9.26北摂集会@茨木

「労働組合破壊は戦争への道~連帯労組関生支部への弾圧を許さない~『9.26北摂集会@茨木』」が9月26日、茨木市福祉文化会館で開催され、多くの闘う労働者が結集しました。北摂労働者集会実行委員会が主催する北摂集会に、連帯ユニオン関西地区生コン支部・北大阪Bブロックからも多くの仲間が参加しました。

「関生弾圧粉砕、藤原生コン運送・ナニワ生コン闘争に勝利しよう」

集会は、関西労組交流センター事務局長の冨山さんの司会で始まりました。冨山さんは、開会あいさつで「関西生コン支部弾圧に対して、北摂地域で支援の輪を広げようと闘ってきた。関生弾圧を粉砕し、藤原生コン運送・ナニワ生コン闘争に勝利するために本日の集会を成功させよう」と訴えました。

「関生弾圧は、すべての労働者にかけられた弾圧だ」

社民党副党首の大椿ゆうこさんが、連帯あいさつ。大椿さんは「本日の集会にあいさつの機会を与えてくれたことに感謝する。私は、茨木を中心に北摂地域で活動している。関生支部弾圧集会の重要性を感じている。維新の会の議員は、関生弾圧に先頭に立ってツイッターを使い、関生支部と関係のある大椿をセットで叩いている。しかし、私は、きちんと反論していくことを役割としてきた。維新の彼らはミソジニーを満たすために、関生弾圧問題を利用している。関生支部の労働運動は何ら問題はなく、ストライキは労働組合の権利だ。関生弾圧は、関生支部だけではなく、すべての労働者にかけられた弾圧だ。憲法28条まで手を付けさせてはならない。私は、皆さんと一緒に全面的に関生支部を支持する闘いをやっていくことを約束する。社民党は、関生支部を支持する」とあいさつされました。

「関生弾圧粉砕、改憲・戦争絶対反対で共に闘うことを決意する」

続いて、高槻医療福祉労働組合・委員長の村山裕子さんから基調報告の提起がされました。村山委員長は「①関生支部への弾圧を、私たち一人ひとりの課題として闘おう。②改憲や戦争政治に絶対反対の声をあげよう。③労働者・市民の団結で社会を変えよう」との3つの柱を軸に、詳細な情勢とその背景や本質を述べたあと、具体的な行動の実践を提起しました。
最後に、村山委員長は「何よりも労働組合の団結を甦らそう。11月7日には、国鉄闘争を軸に、闘う労働組合が全国から結集する、全国労働者総決起集会が東京で開催される。12月12日には、関生弾圧と闘う全国一斉行動も予定されている。結集した仲間と共に、関生弾圧粉砕、改憲・戦争絶対反対で最後まで共に闘うことを決意する。共に闘おう」と基調報告を締めくくりました。

「ストライキを軸に大衆行動で決着をつける」

関生支部・武谷新吾書記次長の特別報告。武谷書記次長は、日頃の関西生コン支部弾圧への物心両面にわたる支援のお礼を述べたあと「3月のナニワ生コン包囲行動や6月の茨木市役所攻めなど、北摂労働者会をはじめとする関西労組交流センターの仲間と共同行動を展開したことに誇りを感じている。この支援に対して必ず結果を出す。藤原生コン運送・ナニワ生コン闘争では、山場をつくり、最終的には、ストライキを軸に大衆行動で決着をつける。引き続き、支援をお願いする」と闘争報告と今後の闘争方針を示しました。

「産別運動の正当性を訴え、関生弾圧事件の無罪判決を勝ち取る」

全港湾大阪支部・小林勝彦委員長は「本日の集会に参加できてよかった。関生支部との関係は、関西生コン労組連合会や反戦平和運動、ユニオンネットワークなどで共闘している。全港湾大阪支部は、2017年のストライキの当事者でもある。ストの現場では、警察官から『お前の顔は忘れへん!』などと警察官とやり合ったが、全港湾大阪支部は一切、警察・検察から逮捕もされず、呼び出しも受けていない。露骨な『関生つぶし』が展開された。まさに産別運動つぶしだ。全港湾大阪支部は1976年、南港でゼネストを打ち抜いたとき、2人が逮捕された。裁判では、警察・検察のメンツが働いたのだろう、関係のないタクシーなどをとめたとの理由で罰金刑が出された。しかし、判決文では、『産別運動のストライキの正当性が認定されている』。産別運動のストライキは、労使関係があるとか無いとか問題外なのだ。反弾圧実行委員会では、関生弾圧支援の輪を広げる運動を展開してきた。今後の闘争方針は、産別運動の正当性を訴え、世論を喚起する行動を実践し、関生弾圧事件のすべての無罪判決を勝ち取る。共に闘おう」とあいさつされました。

