強要未遂事件(村田商事(加茂生コン)事件)公判、京都地裁

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判(村田商事(加茂生コン))が3月18日、京都地裁で開かれました。

まとめ、森弁護士

この間、公判前整理を5回やった。公判としては今日が1回目。次が5月12日、3回目はまだ決まってないが、合計3回で結審する。
この事件は、事実関係は全く争いがない。3年前の2017年10月16日、村田商事で旗をあげ(公然化)をし、団交要求したら、「身体の具合が悪くなった」と言われて、1ヵ月先に延ばされて待っていても連絡がない。その後しびれを切らして、「どうですか」と1ヵ月以上経ってからいうと、もうちょっと待ってくれと言われた。
後日、会社はY執行委員を呼び出して、同席していた社労士が「当該のMは労働者と違う」と言いだした。それまでは一言もそんなこと言っていなかったが、その時に初めて「Mは労働者と違う。請負人だ」と言ってきた。Mは日々雇用で就労していた。日々雇用も労働者である。ちゃんと日雇い手帳発行しているし、ちゃんと印紙も貼って割り印をしている。それにもかかわらず、その社労士が「労働者じゃない」と言い出したのでY執行委員は怒ってしまった。それは、当たり前のことで、団交は応じない、就労証明書も出さないからである。
Mは0歳児から娘さんを保育園に預けていた。毎年毎年、保育の必要性を証明するために、就労証明書を勤務先から出して貰う必要があった。11月末までに出す必要があったため、会社に発行を求めると、「発行できない」と言われた。村田商事の理由は2つ。ひとつ目は「労働者ではない」、2つ目は「廃業する」と言い出したのだ。これもう組合が結成したから廃業すると言い出したのである。
団交要求をすると拒否。就労証明書の発行を求めれば拒否。その間、組合員が会社に行って要求する。それに対して会社は全部、録音・録画され刑事告訴したという事案であり、普通では考えられない。

協力しなければならない

証人尋問の争点は、就労証明書。今日はIという木津川市役所の子ども宝課の当時課長補佐だった方に来てもらい公的な義務があるかどうかの尋問をした。
子育て支援法の4条に、国または地方公共団体が行う子ども子育て支援に協力しなければならないと謳ってある。協力するように努めなさいではなく、協力しなければならないと謳ってある。それを彼女に勉強してもらい最後に証言してもらった。
それと久堀弁護士から質問してもらったが、受付の際に、雇用では受付しておらず、その他で受付していた。それは、村田商事が雇用ではないと言っているから。「就労証明を発行しない、雇用じゃない」と言っている。しかし、Mは雇用だと言っている。判断できないからその他になったのだろう。逆に言うと雇用なら就労証明書を発行しなければいけないからである。それができないためにその他で提出したのだろう。
それから、裁判官が子ども子育て支援法の4条に明記してあることも確認していた。ここもポイントである。本日は非常にいい結果になったと思う。一歩無罪に近づいたと確信している。頑張りましょう。

小谷野(中央本部書記長)
いつもみなさんにはご心配をおかけしております。大変力強いご支援をいただき本当に感謝しております。関西生コン事件というのは、いくつもの裁判があって、どれもこれも酷い事件の作り方です。
労働組合として扱わないで暴力集団・反社会的勢力だという扱いの元で刑事事件にしているわけですね。この村田商事事件は特に、正社員として雇用するよう不当に要求した疑いという。これはどんな労働組合弾圧事件のなかでも極めつけだなと思います。こういうので団交申し入れしたり、正社員として雇用する要求書を出すこと自体が罪に問われることになったら、労働組合活動ができないということになってしまいます。だからこれは関生支部にとってはもちろんですが、全労働者の未来、労働人権保障に関わる重大な事件として、みなさんも今後注目をいただきたいし、弁護団にも是非奮闘していただき必ず無罪を勝ち取りましょう。

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労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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