闘う労働組合を甦らそう!10.9九州労働者集会
「闘う労働組合を甦らそう!」10.9九州労働者集会が10月9日、福岡市・ももちパレスで開催され、40人を超える闘う労働者が結集しました。
「闘う労働組合の闘いによって、社会を変えることできる」
婦人民主クラブ福岡・木村さんの司会で集会は開会。福岡県労組交流センター代表の柴田利博さんが主催者あいさつ。柴田さんは「本日は、11.7全国労働者総決起集会に向かっての福岡の決起集会だ。合同労組レイバーユニオン福岡は、解雇撤回闘争などをストライキで闘ってきた。闘う労働組合の闘いによって、社会を変えることできる。私たち労働組合にはその力がある。本集会では、活発な討論を要請する。最後に、11月集会への全力結集を呼びかける」と福岡での闘争報告と行動を提起されました。
「ストライキを軸とした大衆行動で決着をつける」
続いて、関生支部・武谷書記次長から「関西生コン支部への弾圧」と題した基調講演。武谷書記次長は、日頃の関生支部弾圧への物心両面にわたる支援にお礼を述べた後、「①2018年から始まった激しい弾圧。②権力の狙いと弾圧の本質。③今後の闘争方針」などを当時の状況や実態を交えながら話しました。
また、「ストライキなど正当な組合活動に対して、不当な有罪判決が出されているが、労働委員会闘争では10連勝し、資本側の不当労働行為が明らかにされている。さらに、関西生コン支部弾圧の支援の輪が全国に広がり大きな力となっている。すべての事件の無罪判決を勝ち取るために全力を尽くし、労働委員会の勝利命令を武器に現場闘争を強化する。最終的には、ストライキを軸とした大衆行動で決着をつける。引き続きの支援をお願いする」と今後の闘争方針を示しました。
最後に、武谷書記次長は「11.7全国労働者総決起集会集会」への全力結集を提起して、講演を締めくくりました。
「8人の方からの質疑」
講演後の質疑応答では、「吉村・松井など大阪維新の会からの攻撃はあるのか?」「組合員との接触禁止という保釈条件のなかでどうしていたのか?」「現場で決着をつけるとのことだが、現在の現場闘争における焦点は?」「大企業は弁護士を団交に同席させ、組合の要求を先送りにする戦術に憤慨した当該の組合員が団交で発言し厳しく追及しているが、このような場合、関生はどういう対応をしているのか?」「私は教諭を目指している。先生になって授業で子どもに、どういうことを教えていけばいいと思うか?また子どもに接する姿勢は?」「コンビニ関連業種や二和病院労組のストライキなどを見聞きした労働者の労組加入が増えている。17年の関生のストライキなど、ストの決議などの組合員との議論はどのようなものか?」「関生の組合員には、非正規はどれくらいいるのか?」「今回の権力弾圧で、脱退した組合員を戻すための具体的な方針を知りたい」など、8人の質疑があり、武谷書記次長は一問一答で応えました。
「現場からの決意表明」
現場の最前線で闘っている仲間の決意表明では、虹ヶ丘学園労組・野下委員長、合同労組レイバーユニオン福岡・吉田委員長、ロジテム争議の兼頭さん、生命保険会社の労働者、交流センター自治体労働者部会・中村さんの5人の仲間から、現場の闘争報告と今後の闘争方針が示されるなど、闘う決意表明がされました。
「改憲・戦争阻止!陸自大演習反対!10.23佐世保デモへ結集を」
改憲・戦争阻止闘争からの発言では、改憲・戦争阻止!大行進・長崎の橋里さん、レイバーユニオン福岡の島本さん、改憲・戦争阻止!大行進・福岡の谷所さんから、この間の改憲と戦争を阻止する闘争報告と今後の闘争方針が示され、「10.23佐世保デモ」の行動提起がありました。
「闘う労働組合を中心とした力で社会を変えていこう」
国鉄九州動力車労働組合・羽廣委員長が集会のまとめ。羽廣委員長は「知らない労働運動を理解するために資本と闘う姿勢が重要。改憲と戦争が進められているなか、11.7集会に1万人を集める決意だ。この闘う決意に対して弾圧がかけられるのは必然だが、団結を堅持して闘う。団結と闘う労働組合の輪を広げることで、私たちのための社会がつくられる。戦争を断固拒否し、闘う労働組合を中心とした力で社会を変えていこう」と決意と行動を提起しました。
本日の集会では、「階級的労働運動を甦らせ、闘う労働組合のネットワークをつくる」ことを参加者全員が確認してお開きとなりました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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