防衛費という名の「軍事費」は必要ない

防衛費という名の「軍事費」の増加が、日本の財政が膨張する大きな要因になっています。2021年度の当初予算案で前年比289億円増の5兆3422億円と9年連続で増加し、過去最高を更新しました。

「債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す?」

財務省は日本の財政状況を「20年度『予算と財政の現状』」で、「国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれ、また、国債費が毎年度の一般会計歳出総額の2割以上を占め(中略)2025年度の国・地方合わせたプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化、同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指すこととしている」と説明しています。

「次世代に借金のツケを回すのは無責任」

この財務省の説明に各紙の報道では、2020年度の第3次補正予算案や2021年度予算案について、「財政規律の緩み」や「規律のたがが外れた」などが指摘されています。
朝日新聞は社説で、政府予算案の発表を受け「日本銀行による国債の大量購入という異例の政策に頼って、次世代に借金のツケを回し続けるのは、あまりに無責任である。2025年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標は有名無実となってしまった」(2020年12月22日付)と述べています。

「多次元総合防衛力(軍事力)の構築」

2020年度の「防衛白書」では、「領域横断的な戦力発揮を行うことが死活的に重要」と述べ、現在の戦闘様相が従来の陸空海に「宇宙・サイバー・電磁波という新たな領域」を合わせたものとなっているとし、「防衛力整備」については、宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力強化を進めるものとなっています。
宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域で、いっそうの能力の獲得・強化をめざすという「多次元総合防衛力」の構築への取り組みです。

「宇宙作戦隊の体制整備がさらなる財政膨張へ」

また、「宇宙・サイバー・電磁波という新たな領域」で生じる各種事態に効果的に対処するため、「海空の能力、敵の脅威圏外から対処するスタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力」を引き続き強化し、『宇宙作戦隊の体制整備』を図り、宇宙状況監視(SSA)衛星や宇宙設置型光学望遠鏡の配置」などを求めています。

「最新鋭戦闘機の配備や軍事力基盤の強化」

さらに、航空の優勢を確保するためとして、「ネットワーク性能やステルス性能を持つ最新鋭機のF35B戦闘機を配備」することが必要。自衛隊の展開基盤が太平洋では、硫黄島の1ヵ所のみと乏しいことにも留意するとしています。
後方分野では、「防衛力の持続性の強化・人的基盤の強化・軍事技術基盤の強化をめざす」としています。

「軍事費を予算化させない運動を強化しよう」

対外国との関係では、「アメリカとの同盟強化、協力関係」がうたわれる一方で、サイバー領域などを例として、「中国やロシアへの警戒と脅威」が述べられています。
宇宙軍拡を含む軍事費の増大は、財政再建に逆行するのみならず、対外的に周辺国との関係に悪い影響をおよぼします。
コロナ禍のなか、正規・非正規の労働者や中小零細事業者が仕事を失い、困難な生活を強いられています。また、医療従事者は使命感だけではやっていけない過酷な状態が続いており、医療関係事業所も経営が窮地に追い込まれています。
防衛費という名の軍事費が増大して潤うのは、アメリカや日本の軍需産業、いわゆる大企業なのです。国家予算を戦争する国づくりの軍事費に投入することを許してはいけません。
国民の平和で安定した暮らしを確保するために、必要のない軍事費を予算化させない運動を強化することが重要です。私たち労働組合が先頭に立ち、街頭宣伝などあらゆる行動を展開して、アメリカや大企業の利益を優先し、労働者や中小零細事業者に犠牲を強いる菅政権を打倒しましょう。

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ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック

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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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