警察、検察、裁判所を糾弾し、賠償を求める行動を
国連人権理事会の「恣意的拘禁に関する作業部会」は11月23日までに、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の日本での勾留について、「4度にわたる逮捕と勾留は基本的に不当だ」などとする意見書を公表しました。
「日本政府はゴーン氏に賠償すべき」
日本で130日近く勾留されたカルロス・ゴーン被告について、国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会は、「必要とも妥当とも言えず、カルロス・ゴーン被告の人権を侵害した」と東京地検を厳しく批判し、適切な救済策として「日本政府はカルロス・ゴーン氏に賠償すべきだ」と指示しています。
「4回の逮捕は勾留を引き延ばすため」
ウェブサイトに掲載された国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会の報告書は、「ゴーン被告の勾留期間を引き延ばすため4回にわたって逮捕した決定は『根本的に不公平だ』と断じており、拷問およびその他の残虐・非人道的または屈辱的な処遇の問題を取り扱う国連特別報告者にこの件を報告する」としています。
「司法の権限を越えた手続きの乱用」
国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会は「ゴーン被告に対する逮捕の繰り返しは、勾留を確実に継続するための手続きの乱用と見受けられる」「期間が異なるだけで同じ嫌疑について少なくとも2度逮捕された」として、「逮捕・勾留の繰り返しは国際法に基づく法的根拠を一切持ち得ない、司法の権限を越えた『手続きの乱用』だった」との見解を示しました。
「公平な権利を否定した不当な扱い」
カルロス・ゴーン被告の弁護人は、国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会の判断について、「ゴーン被告の勾留が恣意的なものであり、公平な司法に対する権利を否定され、扱いが不当であり、屈辱的であったことを紛れもなく認めるものだ」との声明を発表しました。
「外務省は異議申立。法相は、恣意的拘禁に当たらない」
外務省は11月23日、事実誤認があることなどから国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会にカルロス・ゴーン被告について採択された意見を「完全に拒絶する」とのコメントを発表し、11月20日付で異議を申し立てました。
また、上川陽子法相は11月24日、「ゴーン被告に対する措置は恣意的拘禁に当たらないとし、国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会の意見は日本として到底受け入れらるものではなく、大変遺憾だ」と述べました。
「勾留に関するもので、逃亡についてではない」
今回の報告はカルロス・ゴーン被告の勾留に関するものであり、「日本からの逃亡についてではない」と国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会は、明確にしたうえで、「あのような出国に対して、許されるもしくは何かしらの正当性が与えられると解釈されるべきではない」と説明しています。
「警察、検察、裁判所を糾弾し、賠償を求める行動を」
関西地区生コン支部への刑事弾圧では、武委員長が6回の逮捕、湯川副委員長は8回も逮捕され、2人とも1年9ヶ月(640日超)の勾留を強いられました。
今回の国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会の意見書を見れば、武委員長と湯川副委員長の複数回にわたる逮捕と長期の勾留は不当で、恣意的拘禁に当たります。
私たちには、日本政府、警察、検察、裁判所に対して、国際法に違反する司法の権限を越えた「手続きの乱用」を糾弾し、賠償を求める行動が求められています。
街頭宣伝やビラ配布、SNSの活用などを含めたあらゆる行動を展開しましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
OURPLANET(動画)「労働組合の自由を奪われた」関西生コン労組が国賠訴訟←ココをクリック
IWJ 国家賠償請求提訴についての記者会見 2020.3.17←ココをクリック
関西生コン労組、違法捜査と国など提訴 執行委員長ら恐喝容疑巡り「長期勾留は恣意的」 2020年3月17日 20:42 京都新聞←ココをクリック
大阪府労委で組合側の完全勝利命令!←藤原生コン運送不当労働行為事件
またもや、組合側勝利命令!←吉田生コン地位保全等仮処分申立事件
吉田生コン分会1名が職場復帰を果たす!PDF
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が12月10日発刊される。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
今年も残り少なくなりました。皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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