」(東京地裁)で検察官の取り調べでの発言を厳しく追及します。
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
第3回 人権問題シンポジウム開催決定!
講 師:上林 惠理子弁護士
テーマ:「在留資格なくしてひとにあらず ~ワタシタチハニンゲンダ~」
日 時:2024年9月20日(金) 18:30~20:00
場 所:エルおおさか南館10階101号室
資料代:500円
国連ビジネスと人権作業部会による訪日調査報告書が示した課題(その3)-労働の権利
国連「ビジネスと人権」に関する作業部会(以下、作業部会)が5月28日に国連のウェブサイトに公表した訪日調査報告書の内容を紹介するシリーズ「その3」では、「テーマ別懸念事項」でとりあげられた「労働の権利」として3つの課題に関して焦点をあてます。詳しくはココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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