沖縄戦、6月23日「慰霊の日」
沖縄戦から76年がたち、日米両政府のはざまで不穏な動向の中、今年も沖縄は「慰霊の日」を迎えました。
沖縄戦で組織的戦闘が終わった6月23日を「慰霊の日」として、沖縄本島南部にある糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では、毎年この日に沖縄県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が行われます。
「慰霊の日」
米軍は1945年3月26日に慶良間諸島、4月1日に本島中部に上陸し、9月7日に沖縄守備軍は降伏調印しました。日米の死者は20万人を超えました。「平和の礎」の刻銘者数によると、このうち本土出身の犠牲者は7万人を超えています。沖縄県は、条例で6月23日を「慰霊の日」と定めています。
「親兄弟、いとこら13人を亡くした」
12歳で沖縄戦を体験した89歳の女性(那覇市在住)は、父と兄、姉やいとこら13人を亡くしました。沖縄本島南部を家族で逃げまどい、糸満市で米軍に保護されて収容所へと送られました。
「雨が降ると土が雨で流れ出て、遺骨が出てきた」
終戦後、女性は収容所から引き揚げてきて、糸満高校の分校としてできた「真和志(まわし)ハイスクール」に通いました。真和志ハイスクールは、2018年に他界した翁長雄志前沖縄県知事の父親・助静(じょせい)氏が校長を務めていました。
授業のかたわら女性らは遺骨収集を手伝いました。当時の真和志村長だった金城和信(わしん)さんの呼びかけで、村民総出で収骨にあっていたのです。
「雨が降ったら土が雨で流れ出て、遺骨が出てきたのよ」と女性は語ります。それほど遺骨はあちらこちらに多くあったのです。
「『慰霊の日』に『魂魄の塔』を訪れる人が後を絶たない」
集められた遺骨は糸満市米須(こめす)にある「魂魄(こんぱく)の塔」に収められました。沖縄戦で家族の遺骨を見つけられなかった人たちは、「魂魄の塔」に手を合わせにやってきます。今も「慰霊の日」に「魂魄の塔」を訪れる人は後を絶ちません。
「戦争犠牲者を米軍新基地建設の犠牲にさせてはならない」
沖縄戦から今年で76年がたちますが、遺骨は今も沖縄本島南部の土中から見つかります。沖縄県によると2019年度の収骨数は59体。同年度末現在、推計で2822体の遺骨が未収骨となっています。
「和魂(にぎたま)と なりてしづもるおくつきの み床の上を渡る風潮」。これは歌人でもあった助静氏の歌で、魂魄の塔のそばに立つ歌碑に刻まれています。「戦争で亡くなった犠牲者が穏やかに眠る地に、潮風が優しく吹く」という意味です。
沖縄本島南部の土砂を、名護市辺野古への埋め立てに使う動きがあります。戦争の犠牲者がさらに米軍の新基地建設の犠牲になりかねない事態を許してはいけません。
「米軍辺野古新基地建設を中止に追い込むための行動を展開しよう」
菅政権は、沖縄の民意を無視して辺野古新基地建設工事を強行し続けるばかりか、さらに沖縄の人々の心を踏みにじる行動に出ようとしています。
私たち労働組合には、菅政権の「アメリカの圧力と大企業の利益を優先する」新基地建設を許さず、沖縄をはじめすべての米軍基地を撤去する運動の強化が求められています。闘う労働組合が先頭に立ち、街頭に出て、米軍基地がある地域の過酷な実態や事実を暴露し、莫大な税金が投入される米軍基地の経費負担や米軍辺野古新基地建設を中止に追い込むための行動を展開しましょう。
※琉球新報・知花亜美さんのお話しを参照しました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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