競争・強制でなく、命と人権を守る教育を!5.7集会

「日の丸・君が代強制反対!」「戦争する国NO!」を掲げた「競争・強制でなく、命と人権を守る教育を!5.7集会」が5月7日、エルおおさか南館で開催され、131人(うちリモート参加が30人)が結集しました。

「ウクライナ戦争には、アメリカが隠れていることをしっかり見ることだ」

司会者の開会宣言後、主催者あいさつ。「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット・事務局の山田さんは「ウクライナ侵略戦争が続いている。プーチンの責任は大きいが、この戦争はアメリカが隠れていることをしっかり見ることが肝要だ。ウクライナ戦争の犠牲に、アメリカの軍事産業を儲けさせている。岸田政権や維新らの敵基地攻撃能力、核保有、改憲の暴論の世論に注意を払って取り組むことが重要だ」と戦争情勢の本質を見極めて運動に臨むことを提起しました。

「再任用拒否は違法の最高裁判決の勝利!」

続いて、山田さんから「今年の卒・入学式の状況」が報告。山田さんは「①2022年大阪での卒業式・入学式等の現状をデータで示し、②今年の卒業式・入学式での府立高校等でのビラ配布活動について。③Uさんの再任用拒否は違法の最高裁判決の勝利。④Oさん・Mさんの勝利判決を」などを資料を示して詳細に報告し、今後の行動を提起しました。

「教育は社会をどう変えたのか」

関西学院大学・人間福祉研究科教授の桜井智恵子さんの講師で「教育は社会をどう変えたのか-カメラのように思想を使う」と題する講演。桜井さんは「①教員不足。②県教委の来年度の教員採用、志願者数が採用予定人数下回る。③資本主義の社会(学校)。④一人反省会。⑤児童生徒の自殺者数。⑥個人の努力や能力で乗り越える-能力の原理。⑦教育研究における能力主義-教育の政治経済化」などをパワーポイントを使って詳しく話し、「子ども問題は開発経済の問題」と提起しました。
資本主義の社会(学校)では、「人材」政策=資源を過剰に使う開発主義・能力の開発主義。不登校・障害児・非行系の子の「取り出し」→分断・自己責任・企業参入(民営化)。「個人で一生懸命がんばろう」→余剰は資本へ。のところは興味深い話しでした。マルクス、D.グレイバー、グラムシ、アマルティア・セン、アンソニー・ギデンスなどの学説や解釈を紹介した講演が印象的でした。桜井智恵子さん著書の「教育は社会をどう変えたのか-個人化をもたらすリベラリズムの暴力」を読むことで、この講演の内容が深まることだと思います。

「大企業優位政策のIR・カジノ建設を中止・撤廃に追い込もう」

連帯アピールでは、朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪の代表者が「高校無償化・幼保無償化・緊急給付金からの排除、地方自治体の補助金停止などの朝鮮学校に対する日本政府の一連の差別政策を決して容認することはできない。裁判闘争は終わったけれど、大阪地裁での日本の植民地支配の歴史的経過を踏まえ、朝鮮学校の存在意義と民族教育の権利を認めた歴史的勝利を継承していき今後の活動に活かさなければならない」と提起しました。
荒川9中夜間中学卒業のTさんは「大阪市・天王寺と文の里夜間中学を24年度統廃合という新聞記事を見たとき、56年前の怒りにふるえた。今の大阪府・大阪市は、日本で唯一の大阪人権博物館、リバティー大阪をつぶし、小林あきら、神部博之、八木秀夫など89名の生き証人たちが開設した世界に誇る天王寺夜間中学と文の里夜間中学の統廃合は絶対に許されない。夜間中学をつぶし、識字学級を民族教育をつぶし、大阪万博へ、カジノへと突っ走るのか!歴史に学ばないものは「個も類」も必ず自滅する。夜間中学の主役は夜間中学生たち一人ひとりだ。その生命線を握っているのは夜間中学の教師一人ひとりなのだ。義務教育の完全な保障を!」と訴えました。
関西地区生コン支部の武谷書記次長は、権力弾圧への支援のお礼とこの間の闘争の成果と課題を報告。「大津地裁の公判『検察官による組合脱退勧奨』の映像が流されたことに続いき、4月26日の大津地裁公判では、不当に逮捕した仲間の取り調べで、検察官が『連帯を削っていく』などと発言し、当初から関生をつぶすことが目的だった弾圧であることが明らかになった。国家権力による弾圧を粉砕し、勝利するまで闘う」と決意表明。最後に「大阪維新の会、吉村・松井による大企業優位政策のIR・カジノ建設を中止・撤廃に追い込もう」と訴えました。

「再任用拒否国賠訴訟、控訴審で逆転勝利判決」

闘争現場の報告では、元大阪府立高校教員のUさんが「2017年再任用拒否国賠訴訟、控訴審で逆転の勝利判決」。
君が代不起立者のOさんが「政治が教育から奪ったもの、そして特別支援教育の今」。
グループZAZA・元大阪市立中学校教師のMさんが「君が代起立・不起立は、慣例上の儀礼的所作ではない。不起立を生徒の目から隠すのは子ども権利条約違反だ。M処分取消裁判への支援を」(文書の代読)。など、闘いの成果と課題、今後の闘争方針が示されました。

「この運動を若い人たちにも広げることが重要だ」

「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット・寺本共同代表から本集会のまとめ。寺本代表は「本日の集会には多くの仲間が結集してくれたことに感謝する。本集会では、抵抗することの大事さを発信することができた。この運動を若い人たちにも広げることが重要だ。引き続き、ともに闘おう」と集会を総括したあと、今後の行動を提起して集会はお開きとなりました。
ウクライナ戦争反対!岸田政権・維新の敵基地攻撃能力・核保有・改憲の暴論糾弾!命・人権より金儲け優先の維新政治を変え、民営化や競争・強制の教育でなく、共生・人権の教育を実現しよう!

ー お知らせ ー
関西地区生コン支部が展開する産業別労働運動への仲間の皆さんのご協力とご支援に感謝します。また、日頃の関西地区生コン支部弾圧への物心両面にわたるご支援に、心からお礼を申し上げます。さて、「今こそ関生魂を!!激動と根底的変革の時代を共に生きよう!6.4映画「棘2.独白」上映(主催、6.4映画「棘2.独白」上映実行委員会)が、6月4日(土)18:00から文京区民センター2Aで開催するというチラシが配布されています。
このチラシには、連帯・関西地区生コン支部と記された組合旗が、写真で掲載されていますが、この主催者団体らと、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、何ら一切関係のないことをお知らせします。
関西地区生コン支部が携わり、関与する集会などのイベントについては、当労働組合発刊の機関紙「くさり」や、当労働組合が作成するホームページの「連帯広報委員会」でお知らせしています。支援共闘の仲間の皆さんには、お間違えのないようにくれぐれもよろしくお願いします。


「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.72 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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