関生支部の産業別労働運動⑫

「1982年、『32項目協定』締結」

1982年8月11日、労働側(4つの労働組合)と経営側(大阪兵庫工業組合)との間で、「32項目」の確認が行われました(32項目協定)。その内容は、「SS(セメントステーション)の集約化と雇用の確保」、「生コン工場新増設の抑制」、「生コン産業年金の確立」、「生活最低保障制度の確立」、「業種別・職種別賃金体系」、「生コン運輸共済金の機能回復」、「組合活動の賃金保障の統一」などでした。

「弾圧下でもストライキを打ち抜き協定履行を回答させた」

1982年8月には、関生支部の委員長はじめ三役、執行委員、分会委員の14名が逮捕され、その影響で、4つの労働組合で構成した政策委員会は事実上分裂しました。また、大阪兵庫工業組合も「32項目協定」の履行をしぶりましたが、関生支部は「早出・残業拒否」、「順法闘争」、「ストライキ」などの闘争を展開し、その結果、工業組合は、同年12月24日、工業組合の人事体制の刷新(セメントメーカー直系の業者ではなく、専業主体で執行部を構成する)などを含め、「32項目協定」を履行すると回答しました。

「日本共産党の分裂工作と総評全日建関生支部の発足」

1984年11月18日、関生支部は、総評・全日本建設運輸連帯労働組合を上部団体とする労働組合として新たに発足しました。
これは、1982年12月17日付け「赤旗」紙上に、その当時の関生支部の上部団体であった「全日本運輸一般労働組合中央本部」の「権力弾圧に対する基本的態度」という声明によって、以後1年間、日本共産党による関生支部の分裂工作が続き、また、これに乗じて、1983年3月12日、セメントメーカー直系の生コン企業7社が「弥生会」を結成し、関生支部との対決姿勢を鮮明にした経過を経てのことでした。

「労働委員会が、工組は団交に応じよ!と命令」

1984年2月、大阪兵庫工業組合は、加盟団体から提出されていた委任状を委任者に返還した旨を関生支部に通知し、団交を拒否しました。これに対しては、工業組合を被申立人とし大阪地方労働委員会に救済申立を行い、1985年8月、「工業組合は32項目について団交に応じよ」(工組は、構成員の従業員の労働条件について、実質上の影響力を有する立場にある。工組の交渉権は構成員からの委任に基づくもではなく工組自体が交渉の当事者となる、という理由)の命令が発せられました。
そして、1987年10月7日、中央労働委員会において、大阪兵庫工業組合伊藤代表理事と関生支部委員長の間で、雇用責任の履行、退職金補填などの関生支部の主張を受け入れた内容の協定書が調印されたのです。

「品質管理を監視する会を結成」

1989年11月、関生支部は、セメント・生コン産業の労働者と業者、市民が参加する「品質管理を監視する会」を結成しました。
生コン業者が、製品の安売り競争のため、品質を低下させると、それは製品への不信となって、業界の信用を失墜させるとともに、その結果は労働者にとっても雇用不安、労働条件低下につながりかねない。そこに関生支部が生コンの品質管理に取り組む必然性があるのです。
品質については次のような問題があります。「過積載」(ミキサー車のドラムの攪拌能力を落とすことになる)(道路運送車両の保安基準4条。総重量20トンを超えてはならない)。
「加水」「時間オーバー(90分オーバー)」1990年6月、欠陥生コン問題が国会で取り上げられました。和田貞夫衆議院議員が商工委員会で「不届きな業者への厳重な指導」を強く要請しました。この不届きな業者とは、灰孝小野田レミコンであり、同社は加水指示や残コン出荷、時間超過生コン納入を行っていました。

「生コン品質管理活動」

関生支部は、生コンの品質問題の分野にも活動の手を広げました。それはもちろん労働者の生存と地位の向上のためです。さらに、その活動は一般市民の生存や安全のためのものでもあるのです。2006年施行の公益通報者保護法は、労働者の勤務先の違法行為を告発する行為を保護することによって、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護」(同法1条)を目的とするものですが、関生支部の品質管理活動の思想は公益通報者保護法と共通する部分があります。

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