企業の枠を超え、横断型の産業別労働組合を組織しよう!
会社内の従業員でつくる「企業別労働組合」は日本に特徴的な仕組みです。現場の課題に柔軟に対応でき、会社と従業員が一体となって経済成長を支えてきましたが、労働組合に入っていない労働者が8割以上となっている現在、その役割が問われ、大企業・正社員中心の組合に代わる、産業別労働組合が脚光を浴びています。
「中小企業や非正規の労働者は、労働組合と無縁の人が多い」
法律上は労働者と経営者は、「対等」とうたわれていますが、現実には労働者一人ひとりの力は弱いことから、立場の強い経営者と対等に交渉できるよう、労働組合をつくる権利が認められています。
しかし、雇われて働く人に占める組合員の割合(組織率)は1949年の55.8%をピークに低下を続け、2021年は16.9%でした。
パートや派遣社員ら非正規労働者が4割近く増えたことが影響し、組織率が高い製造業で工場などの海外移転に伴う空洞化や採用抑制が進んで組合員が減りました。小さな事業所が多いサービス業の広がりも要因となっています。
企業規模別の組織率は、従業員1千人以上の企業は39.2%ですが、99人以下は0.8%と大きな差があります。大企業の正社員は多くが企業別労働組合に守られていますが、中小企業や非正規の労働者は、労働組合と無縁の人が多いのが現状です。
「欧州各国は産業別労働組合が主流」
労働組合の組織率低下は世界共通の現象でもあります。しかし、産業別労働組合が主流の欧州各国では産業ごとの交渉で結ぶ労働協約を組合員以外にも拡張して適用する制度があります。たとえばフランスでは労働組合の組織率は10%に満たないのですが、労働協約が適用される労働者は90%を超えています。
「労働協約の拡張適用で同じ労働条件に」
日本も労働組合法に拡張適用の規定はあります。茨城県内の大型家電量販店で働く各社の管理職以外の正社員は2022年4月、最低111日の年間休日を保証されるようになりました。ヤマダ電機、ケーズホールディングス、デンコードーの大手3社の労使が結んだ労働協約を、ノジマなど他社を含め、県内全域に適用すると厚生労働省が昨年9月に決めたからです。「地域的拡張適用」と呼ばれ、決定は32年ぶりのことでした。
ノジマの広報担当者は、「会社の就業規則上の年間休日は106日だが、茨城県内の4店で対象となった社員22人は111日に増やした。同社に労働組合はなく、拡張適用で労働条件が上乗せされた形だ」と話しました。
「業界全体で休日が増え、同じ土俵で頑張るのはいいこと」
労働協約を結んだ3社の労働組合は産業別組合UAゼンセンの傘下で活動しています。家電販売は競争が激しく、店員の休日を減らしてシフトを増やす動きが出たこともありました。過当競争の市場で、企業が労働条件を下げて有利になることを防ぐ動きを受け、店で働く組合役員からは「業界全体で休日が増え、同じ土俵で頑張るのはいいこと」と前向きな声が聞かれたといいます。
「適用の意義は大きい。さらに広がるのではないか」
2022年7月には、労働協約の拡張適用を求めて、青森、岩手、秋田の3県の大型家電量販店への申立がありました。関西大学の川口美貴教授(労働法)は「企業の枠を超えて、労働者間と使用者間のそれぞれで公正競争が実現でき、適用の意義は大きい。労使にとってのメリットが理解されれば、さらに広がるのではないか」とコメントしています。
「関生支部の産別運動」
関生支部が展開する産業別運動では、生コン業界において、請負型だったミキサードライバーの「最低賃金保障」や、土日祝も休日が定かではなかった「年間休日104日」などを集団交渉で経営側と合意・協約し、その労働協約が拡張適用された歴史があります。日本は企業別労働組合が主流で、労働者も企業別労働組合が当たり前と思っているようです。しかし産業別労働組合は、その産業における労働者の労働条件を向上させるための有効な労働組合なのです。今の社会情勢を踏まえ、企業の枠を超え、横断型の産業別労働組合を組織しましょう!
第4回 人権問題シンポジウム 開催!
日 時:2024年12月7日 15:00~17:00
場 所:エルおおさか南館7階 南734
講 師:秋田 真志弁護士 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
権力犯罪と人質司法
~取り調べ可視化が浮かび上がらせた
日本の刑事司法の闇~
資料代:500円
お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
TEL:06-6583-5546
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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東京新聞「こちら情報部」
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