「逆転無罪判決!」和歌山広域協組事件、大阪高裁

和歌山県の生コン経営者が元暴力団を使って、関生支部の組合活動を妨害したり、組合員を脅したことに対して、関生支部の役員らが抗議と謝罪を求めたことが、強要未遂、威力業務妨害とされた事件の控訴審判決公判が3月6日、大坂高裁で開かれました。

「全員(3人)無罪!」

1審の和歌山地裁判決では、関生支部役員の3人は有罪判決(執行猶予付きの懲役刑)だったが、大阪高裁の和田真裁判長は、昨年3月の1審の和歌山地裁判決を破棄し、全員無罪の判決を言い渡しました。

 

 

「関生支部・役員らの行為は、正当な組合活動」

和田真裁判長は、主文の理由を「関生支部の団結権を守るための行為(憲法28条の団結権等の保障)」、「関生支部は産業別労働組合であり、業界企業の経営者・使用者やその団体と労働関係上の当事者に当たる(和歌山広域協組に関生支部の組合員が雇用されていなくても)から、団結権を守るための正当な行為は、違法性が阻却される(労組法1条2項)」などと理由を述べました。
また、「被害者(M理事長)とK元組合員の証言は信用できない」とも述べ、最後に「被告人らの行為は、正当行為として罪とならないから、刑訴法336条により被告人らに対し無罪の言い渡しをする」と締めくくりました。

「すべての無罪判決を勝ち取る!」

3人の弁護団の奮闘・ご尽力により、全員の無罪判決を勝ち取ったことに感謝します。
1審の和歌山地裁判決から控訴審の大坂高裁判決までの傍聴支援、集会・デモなど、反弾圧実行委員会のみなさんをはじめ、多くの仲間のみなさんの支援行動に感謝します。
滋賀コンプライアンス事件やビラ捲き事件、京都事件など、すべての無罪判決を勝ち取るために全力をつくします。引き続き、ご支援をお願いします。
関西生コン事件ニュース84号 更新しています

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。

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2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

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