●逮捕されたことが理由とする懲戒解雇は無効
9月28日、大阪府労委は、ナニワ生コン株式会社外1社に対し、七牟礼副委員長と組合員1名の懲戒解雇撤回を命じる組合側勝利命令を下した。府労委の勝利命令はこれで6件目となる。
七牟礼副委員長らが懲戒解雇されたのは2年前、大阪ストライキ事件で七牟礼副委員長らが逮捕され、まだ勾留されている最中だった。会社が懲戒解雇の理由としたのは、「刑事法令に違反し、逮捕勾留されたこと」「威力業務妨害により逮捕され、その旨の報道がなされたことが会社の名誉、信用を傷つけたこと」などだった。
府労委命令は主文3項において、七牟礼副委員長らを「懲戒解雇したことをなかったものとして取り扱い、同人らをそれまで就けていた職又はその相当職に就けなければならない」としたほか、解雇以前に関生支部が申し入れた団体交渉にも応じなければならないと命じている。

●ナニワ生コンという企業
ナニワ生コンという企業の解雇事件における勝剌命令には特別な意義がある。
2017年12月、関生支部は大阪広域生コン協組らに対して「運賃引き上げの約束を守れ」と要求してストライキを決行した。これに対して大阪広域協組が「ストライキは威力業務妨害」「関生支部は組織犯罪集団だ」と非難して全面対決姿勢をとったのが「関西生コン事件」の発端である。そのとき大阪広域協組が最初に手を付けたのが、関生支部と協力関係にある生コン業者の分断と切り離し策であり、その標的とされたのがナニワ生コン。ナニワ生コンは当時、関生支部や全港湾大阪支部など労働側と集団交渉をおこなう業界側の団体である「大阪兵庫生コン経営者会」(経営者会)の会長企業だった。

●懲戒解雇は大阪広域協組への「忠誠の証し」
大阪広域協組は、ナニワ生コンが「ストライキに同調して融和的な姿勢をとった」などという口実をつけて、ナニワ生コンの系列販売店について、大阪広域協組の登録販売店資格を剥奪するという措置をとった。登録販売店の資格を奪われるとナニワ生コンは営業停止に等しい打撃を受ける。ナニワ生コンはただちに経営者会の会長を辞職するとともに、大阪広域協組に対して関生支部との「絶縁」を誓い、たちどころに登録販売店資格は復活した。この一連の流れをみていた生コン業者は一様に震え上がり、つぎつぎに「経営者会」から脱退していった。
こうして、長年にわたり築かれてきた関生支部と中小企業の協力関係がズタズタにされたところで、権力弾圧が2018年7月からはじまる。そしてナニワ生コンは、大阪広域協組と警察にさらなる「忠誠の証し」を示すかのように、無謀な懲戒解雇を強行したのだった。
こうした経緯に照らしてみれば、今回の府労委命令はたんなる個別の解雇事件の勝利命令というにとどまらず、大阪広域協組が仕掛けた関生支部排除攻撃の不当性を浮き彫りにする意義をもつものだといえるものなのだ。
私たちは、府労委命令の履行を求める行動を組織し、早期に七牟礼副委員長らの職場復帰を勝ち取るとともに、大阪広域協組の行う労働組合潰しを打ち砕く決意だ。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
PDF

デモクラシータイムス
【竹信三恵子の信じられないホントの話】
ヘイトの後に警察が来た~関西生コン事件
←ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.40 ココをクリック
「関西生コン事件」国家賠償請求訴訟 関連記事
OURPLANET(動画)「労働組合の自由を奪われた」関西生コン労組が国賠訴訟←ココをクリック
IWJ 国家賠償請求提訴についての記者会見 2020.3.17←ココをクリック
関西生コン労組、違法捜査と国など提訴 執行委員長ら恐喝容疑巡り「長期勾留は恣意的」 2020年3月17日 20:42 京都新聞←ココをクリック

大阪府労委で組合側の完全勝利命令!←藤原生コン運送不当労働行為事件

またもや、組合側勝利命令!←吉田生コン地位保全等仮処分申立事件

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
アマゾンでも購入することができます。

こちらから