関生支部の産業別労働運動29
京都府における関生支部の活動経過⑺
排除に抗う『ワークシェアリング』
2017年12月、輸送運賃の引き上げに関する約束の履行を求めて、関生支部は関西一円でストライキを決行しました。このストライキを境に、大阪広域生コン協組と関生支部の対立は激化し、2018年1月には大阪広域生コン協組が理事会で「連帯労組との接触・面談の禁止」を決議し、協同組合加盟企業へ通達するに至りました。これを受けて加盟企業は、正社員か日々雇用(日雇い)かを問わず、職場から関生支部所属の組合員を次々と排除していきました。
大阪広域生コン協組のエリアで働く場を失った大阪地域の日々雇用組合員は、就労日数を確保するために京津(京都・滋賀)地域の雇用に頼らざるを得なくなりました。これに対し、京津ブロックの正社員組合員は積極的に休暇を取得し、日々雇用組合員の就労機会を増やす「ワークシェアリング」を実践して仲間を支えました。
当時の京津地域の経営者のなかにもこの動きには一定の理解を示しており、例えば、それまで組合員の受け入れを誘導員に限定していた企業がミキサー車の乗務員としても窓口を広げるなど、協力的な姿勢を見せていました。
大阪広域生コン協組と警察・検察による大弾圧
しかし、大阪広域生コン協組による「連帯排除・敵視政策」が強まるなかで、大阪広域生コン協組は、排外主義者(レイシスト)らを雇い入れたのです。大阪広域生コン協組の手先となった排外主義者らによる、関生支部へのなりふり構わぬヘイトキャンペーンが始まったのです。彼らは、You TubeなどのSNSを悪用し、動画を恣意的(しいてき)に切り取って拡散させることで、「関生支部は反社会的勢力である」という印象操作を、組織的かつ大規模に展開しました。
さらに2018年7月からは、大阪広域生コン協組と連携した警察・検察による大規模な弾圧が本格化しました。
大阪府警がストライキを威力業務妨害とし、滋賀県警が現場の安全確保を求めるコンプライアンス活動を強要や恐喝未遂と見なしたほか、京都府警が労使紛争の解決金を恐喝、保育園の就労証明書請求を強要未遂として立件しました。
また和歌山県警も、元暴力団員を使い組合員を畏怖させたことに対して抗議したことを威力業務妨害や強要未遂に問うなど、本来は正当な組合活動であるはずの行為が次々と刑事事件化され、延べ89人もの関生支部役員・組合員が逮捕・勾留・起訴されるという異例の事態となりました。
大阪広域生コン協組の関生支部排除の通達が
特に京津ブロックの組合員は、滋賀・京都・和歌山の各県警によって次々と逮捕され、2018年夏から2019年9月頃にかけて、京津ブロックは弾圧の「激震地」と化しました。
当初、組合員たちは相次ぐ逮捕者に対しても、「不当な弾圧には屈しない」という強い連帯感のもと、互いに支え合いながら地域における産業別運動を継続していました。しかし、ブロック担当の副委員長や執行委員、さらにはブロック執行部までもが相次いで逮捕され指導体制を喪失。昨日まで共に闘っていた仲間が不在となった組合員は、底知れぬ動揺と混乱が広がりました。
多数所属する京津地域大弾圧の激震地となる
2019年春頃になると、警察は京津ブロック執行部を中心とした組合員への任意聴取を頻繁に行うようになりました。その際、警察は組合員に対して「副委員長に金銭問題の疑惑がある」といった虚偽の情報(デマ)を吹き込み、組合員の信頼関係を揺さぶって疑心暗鬼に陥らせることで、組織の解体を目論みました。取り調べを受けた一部の組合員が警察官の言葉を鵜呑みにしてそこかしこで噂するようになりました。
警察によって仕組まれた事実無根のデマであると訴え、組合の団結を必死に呼びかけました。しかし、デマによって一度生じた不信の溝はあまりに深く、その切実な叫びも、混乱の極みにあった京津ブロックの組合員全員に届くことはありませんでした。
真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
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増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たちこの映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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