マスメディアが関生弾圧を直撃！　毎日放送（MBS）ドキュメンタリー番組報道’24　

マスメディアが関生弾圧を直撃！　毎日放送（MBS）ドキュメンタリー番組報道’24　

3月31日深夜、毎日放送（MBS）が関生弾圧を取材したドキュメンタリー番組・映像’24「労組と弾圧」を放送。大きな反響を呼んでいる。

番組は1970年代の映像で始まる。この頃、日本でも春闘時期のストライキは当たり前だった。大規模な鉄道ストライキを前に、会社に泊まり込む会社員の声を拾っている。マイクを向けられた会社員たちは口々に「仕方ないのではないか」「（ストライキは）労働者の当然の権利だ」と理解を示す。ここで映像は現在に移る。関生支部主催の「火曜日デモ」を前に、タクシーの運転手は「迷惑だ」と顔をしかめ、若者たちも「集団で行動することで何になるのか分からない」と言う。

大阪広域生コン協組地神氏インタビュー

番組では、関生弾圧に関係する重要人物に突撃インタビューを行い、その様子を放送している。
最初に登場するのは瀬戸弘幸氏。福島県にある自宅での取材のなかで瀬戸氏は「（大阪広域生コン協組の）木村理事長から直接電話がかかってきた」「木村理事長と東京で会い、『助けてほしい』と頼まれた」「（大阪広域生コン協組から）月70万円の報酬を受け取っていた」と答えている。
さらに、大阪広域生コン協組の地神副理事長は本年1月に開催された同協組の新年互礼会会場で取材に応じている。
カメラを前に地神副理事長は「誰とお付き合いするのか私たちにも選ぶ権利がある」と語り、さらに「私たちは関生支部のことを労働組合とは思っていない」と明言した。

元警視総監・池田氏ギリギリ無罪とは？

番組後半には「弾圧を仕掛けた側」として、元警視総監・池田克彦氏が登場。
池田氏は個別事件の事情は分からないと前置きしたうえで取材に答え、関生事件のなかで多数の無罪判決が出ていることについて「無罪と言っても『ギリギリの無罪』だ」などと発言。さらに「この事件を世に問うたこと自体が大きかった」と一方的な持論を展開した。
これに対し、立命館大学の吉田美喜夫名誉教授は「労働組合活動を外からながめると刑罰法規に該当することは当然ある。外形的には刑罰に当たる行為だったとしても、正当な組合活動であれば刑罰に問わないというのが労働基本権確立の第一歩だ」と真っ向から反論した。

無罪を勝ち取っても時間は返ってこない

番組は最後、大津二次事件で7名が無罪判決を勝ち取った当日の様子を放送。判決報告集会のなかで関生支部・湯川委員長が「たとえ無罪になっても時間は返ってこない」「その人の人生を狂わせるのが弾圧だ」と権力弾圧を批判する様子を放送したのち、下記のナレーションで締めくくった。
「日本の労働組合の多くが従順になり、こぶしを振り上げることを忘れてしまった。たまさか、関生のように権利を強く主張すれば、うとんじられ、当局のさじ加減で弾圧につながることさえある。しかし、目をそらしてはならない。働く者の自由と権利がこの手から奪われないために」。