山政生コン社「不当労働行為認定、救済命令が出された」大阪府労働委員会
関生支部が申し入れた団体交渉を山政生コン社(コーシンコーポレーション社・イースト社)が正当な理由もなく拒否したことから、大阪府労働委員会に不当労働行為救済申立(団交拒否)した事件の命令書(2025年7月18日付)が交付されました。
「不当労働行為が認定され、救済命令が出された」
(主文)
1.被申立人(コーシンコーポレーション社・イースト社=山政生コン)らは、申立人(関生支部)が令和6年5月1日付け、同月13日付け及び同月16日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。
2.被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに交付しなければならない。
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 湯川裕司様
株式会社イースト
代表取締役 山本登
当社が、貴組合から令和6年5月1日付け、同月13日付け及び同月16日付けで申入れのあった団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
「救済命令を履行するまで闘う」
山政生コン社は、2024年2月2日付で、大阪府労働委員会から不当労働行為(支配介入)が認定されています。今回、大阪府労働委員会から2度目の不当労働行為救済命令が出されました。
関西地区生コン支部は、山政生コン社の代表取締役・山本登が、速やかに救済命令を履行し、円満な労使関係を構築する姿勢を見せるまで闘い続けます。
「大阪広域生コン協組が圧力をかけた組合脱退勧奨」
コーシンコーポレーション山政生コン社は2023年4月、関生組合員5名に「組合脱退勧奨」を行いました。山政生コン分会は、関生支部と連携して、会社の組合脱退勧奨をはね返すと同時に、大阪府労働委員会に不当労働行為救済申立を行ったのです。
関生支部の役員と弁護団の奮闘によって、会社の不当労働行為認定を勝ち取りました。
大阪府労働委員会は、2024年2月2日付けで、コーシンコーポレーション山政生コン社の不当労働行為(支配介入)を認定する命令書を出しました。
また、会社側の「組合脱退勧奨」は、大阪広域生コン協組の指示・圧力があったことが労働委員会の命令書に記されています。
「中央労働委員会でも不当労働行為が認定された」
中央労働委員会は、有限会社コーシンコーポレーション・株式会社イースト(コーシン・山政生コン社)の不当労働行為(支配介入)を認定する命令書を出しました(2024年12月18日付)。
大阪府労働委員会が、2024年2月2日付けで、コーシン・山政生コン社の不当労働行為(支配介入)を認定する命令書を出したことを不服としたコーシン・山政生コン社側が、中央労働委員会に再審査を申し立てましたが、中央労働委員会はこれを棄却しました。
中央労働委員会は、主文で、「本件再審査申立をいずれも棄却する」としました。そして、「会社らの再審査申立にはいずれも理由がない。よって、労組法第25条、第27条の17及び第27条の12並びに労働委員会規則第55条の規定に基づき、主文のとおり命令する」と結論し、コーシン・山政生コン社の不当労働行為を認定しました。
中央労働委員会が、大阪府労働委員会の命令を維持する命令を出したことから、コーシン・山政生コン社の労働組合法違反(不当労働行為)が確定しました。
「また不当労働行為が認定され、救済命令が出された」
さらに、山政生コン社は、大阪府労働委員会から2度目の不当労働行為(団交拒否)救済命令(2025年7月18日付)が出されました。懲りない山政生コン社、山本登社長の姿勢が問われます。

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)
真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック
増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
ー 公判予定 ー
10月31日 国賠裁判 東京地裁(判決) | 15:00~ |
---|---|
11月18日 大津第2次事件 大阪高裁(判決) | 14:30~ |