藤原生コン運送闘争、社前抗議行動・第2弾

 藤原生コン運送社(茨木市)の労働組合つぶし、組合員の雇い止めなどの不当労働行為を糾弾する社前抗議行動が6月18日、連帯ユニオン関西地区生コン支部・大阪Bブロックと関西労働組合交流センターの共同行動で展開。4月に続く第2弾の社前抗議行動に、藤原生コン運送社の門前には、41人の闘う仲間が結集しました。

「労働組合法違反の藤原生コン運送社を糾弾!」

藤原生コン運送社の門前では、関生支部・武谷書記次長の開始宣言で社前抗議行動がスタート。関生支部・西山執行委員のリードで、参加者全員がシュプレヒコール。藤原生コン運送社に対して怒りの声をあげました。

「藤原生コン運送闘争に勝利するまで闘う!」

続いて、関生支部・七牟禮副委員長からこの間の闘争報告と闘争方針が示されました。七牟禮副委員長は、支援に駆けつけてくれた関西労働組合交流センターの仲間に、日頃の関生支部弾圧への支援に感謝を述べたあと「結集してくれた仲間に感謝する。藤原生コン運送社は、関生支部の組合員という理由で、我々の仲間を不当に雇い止めした。この会社の行為が大阪府労働委員会から不当労働行為と認定され、不当労働行為がなかった状態に戻せなどの命令が出された。しかし、藤原生コン運送社は労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けている。本日は、藤原生コン運送社が、我々労働組合に謝罪し、不当に雇い止めされた仲間を職場に復帰させ、労働委員会の命令を履行させるための行動だ。藤原生コン運送社の組合つぶし、労働組合法違反の不当労働行為を糾弾しよう!」と闘争報告。そして、「藤原生コン運送社の不当労働行為は、大阪広域生コン協組の関生支部つぶし、それに便乗した警察・検察の権力弾圧が背景にある。しかし、大阪府労働委員会から不当労働行為企業と認定され、命令が出されている藤原生コン運送社は、行政命令を履行する義務がある。藤原生コン運送闘争に勝利するまで闘う。引き続きの支援をお願いする」と決意表明と引き続きの支援を要請しました。

「職場に戻るまで闘う決意だ!」

当事者の藤原生コン運送分会・組合員からは「本日、駆けつけてくれた多くの仲間の支援に心から感謝する。藤原生コン運送社は、私を含め5人の組合員を雇い止めした。この不当な雇い止めが、大阪府労働委員会から不当労働行為と認定され、雇い止めがなかった状態に戻せと命令が出された。しかし、藤原生コン運送社は、この労働委員会の命令を守らない。近々、中央労働委員会から判断が出る。雇い止めを撤回させ、職場に戻るまで闘う決意だ。引き続きの支援を願う」と、仲間への闘争支援のお礼と勝利するまで闘う決意が述べられました。

「大阪Aブロックは、すべての争議解決に全力をつくす」

関生支部・木村執行委員は「藤原生コン運送社に、行政命令を守らせ、雇い止め撤回を勝ち取る」と発言。大阪Aブロック組合員は「関生支部の団結と行動、支援共闘の仲間の団結と行動で、藤原生コン運送闘争に必ず勝利する。大阪Aブロックは、すべての争議解決に全力をつくす」と、権利侵害反対闘争に勝利するまで闘う決意を表明しました。

「近江アサノ・灰孝バード闘争の報告と方針」

遠方から駆けつけてくれた京津ブロック組合員は「5.28関生決起集会のあと、早速、成果が現れた。近江アサノ解雇撤回闘争では、6月2日の控訴審で大阪高裁の裁判官が『一審の判決理由に疑問を持っている』と発言し、弁論準備が開始された。大津地裁の解雇有効という一審判決が覆る可能性が出てきた。また、この日は背景資本へ責任を追及する行動を太平洋セメント社前で展開し、近江アサノ社とバード社の組合つぶしをセメントメーカーに糾弾した。引き続き、太平洋セメント株主総会闘争に挑む」と、この間の闘争報告と今後の闘争方針を示しました。

「関生弾圧を粉砕!藤原生コン運送闘争に勝利するまで共に闘う!」

本日の抗議集会に駆けつけてくれた関西労働組合交流センターの仲間から連帯アピール。
高槻医療福祉労働組合・村山委員長、奈良市従元書記・吉谷さん、植木団地労働組合の代表者、星野文昭さんを取り戻す会・吾鄕さん、関西労組交流センター・冨山さん、港合同・昌一金属支部の代表者から「藤原生コン運送闘争に勝利するまで共に闘う」「職場でストライキをどんどん打ち抜き、関生弾圧を粉砕する」「労働組合つぶしは、戦争への道。戦争を阻止するために労働組合の団結と行動で闘う」「5兆円もの軍事費を許してはいけない。5兆円は公的保健医療の自己負担をゼロにできる額だ」など、共に闘う決意が表明がされました。

