関生支部「ヤクザとの闘い」和歌山編 その1

セメント・生コン業界で産業別労働運動を展開する関生支部(関生支部)。その生コン業界では、暴力団企業の現役ヤクザや経営者が雇うヤクザとの壮絶な闘争があります。

「和歌山広域協組事件が大阪高裁で逆転無罪判決」

和歌山県の生コン経営者が元暴力団を使って、関生支部の組合活動を妨害したり、組合員を脅したことに対して、関生支部の役員らが抗議と謝罪を求めたことが、強要未遂、威力業務妨害とされた事件の控訴審判決公判が3月6日に開かれ、大阪高裁は1審の和歌山地裁判決(有罪)を破棄し、関生支部の組合員ら全員無罪の判決を言い渡しました。

「和歌山広域協組事件に見られる生コン業者とヤクザたち」

この刑事事件の裁判では、和歌山県の生コン業者と暴力団・ヤクザとの親密な関係が露呈しました。
和歌山地裁の被告人質問では、関生支部・武谷書記次長が次のことを証言しました。
「Y生コンの社員で、和歌山広域協組職員のTさんは、K連合会傘下のK会の元会長で、暴力団関係者でした」。
「Tが、『いつでも懲役いったるぞ!』と欠損した指を私に見えるように掲げて、私を脅してきました」。
「関生支部事務所に、BMWで乗りつけ『武谷おるか!在籍確認や!』と言ったHさんは、K連合会傘下のK組に所属していた元暴力団です」。

「ヤクザと親密な関係のを仄めかすM理事長」

M理事長と面談したときの証言で、武谷書記次長は「M理事長は『武谷さんは、YK組って知ってますか』『YK組のNさん(当時のYK組若頭)と私は同級生なんです』」。
※YK組-広域指定暴力団Y組の二次団体。2015年に分裂して、神戸Y組の傘下だったが、2021年、Y組に復帰した。
「また、M理事長は『武谷さん、私は和歌山県警のブラックリストの2番目に載せられているんですよ』などと言っていました」。
和歌山地裁の法廷では、この武谷書記次長の証言に対して、検察官が大きな声で異議を発し、色をなして反論していた様子が印象的でした。

「ヤクザの内情に詳しいM理事長」

また、和歌山地裁の証人尋問では、弁護側の反対尋問でM理事長は「H(BMWで組合事務所に来た元暴力団員)は、M興業(K組傘下)」の運転手だった」ことや「K組の四代目」、「K組の解散」などについて証言しています。

「過去に暴力団から被害を受けたこと」

関生支部が過去に暴力団から被害をうけたことについて武谷書記次長は「1974年に、植月さんという副分会長が、暴力団員らに殺害された事件がありました」「1979年には、当時の関生支部書記長が暴力団に監禁され、暴行される事件がありました」「1982年に、野村さんという分会書記長が暴力団風の男に刺殺されるという事件がありました」と証言しました。

「関生支部の歴史は、ヤクザとの闘いの歴史でもある」

武谷書記次長が被告人質問で証言した「片岡分会事件」「高田分会事件」以外にも、「2007年、関生支部の分会長に傷害を負わせたり、関生支部の街宣車を特殊警棒を用いて窓ガラスをたたき割った現役暴力団」(斎藤建材・バニッシュ事件)を含めて、近畿2府4県では労働争議をめぐる関生支部とヤクザとの闘いがあります。
次回は、和歌山県の建設業界と暴力団・ヤクザとの関係を記したいと思います。

〈・・・次回につづく〉

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。

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関西生コン 作られた「反社」労組の虚像【竹信三恵子のホントの話】

デモクラシータイムスで組合員の苦悩、決意を竹信三恵子さんが詳しく紹介されています。

動画 動画閲覧できます ココをクリック

ー 公判予定 ー

5月11日  京都3事件        京都地裁 10:00~
5月22日     フジタビラ事件            大津地裁 10:00~

関西生コン事件ニュース No.88  ココをクリック3月29日発行 関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック 
関西生コン事件ニュース No.87  ココをクリック 
関西生コン事件ニュース No.86  ココをクリック   

2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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