「ストへの賛同を求めたことが『威力業務妨害』」
第二に、大阪の事件は、生コン支部の労働組合員が、セメントのサービスステーションでセメント運搬車の輸送を妨害したとされる事件だ。威力業務妨害の容疑で、まず大阪市港区の宇部三菱大阪港のサービスステーションでの行動について2018年9月に16人が逮捕され、7人が起訴、9人が釈放された。その後、同じ日の中央大阪生コン工場での行動についても翌10月に8人が逮捕された(5人は再逮捕)。合計19人が逮捕され、9人が起訴されたことになる。
問題とされている行為は、いずれも2017年12月の関西生コン支部の無期限スト(経緯は後に詳述する)の際に起きた行為であり、セメント出荷基地のサービスステーション(SS)および生コン工場で、運搬車両や生コン車両の前面に立ちはだかったことが威力業務妨害とされている。この現場では、組合員らは、運送会社の社長と運転手に「ストライキに入るので、ストライキに賛同して、稼働しないでほしいんです」と述べていたとされる。
現場となった中央大阪生コンは大阪広域協同組合の副理事長が経営する会社であり、生コン支部の組合員が大勢働いている職場である。宇部三菱大阪港のサービスステーションは、宇部三菱セメントというセメント会社が運営し、下請けの植田組が生コンの原材料であるセメントを運んでいる。植田組は、生コン支部の交渉相手の一つであるバラセメント協同組合にもともと所属していたが、最近、協同組合を脱退している。生コン支部は、関連産業に働く労働者のすべてが加盟する資格を持つ「産業別労働組合」であり、これらの事業者は、いずれも、生コン支部の組合員の労働条件に重大な影響を及ぼすので、労組法上の「使用者」といえる。
大阪の事件では当初、現場行動の参加者だけが逮捕起訴されていたが、昨年11月21日には現場に参加していない組合役員3人と元組合役員1人も逮捕された。1人は不起訴となったが、役員ら3人は今も勾留されている。
1955年生まれ。弁護士。日本弁護士連合会秘密保護法対策本部副本部長。著書に『秘密保護法 何が問題か』(岩波書店、共著)、『何のための秘密保全法か』『共謀罪とは何か』(岩波ブックレット、共に共著)など多数。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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〒111-0051
東京都台東区蔵前3-6-7 蔵前イセキビル4F
全日本建設運輸連帯労働組合中央本部
●電話番号:03-5820-0868
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
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