【速報 加茂生コン第1事件判決】
木を見て森を見ぬ不当判決
不当労働行為に抗議することが、なぜ脅迫なのか?
12月17日、加茂生コン第1事件の判決が京都地裁であった。
柴山智裁判長(京都地裁第3刑事部)は、被告人とされたY執行委員に対し懲役1年、YO組合員に対し懲役8月、それぞれ未決勾留日数60日を算入、執行猶予3年という有罪判決を下した。(検察の求刑はそれぞれ懲役2年)悪質な不当労働行為企業が野放しにされ、こ起訴されたら有罪率99%の国とはいえ、信じがたい判決だった。
事件のあらまし
2017年10月、加茂生コン(京都府木津川市、村田弥数則社長。商号は村田建材)で常用的な日々雇用労働者のミキサー運転手が組合に加入し、関生支部は正社員化などを要求して団体交渉を申し入れた。しかし、会社は団体交渉を拒否。団交催告の内容証明郵便の受け取りも拒否した。そして、組合員は「請負」だと称して労働者性を否定するとともに、唐突な「廃業」を表明した。さらに、子どもの保育園入所に必要な就労証明書の交付も頑くなに拒否した。関生支部は、これら一連の不当労働行為に対し抗議するとともに、廃業は組合排除のための偽装閉鎖とみて工場前の監視活動を開始する ―― これが加茂生コン第1事件のあらましだ。
どちらに理があり、どちらに非があるのか、あまりに明白だ。関生支部の行動は、関生支部ならずとも、どの労働組合であっても当然にとるであろう。いや、実際に全国各地でさまざまな労働組合がおこなっている組合活動だ。
ところが、京都地裁判決は、強固な反組合的意図に貫かれた会社の一連の不当労働行為を不問に付す一方で、不当労働行為に抗議する当たり前の組合活動の、そのごく一場面だけを切り取り、その場面における組合の言動をとらえて「脅迫の実行行為」だと決めつけたのである。(念のため付言しておくが、その言動とて到底脅迫などと評価できるものではない。なんとか有罪判決を書かんがためのこじつけにほかならない。)
まったく許しがたい不当判決だ。そして、この不当判決は、憲法28条労働基本権保障と労組法1条2項刑事免責を侵害する許しがたい暴挙というべきである。
「裁判長はまちがっている。自分はまちがっていない」
判決後の報告集会で、被告人とされた組合員YOさんは、「裁判長はまちがっている。自分はまちがっていない。これからもおなじことがあれば、自分はおなじことをする」と語った。
組合はただちに控訴して、無罪判決を勝ち取るためにたたかう。
(なお、判決全文が出され次第、組合の抗議声明を発表する予定です。)
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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関西生コン労組、違法捜査と国など提訴 執行委員長ら恐喝容疑巡り「長期勾留は恣意的」 2020年3月17日 20:42 京都新聞←ココをクリック
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641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が12月10日発刊される。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
今年も残り少なくなりました。皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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