関西地区生コン支部「ヤクザとの闘い」斎藤建材・バニッシュ闘争

セメント・生コン業界で産業別労働運動を展開する関西地区生コン支部(関生支部)。その生コン業界では、暴力団企業の現役ヤクザや経営者が雇うヤクザとの壮絶な闘争があります。
斎藤建材・バニッシュ争議では、現役の暴力団(山口組系K組組員)が、斎藤建材社(大阪府高槻市)の専属生コン輸送バニッシュ社の代表取締役に就任。この社長が、関生組合員に路上で暴行しケガを負わせました。暴行したバニッシュ社長は傷害罪で逮捕され罰金刑に処されました。
また、バニッシュ社長の関連会社の社員が、特殊警棒(三段警棒)を使って関生支部の宣伝カーの窓ガラスをたたき割るなど、関生宣伝カーを襲撃し、組合活動を妨害したのです。

「公道で関生組合員に暴力を振るったバニッシュ社長!」

斎藤建材・バニッシュ争議(不当解雇など)のさなか、斎藤建材の専属輸送会社バニッシュの社長が2007年9月、関生組合員に路上で暴力を振るい傷害を負わせました。バニッシュ社長は、自動車に乗って信号待ちをしていた関生組合員を自動車から引きずり下ろし、暴行を加えケガをさせたのです。

「産経新聞と毎日新聞が『山口系組員』などと報道」

暴行・傷害事件を起こしたバニッシュ社長は、犯行現場の幹線道路を通行止めにして現場検証をした大阪府警に逮捕・勾留されて罰金刑に処されました。
このバニッシュ社長の暴行・傷害事件について、産経新聞と毎日新聞は「山口系組員」「山口系暴力団」との見出しと実名を報道しています(2007年11月28日付)。

「特殊警棒で宣伝カーを襲撃!」

また、バニッシュ社長の関連会社の社員が2008年2月、特殊警棒(三段警棒)を使って関生支部の宣伝カーの窓ガラスをたたき割るなど、2度にわたり関生宣伝カーを襲撃し、組合活動を妨害しました。
一度目は、高槻市議事務所(D市議会議員、当時)の近くで、自動車に乗っていたFという人物が、すれ違いざまに関生宣伝カーの運転席側の窓ガラスを特殊警棒でたたき割り、運転していた関生組合員に軽傷を負わせました。
2度目は、バニッシュ社長の関連会社(建設資材販売店)の近くに、突然現れたFが関生宣伝カーの前方を特殊警棒で激しく叩き、宣伝カーのフロント部分を破損させたのです。バニッシュ社長と同様に、Fも警察に逮捕・勾留されて処罰を受けています。

「現場闘争と法廷闘争の両輪で勝利解決!」

2008年5月に、斎藤建材の代表者が関生支部に謝罪しました。また同月には、バニッシュ社長(当時、現役暴力団)が関生支部に謝罪。現場闘争と法廷闘争を駆使した斎藤建材・バニッシュ闘争は、2008年9月に勝利解決しました。

「関生支部の歴史は、ヤクザとの闘いの歴史でもある」

暴対法(1992年)や暴排条例(2010年以降)が制定されて、企業への暴力団・ヤクザの介入がなくなってきたと言われていますが、斎藤建材・バニッシュ争議に見られるように、近代においても生コン業界・建設業界には暴力団・ヤクザが跋扈しています。
暴力団は、「組」の偽装解散、ヤクザは「破門状」「絶縁状」を周知する偽装脱退を頻繁に行います。この偽装解散や偽装脱退は、暴対法や暴排条例が制定する以前からのことで、今に始まったことではないのはご存じの通りです。
組の解散や組からの脱退が本当なのか、市民にわかるはずがなく、警察もよくわからないのが実情です。
暴力団・ヤクザは、自らの利益のみに行動します。企業の陰に隠れていても自分の利益が損なわれることになると、対象者やその家族に対して脅迫などの攻撃を露骨に行います。
労働組合を嫌う経営者が、労働組合を潰すために、暴力団関係者に依頼したり、企業に雇い入れたりするなどの行為は、現在に始まったことではないのです。
斎藤建材・バニッシュ争議以外にも、関生組合員が殺害された「片岡分会事件」「高田分会事件」を含めて、近畿2府4県では労働争議をめぐる関生支部とヤクザとの闘いがあります。引き続き、「関西地区生コン支部『ヤクザとの闘い』」を掲載していきます。

関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たちこの映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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関西生コン 作られた「反社」労組の虚像【竹信三恵子のホントの話】

デモクラシータイムスで組合員の苦悩、決意を竹信三恵子さんが詳しく紹介されています。

動画 動画閲覧できます ココをクリック

ー 公判予定 ー

6月 5日    フジタビラ事件       大津地裁 9:45~

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2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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