「関生弾圧を考える神奈川の会」第2回総会

「関生弾圧を考える神奈川の会」第2回総会が6月12日、横浜市技能文化会館で開催され、42人の闘う仲間が結集しました。

「岸田政権の弾圧をはね返す闘いをつくろう」

合同労組かながわ書記次長・荒池さんの司会で第2回総会が開会。神奈川の会・実行委員の吉田さんが開会あいさつ。吉田さんは「60年安保闘争に学び、自治労の書記長時代、国鉄分割民営化に反対する運動に全力を尽くしてきた。関生弾圧により、月刊労働組合が休刊に追い込まれ、社会保障が解体されつつある。労働者を搾取し弾圧する岸田政権に対して、職場・地域から人の尊厳を守る闘いが必要だ。第2回総会を成功させて、地域と職場が連携し、岸田政権の弾圧をはね返す闘いをつくろう」と行動を提起しました。

「戦争を止めるのは、闘う労働組合の団結と行動しかない」

関西地区生コン支部・武谷書記次長から闘争報告。武谷書記次長は、この間の関生弾圧に対して、物心両面の支援にお礼を述べ、戦争と改憲を阻止するために関生支部は先頭に立って闘うことを表明しました。全国の仲間の結集により「5.28関生支部総決起集会」が大成功したこと、決起集会直後の近江アサノ解雇事件の控訴審の成果と背景資本・セメントメーカーへの抗議行動を報告。刑事事件では、加茂生コン事件を含めて2件の無罪判決の成果や大阪広域生コン協組が主導する、生コン各社の不当労働行為事件では、10数件に及ぶ労働委員会闘争での勝利を報告しました。
ストライキを威力業務妨害など刑事事件とした大阪高裁の不当判決や和歌山地裁の不当判決については、「上告・控訴して争う。審理中の滋賀事件、京都事件も含め、すべての無罪判決を勝ち取るために全力を尽くす」と闘争方針を示しました。
また、1月の大津地裁の公判で「検察官による組合脱退勧奨」の映像が流されたことに続いて、4月の大津地裁公判では、不当に逮捕した仲間の取り調べで、検察官が「連帯を削っていく」などと発言したことに、武谷書記次長は「当初から関生をつぶすことが目的だった弾圧であることが明らかになった」と弾圧の本質を述べたあと「国家権力による弾圧を粉砕し、勝利するまで闘う」と決意を表明しました。
労働現場の闘争では、大阪・奈良・兵庫などで、関西労組交流センターの仲間と共同行動を闘ったことで、成果があがりつつあることが報告されました。
港合同の先輩たちの闘いに学ぶ、背景資本や取引先への行動や、労働委員会の勝利命令を武器として有効活用する闘いを報告し「引き続き、関西労組交流センターの仲間をはじめ支援労組との共同行動を具体的に展開して、解雇撤回を含めたすべての権利侵害反対闘争に勝利するまで闘う」ことを表明しました。
6月7月には、不当労働行為企業への集会デモを予定しており、引き続き、8月、9月、10月と現場行動と集会デモを闘い、「11月の日比谷・労働者集会に挑む」と闘争方針を示したあと武谷書記次長は「大阪広域生コン協組の組合つぶし、それに便乗した警察・検察による権力弾圧は、最終的には、ストライキをはじめとする大衆行動で決着をつける」と、引き続きの支援を要請しました。
維新の会、吉村・松井による大企業優位政策のIR・カジノ建設を中止・撤廃に追い込む闘いが提起されました。神奈川県川崎市の生コン企業の生コンの不正な再利用の報道について、武谷書記次長は「生コンの品質確保など、関生支部が展開してきたコンプライアンス活動の正当性と、利他的な運動が明らかになった。関生支部の一面共闘、協同組合運動の必要性が確認できると思う」と述べ、「神奈川のみなさん、このチャンスを活かして生コン産業の労働者を組織しよう」と組織拡大の行動が提起されました。
最後に、武谷書記次長は、「現場の労働者に見える具体的な行動をしよう。組織拡大活動と現場行動は両輪だ。動労千葉、港合同、関西生コンの3労組が呼びかける『闘う労働組合ネットワークをつくろう! 11月労働者集会』は25年目を迎える。戦争を止めるのは、闘う労働組合の団結と行動しかない。組織拡大と現場行動を闘い、11月集会に1万人の結集を勝ち取ろう」と日比谷への結集を呼びかけて闘争報告を終えました。

