関生支部の産業別労働運動㉔

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真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】 ココをクリック
無罪!関西生コン委員長に判決【探査報道最前線】ココをクリック

「京都府における関生支部の活動経過(2)」

「ベスト・ライナー闘争の完全解決と新たなる政策運動への躍進」

2014年8月のベスト・ライナー闘争の解決を起点に、京都地域の生コン産業政策運動が前進しました。
当時の京都地域ではベスト・ライナー労働争議の影響を受け、生コンの適正価格収受(生コン価格の値戻し)の取り組みが遅れていました。
奈良地域や和歌山地域で生コン価格の値戻しに向けた業界再編が進んでいくのに比べて、京都地域では各社のダンピング競争が激化していました。
2014年ころの生コンの適正価格は15,000円/㎥前後だったのですが、協組員社(イン社)と員外社(アウト社)による価格競争によって、1998年には1,7400円/㎥だった生コン価格が、2015年頃には最安値で1万円前後まで下落していました。
京都地域の各協同組合では、協組を脱退する企業など様々な問題がありますが、イン社・アウト社を問わず、各社の経営状態が危機的な状況にあることは変わりません。京都地域の生コン企業は、生コンの適正価格(値戻し)収受の実現は共通の課題となっているのです。

「京都生コン協組の体制刷新と値戻しへの方向転換」

そして、労使双方が京都地区の生コン価格の値戻しに向けた交渉の場で、生コンの適正価格を収受する取り組みが始まりました。
京都地域のアウト社も、イン社に対抗する手段として、協同組合(洛中協組)を発足させ、生コン価格の値戻しを目指しました(2016年3月の中央協組の設立につながる)。
しかし、京都生コン協組内部では、関生支部と協力しながら、京都地区のアウト7社(洛中協組加盟社)と友好的な関係を築いて、ともに値戻しを実現しようとするグループと、これに反対するグループが対立していたことから動きが鈍かったのです。
当時、京都生コン協組の地域では、アウトとインの工場数は同数でした。しかし受注数では京都生コン協組は30%未満でした。
京都生コン協組内の反対グループらが「暴力団との住み分けがついた」「労組とも調整済み」などとアウト側に伝えたのです。
具体的には、すべての物件を京都生コン協組が受注し、そのうち3割の物件をアウト側に割り振るとしたのです。
また、京都生コン協組内では、アウト社もイン社の双方が物件リスト提出し、50対50に物件を割り振る話が進行していましたが、京都生コン協組内の反対グループらはこれに抵抗していました。
物件リストを京都生コン協組が提出しないことの抗議と速やかな提出を求めて、関生支部は2015年10月、京都生コン協組加盟社の各職場でストライキに突入しました。
ストライキ決行中、他方で生コンの適正価格の実現に向けた経営者らと関生支部役員らが連日話し合いを行い、京都生コン協組の正常な運営と生コン価格の値戻しへの具体的な取り組みを求めていました。
そして、ストライキの終息後には、京都生コン協組は臨時理事会を開催、現営業本部長(反対グループ)の解任と執行部体制を刷新しました。京都生コン協組はアウト7社との友好関係を築いて生コン価格の値戻しを具体的に実施する方向へと動き出したのです。
京都生コン協組の新たな体制によって、京都生コン協組とアウト7社(後の中央協組)は、それまでの生コン価格のダンピング競争から、京都生コン協組50、中央協組50の出荷割合で共存する方向に舵を切ることとなったのです。

私的判決論 人々の権利の実現をめざして

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)

 

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー

10月31日    国賠裁判      東京地裁(判決)   15:00~
11月18日    大津第2次事件   大阪高裁(判決)   14:30~