関西労組交流センター「メーデーデモ」
「闘う労働組合が今こそ必要だ!」を掲げた、関西労組交流センター主催の「メーデーデモ」が5月1日、扇町公園南西広場で開催され、120人超の闘う仲間が結集しました。
「本日のメーデーを共に闘おう」
集会は、大阪市職の赤田さんの司会で開会。赤田さんは「医療崩壊は維新の会による人災だ。本日のメーデーを共に闘い、菅政権や維新政治を終わらせよう」とあいさつしました。
「戦争を絶対に阻止し、改憲に向かう菅政権や維新の会を打倒しよう」
関西労組交流センター代表の木下さんからの基調報告は次の通り(要旨)。
「本日は1年に1度、労働者が団結して声を上げ、労働者の権利を勝ち取る闘いの日『メーデー』だ。大阪府には3度目の緊急事態宣言が発出されている。昨年のメーデーも緊急事態宣言のなか、『改憲・戦争阻止!大行進・関西』のメーデーに合流した」。
「コロナ禍のなかで、10万人以上の労働者が解雇されており、女性の実質的失業者数は100万人を超え、2回目の緊急事態宣言の間に14%増えている。一方で、超富裕層と呼ばれる資本家らは、資産を48%も増加させ、総額は27兆円にも上っている。これだけあれば、どれだけの医療が確保され、どれだけの労働者の生活が守れたか」。
「コロナ危機が深まるにつれて、政治家らは、またもや戦争によって、その支配を延命させようとしている。菅政権は、ゴールデンウィーク明けに国民投票法を衆院で通過させる方針を明らかにした。自民党や維新の会は、コロナ感染拡大を改憲に利用することしか考えていない。吉村知事は昨年12月、意味のない医療現場への自衛隊派遣を決定し『今こそ9条改憲を』と呼びかけ、この4月23日に緊急事態宣言の発令が決まると同時に『個人の自由の制限』まで主張し始めた」。
「この動きは、全世界的な戦争につながろうとしている。バイデン米大統領の施政方針演説には、中国の習近平体制について『独裁者』と批判し、米中の間で激しい緊張感が生まれている。すでに台湾有事に伴った軍事作戦が立てられ、4月16日の日米首脳会談でも対中姿勢を強めている」。
「資本家や政治家らはコロナ対策など全くやる気がない。利権と支配体制の維持のためにコロナ禍を利用して、戦争政治によって延命しようとしている。労働者が団結して、腐敗した資本家や政治家を打倒し、職場と社会を奪い返さない限り、コロナ危機を乗り越えることも戦争を止めることもできない。労働者の団結があれば、社会のあり方は必ず変えられる。今春闘では、医療福祉労働者を先頭に、日本各地でストライキが復権され、労働組合に多くの仲間が結集し始めた。ミャンマーでは数百万人の労働者が『沈黙のストライキ』を武器に、命がけで社会をストップさせて軍政と闘っている」。
「昨年、あれだけ『改憲』を叫んでいた安倍政権は労働者階級の怒りの決起に追い詰められ打倒された。事前の世論調査では圧倒的多数派を確保していた大阪市廃止の住民投票も、2ヵ月間の職場・地域での反対運動によって団結が拡大し、勝利を収めた。最近おこなわれた衆参補欠選挙でも自民党は全敗するなど、菅政権や維新の会などの日本の支配体制は完全に崩壊している」。
「改めて、階級的な労働運動の復権こそが、この社会を変える最大の攻防点であることをはっきりさせよう。とりわけ、医療福祉労働者の職場からの決起が、コロナ危機の中で社会変革の号砲となっている。昨年2波のストライキに立った舟橋二和病院労働組合の闘いを引き継いで、今春闘では高槻医療福祉労働組合の仲間がストライキに立った。八尾北医療センター労働組合の闘いは、地域医療を守り抜く団結の中心軸としてますます発展し、4月21日には『遺伝子ワクチンではなく公的医療の拡充を!』と題して、大阪府への申し入れ行動が取り組まれた。こうした闘いは、瞬く間に全国に広がり、闘いのバトンがつながれている」。
「労働者は一度闘い始まれば、階級的な団結を甦らせ、この社会を根底から変革する力を持つ。その労働組合の力に恐怖するからこそ、関西地区生コン支部の仲間に対する弾圧、何よりも武委員長への求刑8年という重罰化攻撃は、敵の恐怖の表れだ。資本家らからすれば、労働組合の闘いは『殺人罪』と同等ということに他ならない」。
「だからこそ、私たちの回答は、全ての職場に労働組合をつくり、関生支部のように『資本主義の根幹を揺るがす闘い』に打って出ることだ。1987年の国鉄分割・民営化攻撃に対して『労組破壊の先は改憲と戦争だ』と言い切って、全国で起ち上がった労組活動家が作ったのが、労組交流センターだ。どんなに少数であっても、原則を曲げず闘えば、必ず労働者階級の決起が始まると言い続けてきた。この労組交流センターの闘いの旗が、今ほど求められている時はない。人間の命よりも金儲けが優先される社会をきっぱりと拒否し、人間が人間らしく生きられる社会を労働者階級自身の手で取り戻そう。戦争を絶対に阻止し、改憲に向かう菅政権や維新の会を打倒しよう」。
「そのために団結を固め、直ちに闘いにはいることを共通の決意として、本日のメーデーを取り組みたい。共に闘おう」。
「武委員長への懲役8年という不当な求刑を弾劾」
関生支部・武洋一書記長は、「本日のメーデーでは、武谷書記次長と行動を共にできることになった。労組交流センターをはじめとする仲間の支援行動によって、保釈条件の変更を勝ち取ったことに感謝する。ストライキは威力を用いることが許されている労働組合の権利なのに、裁判所は、ストライキが犯罪だという不当な判決を出している。検事による、武委員長への懲役8年という不当な求刑を弾劾する。建交労は、昨年12月に経営側と賃金や年間休日を引き下げることに合意するなど敵の狙い通りとなっている。しかし、関生支部は今春闘では、1万円の賃上げを集団交渉で勝ち取った。医療福祉の仲間たちのストライキで闘う姿に感銘を受けた。大阪広域生コン協組を本来のあるべき姿に戻し、労働現場では原則の闘を堅持し、権力弾圧を粉砕し、勝利するまで闘う」と闘争報告と決意を表明しました。
「遺伝子ワクチンではなく公的医療の拡充を!」
八尾北医療センター労働組合・東さんは「新型コロナ感染拡大について、『遺伝子ワクチンではなく公的医療の拡充を!』求めて大阪府庁に抗議と申し入れを行った。今こそ、新自由主義と闘う反撃のチャンス。菅政権、維新の会を打倒しよう」。
全学連の学生からは「京大当局による不当な処分は、関生弾圧と同じだ。この不当処分を撤回させる闘いで、学生自治を確立する。学生自治会が学生の団結で自由を勝ち取るまで闘う」と現場の闘争報告と今後の闘争方針が示されました。
「菅政権と維新を倒そう!」
扇町公園を出発したデモは、梅田の東通りなど繁華街を旗や幟、太鼓のリズムと「コロナ解雇許すな!団結して闘おう!ワクチンではなく公的医療の充実を!関生支部への労組弾圧粉砕!改憲・戦争阻止!菅政権と維新を倒そう!」などのシュプレヒコールに、繁華街周辺の多くの市民に注目を浴びました。最終地点のナビオ前で、関西労組交流センター代表・木下さんのまとめと団結ガンバローで、本日のメーデーデモを締めくくりました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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