沖縄県遺骨収容国吉勇応援会・学生代表の行動が成果をあげた
沖縄県遺骨収容国吉勇応援会・学生代表の西尾慧吾さんの行動によって、「沖縄戦の戦没者の遺骨などが混入した土砂を埋め立てに使用しないこと」を求める意見書が、茨木市議会で全会一致で可決するという成果をあげました。
「辺野古土砂に遺骨『反対』意見書、茨木市議会が可決。大学生の陳情受け入れ(朝日新聞・大阪版6月23日付)」
茨木市議会は6月22日、米軍普天間基地の移設計画にに伴う沖縄県名護市辺野古の埋め立て工事に関連し、「沖縄戦の戦没者の遺骨などが混入した土砂を埋め立てに使用しないこと」を求める意見書を全会一致で可決した。大学生が4月に提出していた陳情を超党派で受け入れた。
陳情していたのは茨木市出身の米エール大学、西尾慧吾さん(22)。辺野古の埋め立て工事に使う土砂の調達先に、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部が含まれている。それに対して抗議のハンガーストライキをした沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマヤー」代表の具志堅隆松さんに呼応し、西尾さんは活動を展開。その一環として4月28日、茨木市議会に意見書提出を陳情していた。
意見書は維新、公明、自民、共産など同市議会の全5会派の幹事長が提出者になった。西尾さんは市議らへの面会などを粘り強く続け、「この事業は、辺野古の埋め立て計画への賛否を超えた人道的問題です」と賛同を訴えたという。
同様の意見書を沖縄県以外の地方議会が可決したのは、金沢市議会に続いて2例目と見られる。
西尾さんは「ほんの小さな一歩だが、沖縄以外からでも声を上げられる先例を作れたのは大きい。多くの人の支えで民主主義を勉強させてもらいました」と話していた。
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「ZENKOスピーキングツアーに弾みがついた」
6月6日に学働館・関生で開催された「東アジアに平和を!沖縄の辺野古基地建設阻止、日米韓軍事一体化を許さず、韓国、沖縄と民衆を結ぶZENKOスピーキングツアー」では、沖縄県遺骨収容国吉勇応援会・学生代表の西尾慧吾さんから、現場の闘争報告と闘争方針の発言がありました。今回、「意見書」が茨木市議会で全会一致で可決するという成果をあげたことで、スピーキングツアーに弾みがついたことでしょう。
「あきらめずに、やり続けること」
私たち労働組合は、市議らへの面会などを粘り強く続け、「この事業は、辺野古の埋め立て計画への賛否を超えた人道的問題です」と賛同を訴えた西尾さんの行動に学ぶことが求められています。「あきらめずに、やり続けること」という先人の教えを実践することを心がけて行動しましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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