大津第一事件控訴審判決「デモ&集会」
「大津第一事件控訴審勝利判決を! 裁判所グルグル包囲デモ」(主催、労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会)が11月18日、西天満若松公園で開催され、133人の労働者・市民が結集しました。
「大津第一事件、控訴審判決」
大津第一事件と言われる、関生支部の組合活動(コンプライアンス活動)を威力業務妨害や恐喝などとした刑事事件に対して、大津地裁は2023年3月2日、湯川委員長に実刑4年、他の執行委員や組合員に懲役3年から1年(執行猶予)の判決を言い渡したました。その事件の控訴審判決が11月18日、大阪高裁大法廷で開かれました。
「裁判所グルグル包囲デモ」
控訴審判決の前段には、反弾圧実行委員が呼びかけた集会・デモに多くの労働者・市民が集まりました。 関生支部・西山執行委員の開始宣言でデモ行進はスタート。大阪地裁・高裁をぐるっと一周するコースです。横断幕を先頭に、旗や幟がはためき、関生支部・赤川執行委員がリードする力強いデモコール。133人のデモ行進は、裁判所周辺を通行する市民らの注目を集めました。
「大阪高裁に正当な判決を出させよう」
控訴審判決前の集会は、全港湾大阪支部・横山副委員長の司会でスタートしました。横山副委員長は「本日、無罪判決を必ず勝利する集会にしたい」と開会宣言。そして、労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会(全港湾大阪支部・執行委員長)の小林代表が主催者挨拶。小林代表は結集した仲間に感謝を述べたあと、「本日は、大津第一事件への正当な判決を出させるための集会デモだ。関生支部の産別運動、正当な組合活動を刑事事件にしていることがおかしいことだ。この間、無罪判決が相次いで出されてる。本日の行動で大阪高裁に正当な判決を出させよう」と行動を提起しました。
「どんな判決が出されても、関生支部は不退転の決意で挑んでいく」
横山副委員長のカンパアピールのあと、当事者の関生支部・湯川委員長が登壇。湯川委員長は、日頃の関生弾圧への支援に感謝を述べたあと「本日の控訴審判決は、関生のみならず日本の労働運動に大きく影響を与えるものだ。コンプライアンス活動は法律を守らせる活動であり合法なのは言うまでもない。労働法学者の意見書を裁判所は採用しているが安心はできない。一番のポイントは、関生が行う建設現場の安全確保を目的としたコンプライアンス活動を労働組合活動と見るのか、レイシストらが言っているお金を取るための活動と見るのかが裁判所に問われている。強者のための社会に抗い続けることで世の中をまともに変えていきたい。どんな判決が出されても、関生支部は不退転の決意で挑んでいく」と決意表明しました。 続いて、関生支部・山本執行委員をはじめ3人の当事者が「本日の判決がどうなろうと、産業別労働運動を闘っていく」などと、挨拶と決意を述べました。
「完全無罪を勝ち取るぞ」
全労協・南議長がリードするシュプレヒコール。「裁判所は憲法28条を守れ!」「裁判所は労働法に基づいた判決を出せ!」「完全無罪を勝ち取るぞ!」「すべての弾圧を跳ね返すぞ!」「団結して闘おう!」などの参加者全員のコールが西天満若松公園周辺に響き渡りました。
「負けるわけにはいかない、無罪判決を勝ち取ろう」
集会参加者のスピーチでは、反弾圧京滋実行委員の稲村共同代表は「一審は信じられない判決だった。しかし、負けるわけにはいかない。足かけ8年の闘いで獲得した、ビラまき事件、京都事件と同様に無罪判決を勝ち取ろう!」と発言。 続いて、反弾圧兵庫の会代表者が「兵庫県下においてこの運動を広げなけらばならない。全力をあげて共に闘う」。反弾圧東海の会の代表者が「名古屋の繁華街で月1回の街宣を取り組んでいる。2.26京都事件勝利を再現しよう」と発言しました。
「各労組・団体からの連帯挨拶」
そして、各労働組合や団体からのスピーチです。全港湾・神戸支部、大阪全労協、港合同、なかまユニオン、ゼネラルユニオン、関西合同労組、きょうとユニオン、武庫川ユニオン、連帯ユニオン近畿地区トラック支部、ケアワーカーズユニオン、印刷関連ユニオン、ZENKO、朝鮮総連、社民党大阪の代表者から連帯の挨拶がありました。
「一部無罪、不当判決」