「ストライキを打ち抜き闘ったことで、多くの成果をあげた」

共に闘う仲間からの報告です。大阪北部ユニオンの堤田稔書記長はカンパアピールのあと、「中央労働委員会闘争で勝利的和解を勝ち取った」と闘争勝利報告。
動労西日本の山田書記長は「この間、JRに対してストライキで闘ってきた。このストをつなげて、JR西日本本社前行動を展開する。そして、JR西日本の労働組合つぶしを粉砕する」。
高槻医療福祉労働組合の冨山書記長は「今春のストライキを打ち抜き闘ったことで、一時金を勝ち取った。直近では、2時間超の団体交渉で、多くの労働条件を改善させた。労働組合のストライキを軸とした行動が重要だ」。
京都大学の学生は「街頭に出るなどして、原則で闘うことを実践している。学生自治を獲得し勝利するまで闘う」と、それぞれの代表者から闘争報告と今後の闘争方針が示されました。

「関生支部や全港湾など闘う労働組合が必要だ」

茨木市市議会議員の山下けいきさんは「関生弾圧に対しての反撃を市議の立場で闘っている。藤原生コン運送やナニワ生コンなど、『不当労働行為と認定された、いわゆる労働組合法違反の企業を公共工事に参入させるのか』と関係当局と交渉している。藤原生コン運送やナニワ生コンが、大阪府や茨木市の仕事をするのはおかしいと、安威川ダム建設事務所などに申し入れを行った。不当に解雇されるという攻撃を受け、大変なのは当事者だ。私も、北大阪合同労組で活動していたときに、新聞配達の労働者の退職金を勝ち取ったが、労働組合を嫌悪する会社と闘った当事者のしんどさを体験した。しかし、闘わなければ、退職金も勝ち取れない。労働組合を無くす典型が、関生弾圧だ。今の世の中はおかしくなっており、関生支部や全港湾など闘う労働組合が必要だ。私も関生支部をアシストして、闘い続ける。」と激励と共闘のあいさつがありました。

「関生支部の当事者の力強い決意表明」

集会の終盤は、関生支部の当事者からの決意表明。北大阪Bブロック・青年女性部長は「北摂労働者会のみなさんとは、2ヵ月に1回の学習会などに参加して交流を深めている。関生支部へのネガティブキャンペーンに便乗した、会社側の不当労働行為を許さない。権力弾圧粉砕と不当解雇・雇い止め撤回を勝ち取るために、全力で闘う」。
ナニワ生コン分会長は「自分も大阪第一次ストライキ事件で、逮捕・勾留、起訴され、一審では有罪判決が出された。この春からは、労働者いじめ、法律違反企業のナニワ生コン・藤原生コン運送闘争に日々闘っている。本日の集会では、いい報告はできなかったが、次回は必ずいい報告をすることを約束する。控訴審での無事判決と解雇撤回・現職復帰を勝ち取るまで闘う」。
藤原生コン運送分会長は「北摂労働者会をはじめ多くの仲間の皆さんの支援に感謝する。ナニワ生コン分会長は解雇されたが、自分は解雇されていない。会社には、『やるならやれ!とことんやったる!』と言ってやった。しかし、10数年働いてきた日々雇用の仲間が雇い止めされている。この仲間を職場に戻すために全力で闘う。本日の集会では元気をもらった。勝利するまで闘う」。
藤原生コン運送分会の仲間は「雇い止めを撤回させ、職場に復帰し、勝利するまで闘う覚悟だ」と、4人の関生支部の仲間の力強い決意表明がありました。

「飛び入りを含めた140人超のデモ行進」

デモ行進は、茨木市役所から、阪急・茨木市駅までのコースです。茨木市役所正面玄関前を出発した飛び入りを含めた140人超のデモ隊は、旗や幟をはためかせ、太鼓と鉦の軽快なリズムで茨木市の主要幹線道路を整然と行進し、周辺の市民や道路を行き交うドライバーの注目を浴びました。
茨木市役所近くの維新の会事務所の窓から、スマホで撮影してる職員(?)の姿が見えました。「関生弾圧粉砕!」や「関生のデマをやめろ!」などのコールが気になったのでしょうか?
英会話教室の窓からは、スマホをかざしながら、手を振って声援してくれた外国人女性や沿道の商店街の方から「頑張れ!」と激励してくれたのが印象的でした。
解散地点の阪急・茨木市駅前の広場で、冨山さんのかけ声で「団結がんばろう!」を参加者全員で唱和して本日の集会とデモ行進はお開きとなりました。
集会デモに参加してくれた、多くの闘う労働組合や闘う労働者の仲間、山下けいき茨木市議と大椿ゆうこ社民党副党首に感謝します。

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ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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お知らせ
10月28日に予定されていた和歌山公判は中止になりました。
参加を予定されていた皆様、お間違えのないようよろしくお願いします。
挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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