労働組合破壊は戦争への道~連帯労組関生支部への弾圧を許さない「10.17堺労働者集会」
関西合同労働組合・泉州支部が主催する「労働組合破壊は戦争への道~連帯労組関生支部への弾圧を許さない」10.17堺労働者集会が10月17日、堺市総合福祉会館・第2会議室で開催され、多くの闘う労働者が結集しました。
集会には、堺市市議会議員・ふちがみ(渕上)猛さんが参加。連帯ユニオンからは、関西地区生コン支部・大阪Cブロック(旧・阪南ブロック)と武谷書記次長の3人が参加しました。
「関生を支援し、弾圧粉砕に向けて共に闘っていこう」
関西合同労働組合・泉州支部の西村さんの司会で集会は開会。西村さんは「労働組合弾圧は、戦争への道だ。戦争協力をさせないために、闘う労働組合の行動が求められている。関生を支援し、弾圧粉砕に向けて共に闘っていこう」と開会あさいさつをされました。
「傍観していたことに反省し、関生支部と共に闘う」
ふちがみ猛堺市議は、連帯あいさつで「関生支部とは、国会議員の秘書時、前堺市長の秘書時のカバン持ちのときなど長きにわたり関わってきた。ナチスの迫害時、牧師さんの有名な言葉があるが、関生への異常な弾圧は、まさに迫害だ。この関生弾圧に対して、市民や労働組合の大半が傍観している。私自身も傍観していたことに気づき、深く反省している。これからは、関生支部と共に闘っていく」と関生支部への弾圧に共に闘うことを表明しました。
「不当労働行為企業を許さない取組を共に進める」
また、ふちがみ堺市議は「今年の7月に、関生支部・阪南ブロックの要請を受けて、『不当労働行為企業の公共事業参入について』の堺市への申し入れに同行している。堺市の回答は、つれないものであったが、不当労働行為が認定された企業が、公共事業の契約課などに知れ渡ったのは一定の成果だ。今後の取り組みとしては、議会で取り上げて、広く知らしめていく。労働組合法違反の不当労働行為企業を『下請けだから指導できない』ことを許していれば、その下請けは、元請けを隠れ蓑にして、税金が投入されることになる。不当労働行為企業を許さない取り組みを、みなさんと共に進めていきたい」と、下請けであっても不当労働行為企業を許さない取り組みを進めること話されました。
「関生支部は、湯川新委員長のもと組合員全員が団結し、大阪広域生コン協組の組合つぶし、産別運動つぶしの権力弾圧を粉砕し、勝利するまで闘うことを確認した」
関生支部の武谷書記次長は、日頃の関生弾圧への物心両面の支援にお礼を述べたあと「10月10日の関生支部定期大会で、湯川裕司新執行委員長を選出し、新たな体制が確立された。関生支部は、湯川新委員長のもと組合員全員が団結し、大阪広域生コン協組の組合つぶし、産業別労働運動つぶしの権力弾圧を粉砕し勝利するまで闘う決意を確認している。引き続きの支援をお願いする」と関生支部の新体制確立の報告と勝利するまで闘う決意を表明しました。
「関生支部・大阪Cブロックの分会長が発言」
関生支部・大阪Cブロック(旧・阪南ブロック)の職場分会長から発言がありました。分会長は「みなさんのご支援、ご協力に深く感謝する。本日の集会に参加して、これからも頑張っていくことを確認した。今後も支援をお願いする」と支援のお礼と決意を表明しました。
「組織拡大の実践で、業界全体の労働条件向上と安定を目指す」
関西合同労働組合の女性執行委員は、「私は2017年に関西合同労組に加入した。だから関生支部のミキサーパレードを直接、見ていない。関生支部のミキサーパレード開催を待ち望んでいる。労働組合づくり、すなわち組織拡大によって、職場だけでなく業界全体の労働条件が向上し安定する。闘う労働組合の現場行動と組織拡大が重要だ。仲間の皆さんと共に闘う」と組織拡大を実践して、業界全体の労働条件安定を目指すとの決意が表明されました。
「関生弾圧を自らのことと捉えて闘おう」
関西合同労働組合・泉州支部の中川書記長は「関生支部の2017年ストライキでは、堺と高石のスト現場に差入れを持っていった。2015年に運賃値上げを合意したことを遵守しないからストライキを打ち抜いた。そのことが威力業務妨害などの刑事事件にすることを許してはいけない。関生支部の仲間のすべての無罪判決を勝ち取るために共に闘う」と、無罪判決を目指して関生支部との共闘を表明。
また、中川書記長は「陸上自衛隊の演習に、JRが戦車を輸送した。闘う労働組合があれば、こんなことは許さない。闘う労働組合をつぶすのは、戦争に協力させるためだ。関生支部の2010年のストライキなどを権力が放置してはいけないと、闘う労働組合を弾圧している。関生弾圧を自らのことと捉えて闘おう」と、弾圧粉砕の闘いを呼びかけました。
「新体制が確立し、次の闘いに向かってる関生支部と共に闘う」
本集会のまとめが、関西合同労働組合・山口書記長から提起されました。山口書記長は「関生支部の新体制を関西合同労働組合は強く支持する。関西合同労働組合は、関生弾圧を自らにかけられた攻撃として全力で闘ってきた。泉州・堺地域では、昨年の12月と今年の4月に集会・デモを開催し、大衆行動を組織した。また、和歌山事件には泉州支部が担当となってすべての公判の傍聴に参加し、関生支部と共に闘っている」と、現場闘争を報告しました。
また、山口書記長は「関生支部の産別運動の前進が、資本と権力が脅威を与え、関生支部に打撃を与えたのが今回の弾圧だ。しかし、関生支部には、現場の組合員がいる。本集会にも現場の組合員が結集している。新体制が確立し、次の闘いに向かっている関生支部は、力関係をひっくり返すのみだ。関生支部弾圧を粉砕し、勝利するまで共に闘う」と、関生支部との共闘を強化し、勝利するまで闘う決意を表明して本集会を締めくくりました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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