「関生支部新執行部体制のもと、ねばり強く闘い続ける現場の組合員と連帯し、関生支部を支援する」

神奈川の会・品川事務局長から「経過・情勢・方針」が提起されました。品川さんは「経過として、この間の神奈川の会の運動を報告。情勢では①関生支部組合つぶしに対する、解雇、裁判闘争、労働委員会闘争の闘い。②2022年版経営労働政策特別委員会の批判。③1月17日、国会開会の施政方針演説批判~5月31日『骨太の方針』批判。④岸田政権による『国防』をあおり、憲法審査会定例化、沖縄・琉球弧諸島-日本列島の戦場化に反対。⑤日米会議で、岸田首相は、防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する。⑥沖縄・琉球弧-日本列島が戦場となる危険性は一層深まった」などを詳細に提起しました。そして、「①関生支部新執行部体制のもと、ねばり強く闘い続ける現場の組合員と連帯し、関生支部を支援し、地域で闘う労働運動を再建し、闘う労働組合のネットワークづくりにむけて先頭で闘う。②闘う労働運動を再建し、労働者と市民の力で日米政府による中国との戦争に反対する。また、沖縄の闘いに連帯し、改憲阻止、反戦・反基地闘争などに積極的に参加する。③当面の具体的行動は、『中労委は早期に実効性ある救済命令交付を求める要請署名』に全力で取り組む」との運動方針を示して「経過・情勢・方針」を提案しました。

「今年高卒の新職員が労組に加入」

関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会からの総会メッセージが紹介されたと、会計報告。続いて、質疑・討論に入りました。「職場での権利獲得と職場闘争」をテーマにした討論では、合同労組かながわからは「川崎市の生コン企業・小島建材へのオルグ活動の報告」。相模更正会従業員組合からは、病院法人側による「警察を介入する」との警告書の実態。学校事務職員の女性活動家からは「今年高校を卒業したばかりの職員が労組に加入したこと」など現場の闘いや組織拡大に至る経過などが報告され、活発な議論が展開されました。

「関生の闘いに近づく闘う労働組合ネットワークをつくる」

神奈川の会・共同代表の高梨さんが討論の集約。高梨さんは「神奈川の会は、関生の闘いに学び、職場・地域で闘う労働組合をつくろうと結成した。『戦争はしかたない』などの空気が蔓延し、労働組合の組織率が低下しているのは、闘う労働組合が少ないからだ。おかしいことは、おかしいと声を上げなければいけないと、周りの人たちと共有できるかどうかが問われている。労働組合への呼びかけ、労働組合としての闘いを示すことが重要だ。戦争に向けた動きが強まるなか、労働者が戦争を止める、戦争反対のゼネストができるか。労働組合の団結が、職場・地域でつくられているか。闘う労働組合が必要だ。関生の闘いに近づく闘う労働組合ネットワークをつくる。そのためにも、まずは足下から、職場・地域で労働組合を、団結をつくりあげよう!」とまとめと闘う労働組合ネットワークづくりの行動を提起しました。

「ここから前に進もう!」

神奈川の会・共同代表の船木さんが閉会のあいさつ。船木さんは「本総会は、関生をはじめ闘う労働組合の現場闘争や成果が報告され、討論では活発な議論が展開できた。課題と展望を共有しよう。私たちには、共闘の強化が求められている。ここから前に進もう!」と共闘強化が提起されました。最後に、参加者全員の「団結がんばろう!」で総会はお開きとなりました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目 労働運動を〈犯罪〉にする国
「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.74 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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