ジェンダー先進国「キューバの成果と課題」

女性の社会進出が著しい社会主義国のキューバは、国会議員に占める女性の割合は53%で世界2位です。専門職では、医師や弁護士、教員などの半数以上が女性なのです。そして、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は2021年に39位と日本の120位を大きく上回っています。

「世界一多い医師数」

キューバは人口1000人あたりの医師の数が842人と世界一多く、その多くが地域住民の健康管理をする家庭医です。国民の医療費は無料ですが、医薬品など物資が不足しているため、予防医学に力を入れています。
キューバでは、各地域で住民の健康を守る家庭医のほか、特定の病気を診る専門医がいますが、医師全体の61.7%を女性が占めています。

「男女平等に機会が与えられている」

首都ハバナにある地域診療所で、この地区を20年間担当する家庭医のリジー・ムニス・アルバレスさんは「この地区に住む727人全員の健康状態を把握しています。普段から家族関係や家庭環境を知っておくことで心身の問題を防ぐようにしています」と話します。
医師に女性が多い背景について、「男女平等に機会が与えられている」と指摘、「(医師には)献身的で面倒見がいい女性も多い」とアルバレスさん。

「キューバ革命の闘争には女性も参加」

1959年のキューバ革命前は、専業主婦、タイピストや秘書など男性の補助的な職種に就く女性が多かったのです。キューバ革命の闘争には女性も参加し、平等な社会を作るための目標の一つになりました。

「女性の社会進出の土台は、革命後の識字教育」

キューバのジェンダー問題に詳しい社会学者のマルタ・ヌニュスさん(ハバナ大学教授)は、「女性の社会進出の土台となったのが、革命後の識字教育から始まった教育の無償化だ。さらに医療の無償化とともに家族計画ができるようになり、低コストの保育園整備、および同一労働同一賃金政策も後押しした。育休制度も整えられてきた」と語ります。

「女性の家事負担が大きくなっている」

こうしたなか、さらなる女性の社会進出をはばむ要因も指摘されています。
1960年に創設されたキューバ女性連盟(FMC)は、女性の権利拡大を進めてきました。FMCのディレクター、カリダット・モリーナ・ロンドンさんは、「女性が、高い地位に就いても安心と思える環境を整え、あきらめずに少しずつでも進歩を続けてきた」と話します。
一方で、「男性優位主義もまだ根強い」とロンドンさんは指摘します。「家庭での役割は女性が多くなりがちだ。伝統的な性役割の意識に加え、キューバの厳しい経済事情が追い打ちをかけ、女性の家事負担が大きくなっている」とヌニュスさんは指摘しています。

「職場と家庭のダブルシフトによって、女性は疲れ果てる」

ミレイディス・リモンタさん(科学者)は、新型コロナウィルスの国産ワクチンの開発に携わるかたわら、家事労働も担ってきました。ワクチン開発が始まった2020年3月からの2年間、寝る暇がなかったほど多忙だったといいます。「各分野のマネジャー4人のうち、私を含め3人が女性でした」とリモンタさん。
リモンタさんが「キューバの女性にとっての大きなチャレンジは家事だ。夫も機械系エンジニアとして忙しく、頼れる家族や親戚はいない。料理には時間がかかる。キューバの米には、石やゴミ、木の枝などが混入しており、炊く前にまず手作業で取り除かなければいけない。配給制度はあるものの、食糧の調達が間に合わず、週に3回、長い時間列に並ぶ人もいる」と語ります。
専門職や技術職で女性が活躍する一方で、「職場と家庭と多忙なダブルシフトによって、このままでは女性は疲れ果てるのではないか」とヌニュスさん(社会学、ハバナ大学教授)は懸念しています。
私たちは、ジェンダー先進国キューバの男女平等政策の成果に学び、家事労働などの課題の解決に向けて運動を進めていくことが必要ではないでしょうか。

連帯ユニオン人権部主催
第4回 人権問題シンポジウム 開催!

 日 時:2024年12月7日 15:00~17:00
 場 所:エルおおさか南館7階 南734
 講 師:秋田 真志弁護士
 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
      権力犯罪と人質司法
       ~取り調べ可視化が浮かび上がらせた
        日本の刑事司法の闇~
 資料代:500円
 お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
      TEL:06-6583-5546
京都3事件無罪判決を求める署名のよびかけ
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
      署名用紙は、  ココをクリック
集約と提出:第1次集約  9月末日(10月中旬提出)
      第2次集役  10月末日(11月中旬提出)
      最終週役    11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
      東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
      フォーラム平和・人権・環境気付
      関西生コンを支援する会 ホームページ  ココをクリック
      TEL:03ー5289ー8222
      関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
MBS(毎日放送)映像’24「労組と弾圧」がギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。
5月31日、受賞式のようす ココをクリック
【MBSラジオがネットで聞けるようになりました】
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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▼Amazon ココをクリック

関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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