再審無罪の教訓、近代的な司法制度を確立しよう 前編

大津地裁は3月31日、殺人罪で服役後に再審請求が認められた元看護助手の女性に無罪判決を言い渡しました。事故だった可能性が高いとして殺人容疑そのものを否定したのです。弁護側の主張をすべて認めた判決を言い渡したあと、裁判長が元看護助手に「この事件は日本の刑事司法を変えていく大きな原動力になるでしょう。すべての刑事司法関係者がこの事件を自分のこととして受けとめ、改善に取り組まなければなりません」と語りかけたことが注目されました。捜査した警察や起訴した検察、有罪を言い渡した裁判所、そして弁護士まで含めた全ての関係者に改革を訴えました。

「2度の刑事司法改革は実現せず」

平成の時代には、裁判への市民参加や被疑者の国選弁護士の拡大、証拠開示制度などが導入されました。さらに、検察不祥事を受けた改革では、証拠リストの交付や裁判員裁判対象の取り調べの録音・録画の義務づけが実現するなど、2度にわたって刑事司法改革が行われてきましたが、今回の再審無罪判決は、これらの改革が実現しないどころか、無視されてきた重要な課題が明らかになりました。

「学者の問題提起」

成城大学教授の指宿信さん(刑事訴訟法)は、「これを機に、改革すべき喫緊の課題を挙げておきたい」と5つの問題を提起しています。
第一は、「取り調べへの弁護人立ち会い」。今回の事件では被疑者が否認の意思を弁護人に伝えると、それを覆そうとする取り調べの実態が明らかになった。弁護人が立ち会えばそうしたことはできなくなる。
第二は、「録音録画の全ての事件への拡大と、任意取り調べでの実施」。30年以上前に取り調べの録音を始めた英国では、2013年から任意取り調べも録音録画している。
第三は、「関連する全証拠の検察官への送付義務と、被告側への全面事前開示」。今回の事件でも患者の死亡理由に関する捜査報告書が公判前に送検、開示されていれば事故死と判断されていたかもしれない。
第四は、「再審請求審での証拠開示手続きの整備」。患者の死亡理由に関する捜査報告書が早期に開示さていれば女性は服役中に再審無罪を手にできたかもしれない。
第五は、「死因究明制度の確立」。事故死を事件に仕立てた捜査の誤りは、近年再審無罪となった大阪の女児保険金目的殺害事件でも明らかになっている。独立した死因究明機関の確立が急務。

…後編につづく

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
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労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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