阪神淡路大震災を乗り越えて。未明の激震、猛火・地割れ・家屋倒壊、『50年目の戦災』死者5502人に

1995年1月17日早朝、空前の都市直下型大地震が関西地方を襲いました。
住宅・マンションがつぶれ、大火災が追い打ちをかけました。死者5000人超、損壊家屋は11万戸に及びました。「50年目の戦災」と表現した報道もありました。
山陽新幹線、阪神高速道路など「絶対に壊れない」といわれた公共建造物の多くも無惨に倒壊。高度経済成長路線を突っ走り「安全神話」を誇った戦後日本の真の姿を私たちに突きつけたのです。

被災組合員へのカンパ活動。『生活再建』、仲間の連帯で

連帯労組・関生支部の組合員も多数が被災しました。衣類、米、カイロ、食料品などの支援物資が全国各地から届けられました。
1995年の第10回中央委員会では、「仲間の困難をみんなの連帯で乗り越えよう」と、全国の組合員が1人1ヶ月1000円を年末までに集めることを決議しました。翌年のはじめまでに、総額4,370万円カンパを105人の被災した組合員に手渡しました。

公共工事のあり方見直しを提言。倒壊原因を独自調査、手抜き工事の実態を明らかに

「公共建造物ほど被害が大きかったのはなぜ?」震災直後から新幹線、高速道路、病院などの倒壊現場を連続して調査したところ、目を疑うほどの手抜き・欠陥工事が原因であることを明らかにしました。
それと同時に、大企業の利益を最優先した大量生産志向の建設資材政策と生産構造の重層下請化が根底にあると指摘。国・自治体・大手ゼネコンに「公共工事のあり方見直し」を提言、実行を申し入れました。
公開シンポジウム、学者・ジャーナリストの提言をまとめた出版は、各界に反響を呼び、1995年4月の建設省「建設産業政策大綱」にも反映されました。
「品質・安全」「適正価格・経営安定」「雇用安定・労働条件統一」を三位一体で実現すべきと訴える政策提言が、生コン業界再建活動を加速することになったのです。

大企業の利益優先=重層下請構造と価格競争の規制を訴え


1995年2月21日、首相官邸では村山首相(当時)が「下請け任せの手抜きが原因じゃな」と発言しました。
同年2月13日、再発防止のため「適正価格、安定供給、品質保証」を実現する生コン業界が必要と、通産省に申し入れをおこないました。
同年3月24日、運輸省との交渉では、亀井運輸大臣(当時)から「わかった!組合の意見を聞く。調査データも公表する」と理解を得ることができました。

「品質・安全確保」「適正価格と業界再建」「労働条件の統一」は三位一体

緊急提言(抜粋)「公共工事の抜本見直しと信頼回復に向けて」

第1、公共建造物のうち、コンクリート構造物を対象として、施工に関わる問題点と被害原因の関連について徹底検証すること。
第2、国と自治体の相互協力にもとづいて既存不適格建造物にたいする緊急調査を実施するとともに、簡便なチェックシートや補修基準の作成、補修費用にたいする融資制度など施策を確立すること。
第3、コンクリート構造物で進行する第二の危機にたいする歯止め措置を迅速に実行すること。
○生コンクリートの施工実態、業界動向と価格・品質管理に関して発注者による緊急実態調査の実施
○生コンクリート業界の正常化に関する関係者合意の形成
○「公共工事の建設費の縮減に関する行動計画」の再検討
第4、公共工事における請負施工のあり方を抜本的に見直すとともに、新たな品質管理・保証制度を確立すること。
○設計と施工の乖離をなくすために、公共工事元請業者による直営施工を原則とする。当面、元請業者にたいする「下請額制限」や「受注総額制限」など諸外国の制度を参考に導入していく。また、産業政策として、建設生産の主体を大規模開発型の大手ゼネコン型から地域密着型の中堅・中小企業型に転換していく。
○会計法を見直して現行の積算方式を改善し、生コンクリートなど使用材料が品質確保に支障のない適正価格で安定供給されるよう措置していく。
○コンクリート施工において、鋼構造物で部分実施されている「第三者検査」制度を導入するほか、安全・品質確保のために発注者、ゼネコン、製造・納入業者、労働組合の現場協議制度を導入すること。
○ゼネコンによる品質保証制度を抜本的に見直すこと。
第5、建設・生コン産業を近代化し、公共工事の担い手としての労働者の雇用・労働条件と社会的地位の向上をはかること。
○三省協定賃金(公共工事労務費)と現場労働者の賃金実態の乖離をなくすために必要な措置をすすめていく。
○ILO94号条約を批准し、すべての建設、生コン、ダンプカー労働者の賃金・労働条件が、主要大企業平均を上回るよう必要な措置をすすめていく。
○公共工事発注額のうち一定額を物件ごとに徴収し、建設・生コン産業における技術者育成、品質管理研修制度を確立する。
○労働基準法、労働組合法に違反した企業(建設業者のみならず建設資材納入業者をふくむ)は、公共工事のすべてのレベルで参加させない原則を確立する。

