第一次・大阪ストライキ事件控訴審 大阪高裁

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が1月31日、大阪高裁で開かれました。第一次・大阪ストライキ事件の第1回控訴審です。

「弁護団、原判決の破棄を求める」

大阪高裁・大法廷で開かれた「大阪ストライキ事件(第一次)」の第1回控訴審は、被告人とされている7人の仲間の人定質問の後、審理に入りました。
弁護人らは「原判決の破棄を求める」と発したあと、控訴趣意書の要点を述べました。「大阪港SSでのストライキは、関生組合員が車両の横側の運転席側でストライキ協力の説得活動を行っており車両を止めておらず、危害も加えていないし、制圧も行っていない。車両が止まったのは、ストライキを事前に知っていたセメント輸送会社の社長の指示で従業員らが車両の前に集合するなど想定内だったからだ」「T生コン社では、生コン運搬の全量を委託していた輸送会社の労働者の雇用を守るために就労を求めたことで違法性はない」など、「原判決は誤りであり威力業務妨害に当たらない」ことを主張しました。

「ストライキは、労働組合の当然の行動である」

また、弁護人らは「生コンの価格が上昇したことから、セメント・生コン輸送の運賃値上げを求めることは、輸送会社で働く労働者の条件改善のためであり、ストライキの必要性があることは十分な理由である。ストライキは労働組合の当然の行動である」と主張しました。

「1976年、全港湾の南港ゼネスト刑事事件は、産別ストライキが認定された」

さらに、弁護人らは、「そのセメント輸送会社に関生支部の組合員がいないとしても、関生支部は、産業別労働組合であり、産業別労働運動を展開している」として、「鉄道労働者や港湾労働者のストライキは罰金刑だった。産別労組の港湾労組に一定の理解を示している」と量刑の不当性を主張するなど、1976年の全港湾の先輩たちによる南港ゼネストが刑事事件となったが5万円の罰金刑であったことは、「労働組合の団体行動権や憲法の労働基本権の理解を得た判決になっている」(判決文では、全港湾の産別ストライキが認定されている)ことの例をあげました。

「憲法28条の労働基本権であり、労働組合活動だから原判決の破棄は免れない」

そして、弁護人らは最高裁の判例を引用し、「共謀共同正犯に当たらない」ことを述べました。最後に、弁護人らは「威力業務妨害の構成要件に該当せず、現判決は、法令適用を誤っている」「憲法28条の労働基本権であり、労働組合活動であることから現判決の破棄は免れない」と控訴趣意書を締めくくりました。

「取り調べ、学者の意見書など産別労組の活動など重要なもの」

検察側の主張で検察官は、「理由もなく、棄却されるのが相当だ」と主張しました。続く、証拠の取り調べの検討で検察官は、弁護側の証拠5点について「不同意」とし「証人の取り調べの必要はない」と述べました。
弁護側は「学者の意見書など産別労組の活動など重要なものであり不可欠であることから、取り調べをするべき」と主張しました。

「裁判官、証拠の取り調べの必要性はないと判断」

しかし、裁判官は「必要性がないと判断する」と弁護側の証拠の取り調べを却下しました。この裁判官の判断に弁護側は「異議」を唱えましたが、裁判官は弁護側の異議を却下し、「よく踏まえた判断をする」と述べました。
最後に裁判官が「5月23日、判決言い渡し」と述べて第1回控訴審の審理は閉廷しました。

「悪法は運動で変えていく。産業別運動を進める決意だ」

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控訴審の終了後、総括集会を開催。佐伯弁護士は「本日、控訴趣意書を読み上げた。輸送運賃の値上げによって、労働者の条件向上のためのストライキ、労働組合活動であり威力業務妨害にあたらないという趣旨のものだ。弁護側の証拠は、産別労組や産別運動の学者の意見書と学者の証人尋問、地方議員の声明など5点だったが、採用されず証拠の取り調べはない。裁判官には、控訴趣意書をしっかり読んでもらい、良識ある判決を出すことを求める」と述べました。
関生支部を代表して、湯川委員長からは「本日の傍聴支援に駆けつけてくれた仲間に感謝する。労働組合のストライキが刑事事件となっていることについては、最高裁まで争う。悪法は運動で変えていくために、産業別運動を進める決意だ。団結と行動で頑張る」と刑事事件に萎縮せず、産別運動で闘う決意が表明されました。
続いて、当事者の七牟禮副委員長からは「判決がどうであろうと萎縮せずに闘う決意だ。引き続き、支援をお願いする」と闘う決意が表明されました。

「傍聴支援に駆けつけてくれた多くの仲間に感謝します」

傍聴支援に来てくださった仲間のみなさんに感謝します。寒さが厳しくなってきたさなか、遠方から駆けつけてくれた仲間のみなさん、本当にありがとうございました。
次回の控訴審は、5月23日(金)、11:00からで判決言い渡しです。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュースNo.67 ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.68 ココをクリック 
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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