約20分遅れで控訴審判決言い渡しが開廷しました。そして、関生支部・七牟禮副委員長と荒川執行委員が裁判所正門前の歩行者道路に出て、「一部無罪判決」「不当判決」と記された紙旗を掲げました。 大阪高裁は、湯川委員長は、大津地裁判決を破棄、タイヨー事件(恐喝罪)は無罪。コンプライアンス活動(威力業務妨害罪)は、懲役3年執行猶予5年(一審は懲役4年実刑判決)。 山本執行委員を含む3人の組合員は、控訴棄却(懲役3年から1年、執行猶予4年から3年)の判決を言い渡しました。 大阪高裁は大津地裁判決を破棄したうえで「正当な組合活動とはんだんされうる場合もあるが、関生支部の今回の行為は生コン供給契約をアウトからイン(協組)に変えさせるための圧力行為だから、社会通念に照らしてみても組合活動として正当と評価すべき程度を超えている」などと判示しました。
「コンプラ事件は、検察官の言い分通り全部有罪といった判決」
報告集会では、弁護団の永嶋弁護士は、「湯川さんは原判決破棄。恐喝の証拠もないだろうということで大津地裁の有罪の原判決が破棄されてタイヨー事件は無罪。湯川さんの大津地裁の原判決が懲役4年だったところ、懲役3年、執行猶予5年の判決となった。ただ全体的なところで残念だったのは、フジタ・セキスイ・日建・東横のコンプライアンスの事件は検察官の言い分通り全部有罪といった判決となったことだ」と総括しました。
「労働者の安全を第一に考えてコンプラ活動を続けていく」
関生支部・山本執行委員は、「コンプラ活動が全く認められなかったところが残念だ。湯川委員長のタイヨー事件で無罪は評価したい。コンプライアンス啓蒙活動の正当性が認められるのは最高裁なのかなと思っている。高裁でも有罪判決となったが、産業別労働運動を進めていく。建設現場で働いている労働者や生活している市民の方々の安全を第一に考えて、私たちはコンプライアンス啓蒙活動を続けていかないといけない」。
「判決を受けて運動を縮小することなく、運動の正当性を拡大させていく」
関生支部・湯川委員長は、「判決は、懲役3年執行猶予5年だった。(タイヨー事件)無罪を手放しで喜ぶことはできない。和歌山広域事件の裁判官のように、コンプライアンス活動にも無罪を出してくれると思ってたが、大津第2次事件や前委員長の判決のバランスを考えて踏み込んだ判断が出せなかったのでは。産業別労働組合の活動を全く理解されていないのか、理解しようとしていないのか、認めないのかというような内容だ。今後の労働組合活動が懸念される。例えば、法令遵守は威力業務妨害罪、ストライキは企業内労組だけが認められるという、団結権・団体交渉権・団体行動権、労働三権の解釈を縮小するような、労働組合にとって危機的な状況にあるのではないかと。だからといって私たちのスタンスは変わらない。最高裁に上告する。そして、弁護団や学者から知恵を授かって、しっかり産業別労働組合はゼネストもするし法令遵守の活動も拡大させていかなければならない。私が収監されるという危機はなんとか免れたが、正当な組合活動としての評価がされていない。今回の判決を受けて運動を縮小することなく、運動の正当性を拡大させていく」と今後の運動方針を提起しました。
「権力弾圧粉砕に向けて共に闘おう」
最後に、関生支部・西山執行委員が「湯川委員長の『関生支部は今後も運動を拡大していく』ことを確認して、みなさんと共に闘っていきたいと思います。そして、東京地裁で棄却された『国賠訴訟』の控訴審も闘います。仲間のみなさんには、引き続きご支援をよろしくお願いします。今日はありがとうございました」と控訴審判決公判と集会デモのまとめを提起して、本日の行動はお開きとなりました。 本日の集会デモ、判決公判の傍聴に駆けつけてくれた、多くの仲間のみなさん、長時間の行動参加をありがとうございました。お疲れさまでした。
11月18日 関生弾圧で21件目の無罪、湯川委員長の実刑判決を取り消す〜湖東協コンプライアンスは有罪、労働組合活動の刑事免責を認めず レイバーネット ココをクリック
真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
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増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たちこの映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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