「当事者の組合員がリードする怒りのシュプレヒコール」

関生支部・大原執行委員から、藤原生コン運送社の従業員に向けて「労働組合の必要性」や「労働条件を向上するために共に闘おう」などの熱い思いが訴えられたあと、「藤原生コン運送分会・組合員」のリードで2回目のシュプレヒコール。「藤原生コン運送社は、雇い止めを撤回せよ!」「労働委員会の命令を守れ!」などのコールを集会参加者全員が藤原生コン運送社に対して怒りの声をあげました。

「藤原生コン運送社には、勝利するまで何度でも来る!」

港合同・昌一金属支部の木下委員長は「関生弾圧によって、労働争議が変化しているが、労働組合の団結と闘いがあれば、会社を変えることができる。港合同も1996年と2003年に刑事事件をでっち上げられ、多くの仲間が逮捕・勾留された。その弾圧時に関生は、宣伝カーに乗って駆けつけて、港合同にかけられた弾圧に共に闘ってくれた。これからも続くであろう刑事弾圧の攻撃に、共に闘うことが求められている。昌一金属支部の夏季一時金闘争では、ウクライナ戦争による物価高を口実に減額を会社は回答しているが、職場の抗議行動ではね返す。生活と権利を守るために、団結と行動で経営者の攻撃を粉砕しよう!藤原生コン運送社には、勝利するまで何度でも来る!共に闘おう」と行動が提起されました。

「女性の仲間の発言に、勇気と元気をもらった」

七牟禮副委員長が本日の行動を総括したあと、「団結がんばろう!」を行動参加者全員で唱和して抗議行動はお開き。
組合旗や幟がはためく、藤原生コン運送社前を通行する市民やドライバーらに、注目を浴びた行動となりました。
藤原生コン運送社前に駆けつけてくれた、関西労働組合交流センターの多くの仲間のみなさんに感謝します。
前回に続き、高槻医療福祉労働組合の村山委員長をはじめ、女性の仲間の発言に関生支部は勇気と元気をいただきました。藤原生コン運送闘争に勝利するまで、現場行動を展開します。引き続きの支援をお願いします。

※藤原生コン運送闘争とは
「藤原生コン運送社は不当労働行為企業と認定された」
茨木市に所在する、藤原生コン運送社が、連帯・関生支部の組合員を不当に雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は昨年、「雇い止めなどがなかった状態に戻せ」などと命令し、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定しました。

「大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にある」

ところが、藤原生コン運送社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
大阪府に所在する生コン企業の100%近くが加盟する大阪広域生コン協組が、2018年から始めた「労働組合つぶし」が背景にあります。
藤原生コン運送社と連帯・関生支部は、長年、円満な労使関係を築いており、労使が協力して展開する「生コン産業政策運動」を推進し、生コン価格や輸送運賃の適正化が実現したときには、労働組合が要求している「非正規の正規化など労働条件の改善」を約束していた企業でした。
ところが、大阪広域生コン協組の執行部から「労働組合つぶし」の協力を強くもとめられ、圧力をかけられた藤原生コン運送社の経営陣は、連帯・関生支部の組合員を解雇・雇い止めしたのです。
しかし、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にあるとしても、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、命令が出されたことについて、真摯に受けとめ、速やかに命令を履行することが、藤原生コン運送社の経営陣が「法律を遵守」し、「社会的な責任を果たす」ということなのです。

「団交拒否が認定された」

大阪府労働委員会は2022年3月25日、「藤原生コン運送社」を労働組合法違反の「不当労働行為企業」と認定し、関生支部が申し入れた団体交渉に応じなかったことを断罪しました。
さらに、大阪府労働委員会は「藤原生コン運送社」に対して、「当社が、貴組合が令和2年10月29日付け及び同年11月6日付けで申し入れた、同年2月25日付けの大阪府労働委員会の命令に基づく団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。と記した文書を速やかに労働組合に提出しなければならい」との命令を出したのです。

「懲りない藤原生コン運送社」

藤原生コン運送社が、大阪府労働委員会から2020年10月に、労働組合法違反の不当労働行為企業と認定され、救済命令が出されているにもかかわらず、再度、不当労働行為企業と認定されるという悪質な企業であることが露呈しました。
関西地区生コン支部は、大阪広域生コン協組に所属している「不当労働行為企業」に対して、大阪府労働委員会の命令を履行させ、解雇・雇い止めを撤回させ勝利するまで闘います。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目 労働運動を〈犯罪〉にする国
「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.74 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

 

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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