検察は組織的な問題を改めるべき
元死刑囚の袴田巌さんの再審無罪判決が確定しました。畝本直美検事総長は袴田さんの無罪判決について、「証拠をねつ造したとする判決は納得できない」「承服できない」との談話を出しました。畝本検事総長は元東京高検検事長で、自民党派閥の裏金問題の捜査を指揮しました。
その後、福井の女子中学生殺害で、殺人の罪で服役した前川彰司さんの再審開始が決まりました。関係者にウソの目撃証言をさせたと指摘されている検察は異議申し立てをしませんでした。さらに、元大阪地検検事正の初公判で元検事正は、「酒宴のあと、部下に性的暴行を加えた」ことを認めました。
「拳と祈り 袴田巌の生涯」誠実だと信じたいのに
公開されたドキュメンタリー映画「拳と祈り 袴田巌の生涯」。監督の笠井千晶さんは元テレビ局の記者で、20年以上も袴田事件を取材してきました。
映画では「ふざけてるよ」「何が?」「犯人でない人間を犯人にするからだよ」と袴田さんの取り調べの音声が流れます。この当時、袴田さんは30歳で、張りがある声でした。「俺の一生をむちゃくちゃにしたのはあんたらだぞ」と袴田さん。逮捕から58年が経ち、無罪となった袴田さんは現在88歳です。
「死刑判決を書いた元裁判官が謝罪」
そして、一審で死刑判決を書いた元裁判官・熊本典道さんも映画に登場します。熊本さんは無罪を確信していましたが、他の2人の裁判官が納得せず、意に反して判決を書きました。熊本さんは、その責任を感じて退官し、酒におぼれる生活を送りましたが、後に袴田さんの再審請求活動を支援しました。
晩年、入院していた熊本さんが病床で袴田さんと再会しました。熊本さんは、目に涙をためて声を絞り出し、「悪かった、悪かった」と謝罪していた場面は印象的です。
「69%の市民が、『検察は信用できない』と」
市民らにメディアが行ったアンケートでは、「検察は信用できない」という声が69%もありました。その理由は「冤罪を生み出している」、「自らの過ちや非を認めない」、「証拠をねつ造している」などです。
アンケートに答えた市民らは「袴田さんの事件や足利事件などの報道を見ていると、犯人としての筋書きが出来上がっていて、捜査や裁判が進んでいくことに怖さを感じる」。「起訴後の有罪率の高さが尋常ではない。検察が優秀でも99%以上は無理がある。隠蔽やねつ造がなされているのではないかと疑ってしまう」。「証拠をねつ造した判決は重い。過去の事件を含め、検察は説明する責任があるのではないか」。「権力の顔色をうかがう」。「巨悪と戦っていない」などの意見が出されていました。
「裏金問題は、95%の市民らが納得していない」
また、自民党派閥の「裏金問題の捜査について納得しているか?」という質問には「納得していない」は82%。「どちらといえば納得していない」を合わせると95%に上っています。
「検察の組織的な問題」
冤罪事件も人質司法も検察の問題ですが、一番問題なのは、組織的な問題です。誠実に法に携わろうとする人たちや、立派に公平に正義感を持ってやっている人たちのためにも、検察を一旦解体し、組織を再編して新たに立ち上げる必要があるのではないでしょうか。
人間は、全能ではないし、間違いも起こすものです。しかし、謙虚にはなれるのかもしれません。畝本直美検事総長の談話に見られるように、今の検察には、謙虚のかけらもないように見えます。
第4回 人権問題シンポジウム 開催!
日 時:2024年12月7日 15:00~17:00
場 所:エルおおさか南館7階 南734
講 師:秋田 真志弁護士 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
権力犯罪と人質司法
~取り調べ可視化が浮かび上がらせた
日本の刑事司法の闇~
資料代:500円
お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
TEL:06-6583-5546
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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