検証シンポ、公共建造物はなぜ・・・


1996年6月24日に開催された「検証シンポジウム・公共建造物はなぜ壊れたのか」には、被災した市民も多数参加しました。山室寛之(読売新聞社会部部長)、小林一輔(千葉工業大学教授)、戸谷英世(元建設省技官)ら各氏が、手抜き・欠陥工事の実態と原因を明らかにしました。

本格化する政策闘争。政労使が共同政策セミナー、生コン業界再建へ課題と役割を討論


1996年、大阪の生コン業界再建闘争が本格化しました。労働組合によるアウト業者の協同組合加入促進活動をバネに、大阪広域協組は同年4月から生コン価格の値戻し(12,000円。同年10月からは13,000円)を実現しました。
それと同時に、春闘では「65歳定年制」と「完全週休2日制」を全国に先駆けて導入しました。品質確保、経営安定、雇用条件統一が具体化しはじめたのです。
バラセメント輸送でも週休2日制、サービスステーションの稼働時間規制、過積載排除を在阪セメントメーカー8社と合意。同年10月には「近畿バラセメント輸送協同組合」が発足しました。
同年4月には「大阪広域生コンクリート協同組合発足会・打てば響く」と題したイベントを労使で開催。労使の協力により、協組の組織率も向上し、協組機能を発揮したことから値戻しが加速しました。
「大阪モデル」を全国に広げようと、「第1回政労使セミナー」を同年12月8日・9日に開催。建設・通産省、全生工組連ほか141業界団体・企業、労働組合も11単産・単組が参加しました。

建設現場に週休2日制を。時短3点セットで全国統一行動


労働時間短縮を先送りする建設・生コン業界に対し、96春闘では「時短3点セット」(週40時間、年間総労働時間1800時間、完全週休2日制で年間117日以上の休日)を要求しました。
土曜休日稼働状況を全国142カ所の工事現場で3ヶ月にわたり実施したところ、週休2日制が発注条件なのに、国の工事で22.2%、自治体で12.5%しか守れず、ゼネコンによる莫大な額の「税金かすめ取り」がおきていると国会でも追及しました(95年2月3日、当時の永井労働大臣は「連帯労組の指摘を厳しく受け止める」と発言し、全国労働基準局会議を緊急招集すると約束した)。
その結果、産別組織らしい統一闘争で、業界水準を大幅に上回る水準の成果を勝ち取ったのです。

滋賀 恐喝未遂事件
第9回 公判
日時:2019年2月22日 10:00~17:00
第10回 公判
日時:2019年2月25日 10:20~17:00
第11回 公判
日時:2019年2月27日 10:00~17:00
場所:大津地方裁判所
大阪 威力業務妨害事件
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
滋賀 大津生コン協組 威力業務妨害事件
第1回 公判

日時:2019年2月28日 11:00~12:00
場所:大津地方裁判所
ストライキが犯罪か!
労働組合つぶしの大弾圧許さない!
3.10集会
日にち:2019年3月10日(日)
時 間:14:00~16:00 開場:13:30
場 所:大阪市立西区民センター

労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
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