「保釈ちらつき心が揺れた」
2019年2月20日付、朝日新聞朝刊の『「人質司法」いいんですか』で、新党大地代表の鈴木宗男氏は次のように述べています。

2002年 あっせん収賄容疑で逮捕

私は2002年6月、あっせん収賄の容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。翌年8月まで、戦後の衆院議員では最長となる437日もの間、東京拘置所の4畳の広さの独房に入れられました。
拘置所での生活そのものは、学生時代に住んだ安アパートの3畳の広いと思えば、それほど苦にはなりませんでした。つらかったのは、外部の情報を遮断されたことでした。当初は弁護士以外との接見も禁じられ、新聞や雑誌も読めない。世の中がどうなっているのかわからない。情報の遮断がこれほどの苦痛とは思いませんでした。
さらに子宮がんの手術をしたばかりで治療中だった元秘書を含め、次々と秘書が逮捕されました。検察は頑固に否認を続ける私を精神的に追い詰めて罪を認めさせる「神経戦」をしかけてきたのです。

検察の書いたシナリオ

ある猛暑日の日のことでした。担当の検事が「今日も暑いですねえ。独房はクーラーがないから大変でしょう」と言ったあと、「鈴木先生。バッジを外したほうがいい。政治家を辞めた方がいいですよ」と言いました。さらに「否認を続ければ、3年か4年はここにいることになりますよ」とたたみかけてきました。
私の心はグラグラと揺れました。「罪を認めればこの苦しみから逃げられる」。弁護士から、妻や娘からの励ましの手紙を接見室で見せられて何とか踏みとどまりました。もし、あの時バッジを外していたら、保釈してほしいばかりに検察のシナリオ通りに自白していたかもしれません。

土日も含め毎日のように取り調べを受けましたが、9月に政治資金規正法違反などで起訴されたあとは、ほとんど取り調べがなくなりました。11月に公判が始まってからも保釈は認められず、最終的に保釈されたのは、検察側の証人に対する尋問が終わったあとの翌年8月末でした。
検事が作成した調書の通りに事件関係者に証言してもらわなければ、事件が崩れてしまいます。私が外に出て様々な情報を発信すると、証人の心が揺れて、調書通りに証言してくれなくなることを恐れたから、検察は保釈に反対したのです。あとでわかったのですが、証人尋問の前に彼らに想定問答のメモを渡して4日間かけて調書通りに証言する練習をさせたそうです。
以前は年1、2回受けていた人間ドックを保釈後に2年ぶりに受けたところ、スキルス性の胃がんが見つかりました。手術の結果、幸い転移していませんでしたが、保釈がもう数ヶ月長引いていたら、転移して命はなかったかもしれません。
いくら検察が「勾留が必要だ」と主張しても、勾留を決めるのは裁判官です。裁判官には独立の気概を持って検察の暴走を止めてほしいです。

身柄拘束に慎重にあるべきだ

刑事事件では、被疑者が黙秘権を行使すると、自白を取るために長期間身柄拘束することが常態化しており、これを「人質司法」といいます。
人質司法をなくすには、「最高裁が身柄拘束に慎重であるべきだ」というメッセージを広く発信することです。
また、長期勾留の弊害を裁判官に実感してもらうことが必要です。現在は一部の裁判官に限られている弁護士経験の研修をもっと広げて、若い裁判官すべてが経験できるようにすれば、長期間の勾留がいかに理不尽かを実感できるのです。
カルロス・ゴーン前会長の件を契機に人質司法の問題への関心を高める取り組みを展開しましょう。

滋賀 恐喝未遂事件
第12回 公判
日時:2019年3月25日 10:00~17:00
第13回 公判
日時:2019年3月26日 13:20~17:00
第14回 公判
日時:2019年3月27日 10:00~17:00
第15回 公判
日時:2019年3月28日 10:00~17:00
場所:大津地方裁判所
大阪 威力業務妨害事件
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
滋賀 大津生コン協組 威力業務妨害事件
第2回 公判

日時:2019年4月2日 11:00(変更)
場所:大津地方裁判所
ストライキが犯罪か!
労働組合つぶしの大弾圧許さない!
3.10集会
日にち:2019年3月10日(日)
時 間:14:00~16:00 開場:13:30
場 所:大阪市立西区民センター

労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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