「辺野古の地盤強度データを防衛省が隠ぺい」

沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、予定地の軟弱地盤に関わる「不都合」な地盤強度データを防衛省が隠ぺいしていたことが判明しました。
存在していたにもかかわらず「ない」としてきたのは防衛省が設計の前提とする地盤強度を大きく下回るデータです。同省は沖縄県に工事の設計変更を申請する方針ですが、専門家は判明したデータでは「いまの設計が成り立たなくなる可能性がある」と指摘しています。
新基地建設で焦点となっているのは、予定地の大浦湾側にある、水面下最深約90メートルに達する(B27地点)軟弱地盤です。建設には大規模な地盤改良工事が必要。前例のない難工事に防衛省は有識者からなる「技術検討会」を設置し、何とか設計のお墨付きを得ようとしています。

「データ隠しの理由」

B27地点の土の強度試験について、国会の2019年3月22日参院予算委員会で当時の岩屋毅防衛相は「やってない」と答弁。参院予算委員会への政府提出資料でも「B27地点における室内試験を実施する必要はありません」としていました。
防衛省は、70メートルより深い土の層について「非常に固い粘土層」との立場をとっており、河野防衛相はこれまで「(データは地盤の強度を調べる)力学試験と認められるものではない」と述べ、本格的な調査は必要ないとしています。
水深90メートルの地盤改良工事が可能な作業船は国内にはなく、あるのは水深70メートルまでなのです。専門家は70メートル以深で地盤改良ができないなら、地盤沈下などが想定され新基地建設は困難だと指摘していました。
これに対して防衛省は、70メートルまでの地盤改良でも新基地建設は可能と主張。その「根拠」としてきたのが、水深70~90メートルの地盤は「非常に固い」というものでした。その「根拠」が崩れるため防衛省は、B27地点から実際に採取した土で地盤強度を調べた室内試験データを隠したと見られます。

…つづく
労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会からのお知らせ
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