2019年2月25日、関生支部への刑事弾圧をめぐり、「湖東協組事件」の第10回公判が大津地裁で開かれました。この日もこの間の公判に引き続いて、検察側の証人尋問です。

「弾圧弁護団からの解説とまとめ」

証人1:建設会社 大阪支店支店長

一人目の証人は、建設会社の大阪支店支店長です。そのような立場である証人は、「脅された張本人なんや」という位置づけで登場したわけです。
主要な話としては、2年前の8月1日に連帯の組合員と会ったときの話しです。あまり具体的ではなかったのですが、1点だけ、「そこで組合員と話しをつけたから妨害が収まったんだ」と主張していたのですが、このことについて弁護人が「7月はじめの段階でコンプライアンス活動が、ほぼ終わっているはずなのに、8月はじめになって止まったんやってどういうこと?」と指摘しました。
今日の証人尋問で裁判官に理解してもらったかが、若干気になるところなんですが、今後の証人尋問の結果をもとに書面も出していきながら、アピールしていきたいと思っています。

証人2:生コン製造会社 副社長

二人目は、生コン製造会社の副社長です。この証人のほとんどが「昔嫌がらせを受けた」ということを述べていただけで、今回の事件のことは何も証言していません。件の建設現場に1万㎥入れたというだけで他は聞き流してもいい尋問でした。
検察官が、「なんとなく嫌な雰囲気を植え付けたくて連れてきた証人」だと位置づけができるでしょう。
反対尋問で弁護人は、「あんた加水とかいろいろあったんちゃうの」「マル適マーク取り消されてたんちゃうの」という指摘をしました。これは、裁判官に「うん?」とおもってもらうチャンスと思い指摘したのです。
今日の尋問だけでなく、今後も補足する資料を弁護側から積極的に出していくということで、フォローしていく必要があります。せっかくの指摘や矛盾点の追及が意味のないものにならないように、引き続き弁護団としても検討していきます。

証人3:商社(生コンなどの買い付け担当)

三人目は、商社の人です。建設会社の下で建築資材(生コンなど)の買い付けを担当していた人物です。
この証人の一番のポイントは何度も尋問の中で出ていた「大変なことになりますよ」と湖東協祖の幹部が言ったこと。これが「脅し文句」というのが検察官の主張です。
「大変なことになりますよ」との一言があったからといって、そんなに恐れおののく人は、あんまり世の中にはいないですが、「怖い労働組合から言われた」とする背景のもとの発言というのが検察官のストーリーです。
その「大変なことになりますよ」と言った現場には、同じ商社の別の人もいたことから、その別の人は既に証人尋問が済んでいます。その人は、同じ場所で同じ席にいたはずなのに、「大変なことになりますよ」と言っていた記憶はないと法廷で証言しています。ただ聞こえなかった理由は「ボーっとしていた」と言うのですが、聞いてないという人が一人いたので、次の(今日の)証人がどう証言するのかを弁護側も注目してたんですが、そこはやはり「俺は聞いた」と言っていました。

気になったのは、裁判官から最後の質問で前の証人は「聞いてない」って言っているが「なんでだろう」というのをわざわざ聞いていたことです。今回の証人に言い訳をさせるための質問でした。裁判官自身が組合側に不利な内容の判断をくだすための準備をしているように私には映りました。
例えば判決で一人の証人は「聞いていない」と言っているけども、「なんかボーっとしていたみたいやし、しょうがないのかな」みたいなことを判決で書く準備をしているに違いないと思うと非常に危険な気がしました。
今のところそういう気持ちで裁判官がいるのは何となく伝わってくるものがあるので、この状況を変えていかないといけないと思っています。
証人の「聞いていない」ことの発言をどんどんアピールしていかなければいけないし、この日の午前中の尋問で出てきた話や加水の話も含めて、検察官側の主張が決してうまくいっていないところがたくさんあります。そこをしっかりこじあけていくのが、弁護団の仕事のしどころだと思っています。

今回の公判についても、検察側が描くストーリーを証言させるための証人尋問だったことが明らかになりました。また、裁判官が有罪にするための準備が見られたようです。
私たちは、弁護団と連携して裁判闘争を強化することが必要です。そのためには、弁護団が指摘したことで矛盾点が明らかになったことを暴露するための広報宣伝活動が求められています。街頭に出て、広報宣伝しましょう。

「9名の仲間の保釈を勝ち取った」
関生支部弾圧をめぐる2月5日の滋賀県警による不当逮捕された仲間の保釈が認められ、3月5日時点で9名の仲間を取り戻しました。
保釈請求に集中して、結果を出していただいた弁護団に感謝します。
支援・協力していただいた労組や市民団体のみなさんに感謝します。本当にありがとうございました。
これ以降も弁護団と連携して、不当に勾留されている残りの仲間を取り戻すための取り組みを強化します。多くの仲間のみなさんには今後とも、ご支援ご協力をお願いします。
滋賀 恐喝未遂事件
第12回 公判
日時:2019年3月25日 10:00~17:00
第13回 公判
日時:2019年3月26日 13:20~17:00
第14回 公判
日時:2019年3月27日 10:00~17:00
第15回 公判
日時:2019年3月28日 10:00~17:00
場所:大津地方裁判所
大阪 威力業務妨害事件
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
滋賀 大津生コン協組 威力業務妨害事件
第2回 公判

日時:2019年4月2日 11:00(変更)
場所:大津地方裁判所
ストライキが犯罪か!
労働組合つぶしの大弾圧許さない!
3.10集会
日にち:2019年3月10日(日)
時 間:14:00~16:00 開場:13:30
場 所:大阪市立西区民センター

労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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