「学童保育で雇い止め」官民の労組が連帯して支援しよう 後編

新型コロナウイルス対応のさなか、学童保育の指導員が大量に雇い止めされました。自治体から民間への事業委託が広がるなか、委託先の企業と雇用関係のトラブルが相次いでおり、公共サービスの担い手が不安定な立場で働いていることを示す象徴的な事件が起きました。

…前編からのつづき
「労使合意を無視」
指導員らは、市が学童保育を直接運営していた当時、「雇い止めされないとの労使合意」があり、定年まで継続して働いていたうえ、「民間委託の際も継続雇用が前提だった」、「会社側の注意内容は事実関係の誤りが多く、雇用を打ち切る合理的な理由はない」と主張しています。

「民間委託が偽装請負・低賃金を誘発」

代理人の弁護士は「民間委託は、自治体の窓口業務や保育所、学校現場の給食調理などで進んでおり、自治体が経費を削減しようと民間委託した結果、窓口業務で偽装請負が横行したり、業務先が利益を確保するために賃金がさらに下がったりする例がある」と述べています。

「公共サービスの担い手は不安定な立場に」

「官製ワーキングプア」といわれる非正規公務員は2016年の総務省調査で全国で64万人を超えています。低賃金で窓口業務や学校、保育園や学童保育などの現場を非正規公務員が支えているのが現状です。
改正地方公務員法などが今年の4月に施行され、新制度「会計年度任用職員」が始まり、期末手当(ボーナス)の支給など待遇改善が期待されていましたが、自治体が人件費の削減を狙った民間への委託が急増するなど、公共サービスの働き手がますます不安定な立場に追い込まれることが懸念されます。

「働き手の労働条件と権利を守る闘争」

「保育や福祉、介護分野などの民間委託は人件費を削減できる一方、経営の合理性が優先されがちで雇用が不安定になり、専門性のある人材育成が困難になる。新型コロナの拡大で、行政が積極的に運営に関わり機敏に対応する重要性が明らかになった。民間委託のあり方が問われている」と学者は問題視します。
自治体による民間委託は、コスト削減だけが重視され、委託企業に移行した職員ら働き手の労働条件や環境が悪化する事例が多く見られます。
働き手の労働条件や権利を守るため、労働組合つぶしを許さないためには、官民の労働組合が連帯して運動を展開することが重要です。今回の事件を自らの問題として闘争を支援しましょう。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
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労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
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内容紹介
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警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
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