二重課税の真相

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ガソリン税・暫定税率の闇

労働者の生活を圧迫する税金のあり方について、長年にわたり問題提起を続けてきた労働組合。その中でも、特に不公平感が強いとされているのが、ガソリン税・暫定税率にまつわる二重課税の問題です。私たちは、この複雑な税の仕組みが、単なる技術的な問題ではなく、労働者の所得を不当に奪う構造的な問題であると捉えています。本稿では、この問題の真相を解き明かし、労働者にとってのあるべき税制の姿を提案します。

ガソリン税・暫定税率とは何か?

まず、問題の根源であるガソリン税と暫定税率について簡単に説明します。ガソリンには、ガソリン税(本則税率)が1リットルあたり28.7円かかっています。これに加えて、2009年までは暫定税率として25.1円が上乗せされていました。この暫定税率は、「道路特定財源」として道路整備などの公共事業に充てるために設けられた特別な税率です。2009年に「租税特別措置」から「地方揮発油税」へと名前が変更され、現在でも本則税率と合わせて、1リットルあたり53.8円が課税されています。
このガソリン税は、私たちがガソリンを購入する際に「消費税」と一緒に支払うため、一見すると普通の間接税のように見えます。しかし、ここに大きな落とし穴があります。ガソリン税は、ガソリン価格そのものに課税される「従量税」であり、この税金が加算された後の価格に対して、さらに消費税が課税されているのです。

ガソリン税・所得税・消費税の三重苦

私たちがガソリンを購入するまでのプロセスは、まず、企業から受け取った給与から所得税が源泉徴収されます。次に、その手取り収入からガソリンを購入する際、ガソリン価格にはすでにガソリン税(約53.8円/L)が含まれています。さらに、ガソリン税が加算されたこの価格に対して、消費税(10%)が課税される仕組みになっています。
つまり、私たちは、本来の所得に対して所得税を支払った後、その残ったお金でガソリンを購入する際に、すでに税金が含まれた価格に対して、さらに消費税を支払わされているのです。これは、税金に対して二重に税金を課すという、明らかに不公平な構造です。しかも、その税金は、ガソリンという生活必需品にかかるため、特に地方で車を主要な移動手段とする労働者や、運送業・農業などの仕事で燃料を多く消費する人たちにとって、その負担は無視できないほど大きなものとなります。

不公平な税制

私たちは、この不公平な税制の背景に、労働者の所得を実質的に目減りさせる意図があるのではないかと感じています。なぜなら、この二重課税の仕組みは、消費税増税のたびにその負担額が雪だるま式に増加するからです。
消費税が5%から8%、そして10%へと引き上げられるたびに、ガソリン税を含む価格に課せられる消費税額も自動的に増えます。これは、本来の目的である「道路特定財源」とは関係のない部分で、私たちが知らないうちに税負担が増加していくことを意味します。この仕組みは、ガソリン税を一種の「増税の隠れ蓑(みの)」として利用しているとしか考えられません。
私たちは、税制の根幹にあるべき「公平・公正」の原則が、このガソリン税・暫定税率の仕組みによって根本から揺らいでいると考えています。税は、国民が等しく負担すべき公共サービスへの対価であり、特定の層に過度な負担を強いるべきではありません。しかし、この税制は、所得の低い層ほど生活必需品であるガソリンへの支出割合が高くなるため、所得が低い人ほど、家計への影響が大きく、所得格差をさらに拡大させる要因となっています。

本来あるべき税制の姿

私たちは、不公平な税制の是正に向けて、まず、ガソリン税と暫定税率の見直しを求めています。暫定税率が当初の目的である道路整備を十分に果たしたと判断されるのであれば、速やかに廃止すべきです。また、ガソリン税自体も、税金にさらに消費税を課すという現在の不公平な仕組みを解消するため、根本的な課税方法の見直しが必要だと訴えています。
次に、公平な税制改革の実現です。税収の公平性を確保するため、所得税の累進課税を強化し、富裕層や大企業への課税を適正化すべきだと考えます。これにより、税負担が一部に偏ることなく、広く公正に分かち合われるからです。
最後に、労働者への負担軽減です。ガソリン税や消費税といった特定の税制だけでなく、労働者の生活を圧迫する税制全般を見直し、実質的な所得向上を目指すべきだと考えます。税制がすべての労働者が安心して暮らせる社会の基盤となるよう、今後も改革を求めます。
私たちは、この問題が単にガソリン代が高いという個別の問題に留まらないと考えなければなりません。これは、労働者の暮らしを軽視し、不公平な仕組みによってその所得を不当に奪う国の姿勢そのものに対する問題です。今後もこの問題に対して声を上げ続け、公平な社会の実現を目指しましょう。

私的判決論 人々の権利の実現をめざして

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)

 

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー

10月31日    国賠裁判      東京地裁(判決)   15:00~
11月18日    大津第2次事件   大阪高裁(判決)   14:30~